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シーソラプチ川(2017/08/06)

今は昔のミニ例会


今回もシーソラプチには沢山の舟と人が集まった

道内の何処の川も渇水のため、水が少なくても楽しく遊べそうなシーソラプチのミニ例会が企画された。
天気が良くて水も綺麗なシーソラプチ川となれば、誰だって下りたくなる。
ミニ例会にも関わらず、集まったのは何と28名。

カナディアンの数も多く、ミニラフトにSUPまで、何時にも増して舟の種類も多い。
他のクラブからの参加者もあり、最近のウィルダネスカヌークラブの例会やミニ例会は、川を下りたくてウズウズしている人達の受け皿と化している。
O橋さんに言わせると、ウィルダネスのバブル時代だそうだ。

一昔前のクラブのミニ例会と言えば、家庭に見放された身寄りのないおじさん達が集まってこっそりと川を下るような感じで、人数も少なく顔ぶれも何時も同じ。
そんな時代を知っていると、今の状況には少々戸惑いさえ感じてしまう。
それはさておき、昨日のどんよりと曇った千歳川とは打って変わり、青空が広がる今日のシーソラプチ川は気持ち良く下れそうだ。


一匹だけ浮かない顔のハチ

スタート前のミーティング。
O橋さんが「水が少ないので、岩にぶつかって怪我しないようにだけ注意して下さい」と話している後ろで、水嫌いの秋田犬ハチが浮かない表情をしていた。

私達もトナシベツ川で一度、ハチを乗せて下ったことがあるけれど、その頃はライフジャケットを着せられただけで、見事に丸まっている尻尾がダラリと垂れ下がってしまうくらいだった。
最近は少しは川にも慣れてきたみたいだが、天気が良くて皆が楽しそうにしている中、ハチだけがテンション下がり気味である。

キラキラと光り輝く水の上にカヌーを浮かべる。
直ぐに始まる瀬の中で、カヌーの底をゴリゴリと岩に擦るが、そんなことは全く気にならない。

時々止まっては写真撮影。
例会の時などはなるべく全員の写真を撮ろうと気を使うが、今日は写真撮影よりも自分が楽しむ方が優先である。


キラキラと輝く水の中を下っていく


五竜の瀬までやって来た。
落ち込みの落差に自分の視線の高さを加えると、落ち込みの下の水面が遥か下に見えてしまう。
前回はここでガンネルを掴んでしまって笑いものにされたので、今回はガンネルを掴まないことだけを意識して落ちた。

ここは、水が少ない時は左岸側しか降りられない。
皆は素直に左岸側を降りていたが、パムさんだけが一所懸命他のルートを探していた。
しかし、前回も一人だけ違うルートで降りて痛い目に遭っていたからなのか、今日は素直に左岸側を無表情で下っていた。


OC-1で落ちるタケちゃん

体重の分だけ深く沈むジュニア


 
その先も清流の中を気持ち良く下っていく。
3週間前に下った時と水量はそれほど変わらないが、水の透明度は全然違っていた。
天気が良いと、それが更に美しく見える。


気持ち良く瀬を下る


クランクの瀬は先頭で下って、何時もとは違う右岸側で撮影することにした。
足元の岩がヌルヌルしているので、危うくそこから滑り落ちて流されそうになる。

今日はIくらさんの奥さんも、旦那さんと同じくSUPで参加していた。
瀬を下り終えて笑顔を浮かべるその姿に、おじさん達から「可愛い~~!」と声援が飛ぶ。
クラブのアイドルであるガンちゃんに対しても同じ声援が飛ぶことがあるが、その本気度が全く違っていた。


ギャラリーから「可愛い!」の声が飛ぶ

人間はハイテンションだけど、ハチは・・・


 
全員がクランクの瀬を無事に下り終えて、次のトラウマの瀬へと向かう。
さすがにここでは先頭で下るのも躊躇われたので、何人か先に下ってもらってから瀬に入る。

ここでの沈は、瀬の名前のとおりに私にもトラウマになっているのだが、今回は全くグラリともせずに瀬を下ることができた。
水量が少ないとこんなにも違うものだと、自分でも驚いてしまう。


前回は右岸側を下る人も多かった

ここでは瀬の正面の岩の上から撮影しようと思って、左岸側の小さいエディに入ろうとする。
そのためには頑張って漕がなくてはならず、かみさんからブツブツと文句を言われる。
撮影班としての役目も色々と大変なのである。

岩の上に登るとトラウマの瀬を俯瞰することになり、なかなか新鮮な眺めである。
早速、N島さんが沈して、直ぐにY田さんからロープが投げられる。
ここではロープレスキューされるより、そのまま下流まで流された方が岸に上がりやすい。
それは、ここを流された経験者でないと分からないことである。
N島さんもそのロープには掴まらずに、そのまま自分で泳いでいった。


SUPは頭からこけるので怖い

前回は、地元の方からの情報で左岸側ルートは岩で怪我する恐れがあるので右岸側を下った方が良いとの話しがあり、3分の1くらいは右岸側を下っていた。
しかし今回は、Iくらさんの奥さん以外は、全員が左岸側を下る。
確かに、左岸側ルートで怪我をした人もいたことは確かだが、こちらの方が下りやすくてスリルもあるのだ。

それでも、SUPのIくらさんが頭からひっくり返った時はヒヤリとした。
SUPにはフィンがあるので、水深が浅いところではフィンが引っ掛かっていきなり止まるので、そのまま前ごけしてしまうことが多い。
SUPはとても面白そうだけれど、これがあるので岩の多い川では乗る気になれないのだ。

幸い何処もぶつけなかったようだった。
皆が下り終えた後、そこでサーフィンする人に交じってチャレンジし、再びひっくり返っていた。
それを怖がっていてはSUPには乗っていられないのだろう。


沈の花道では先に下った人達が待ち構えている

カナディアンは対岸にぶつかってしまうことが多い


 


熊五郎さんの回りには魚が群がっていた

美しい渓谷美の中をゆったりと下っていき、その少し下流で昼の休憩にする。
目の前の瀞場には沢山の魚影があった。

熊五郎さんがクールダウンのためにそこに入っていくと、魚達は逃げるどころか、熊五郎さんの回りに集まってきた。

よしひろさんから「熊五郎さん、川の中でウンチしてるんじゃないの!」と声がかかり、笑ってしまった。

どうやら、熊五郎さんのウンチではなく、熊五郎さんが歩くことによって川底の砂が巻き上げられ、そこに何か魚の餌になるものが混ざっているのが実際のようだ。

休憩を終えて再び下り始める。
左に直角に曲がるところの瀬では、左岸側に落ち込みのような流れがあることが、前回下った時に分かっていた。


カヤックはこちらの落ち込みに誘導される

前を下っていたよしひろさんがそちらの方に向かっていったが、私達は普通通りにコンクリート護岸に直接ぶつかるルートを下る。

Y田さんが、カヤックのメンバーを落ち込みの方へと誘導していたようだ。
バリエーションルートとしてこちらの方も面白そうである。
カナディアンでも下れそうに見えるけれど、無理をして舟を傷つけることもない。

そこでしばし遊んだ後、国体コースへと下っていく。
ルウオマンソラプチ川との合流部付近は、少々トリッキーな流れになっているが、今日は誰も沈することなくそこは下れたようだ。

三段の瀬を下った後は、分流を歩いて渡って、瀬の直ぐ横の撮影ポジションに付いた。
ここも初めての場所だけれど、直ぐ目の前を皆が下っていくので、なかなか迫力のある写真が撮れる。

ただ、ここでは派手な沈シーンは期待できない。
沈するとしても、下り終えた後のエディラインでバランスを崩しての沈くらいである。


MCCの会長も参加してくれた

目の前で見ているとなかなかの迫力





 


三段の瀬を下り終えて下で寛ぐ人達



H池・M木ペア豪沈

沈が期待できるのはやっぱり渡月橋の落ち込みである。
ここでも新しい撮影ポジションを探して、落ち込みの真横の岩の上から撮影することにした。

前回は沈する人も少なかったけれど、今回は楽しめた。
まずは、普段はなかなか沈してくれないH池・M木ペアが、豪快にひっくり返ってくれる。

次は、E藤さんが落ち込みの下で巻かれてもがいているところへ姫さんのカナディアンが突っ込んできた。
久しぶりに大型カナディアンがカヤックを轢くシーンを見られそうだと思ったら、それを避けようとして姫さんもひっくり返る。
ギリギリで交通事故は避けられたけれど、事故原因だったE藤さんはロールで起き上がり、姫さんはそのまま下流へと流れていった。


姫さんの巻き添え沈

熊五郎さんの奥さんは落ち込みの手前で舟が後ろ向きになってしまったが、そのままの態勢で落ち込みに入って無事にクリア。

渡月橋0勝2敗の熊五郎さんは、今回初めて成功して1勝2敗と星を戻した。
私達も昔は勝率5割ラインを行き来していたが、熊五郎さんも早く5割まで戻したいところだ。

SUPのご夫婦は惜しかったけれど2艇とも撃沈。

最後にやってきたパムさん。
水の少なさに退屈しきった様子で、後ろ向きになって下ってきた。
これで何か面白いことが起こるかと期待したが、何事も無くクリアしてしまい、本人もガッカリしたようだ。


自分から後ろ向きに落ちたパムさん

期せずして後ろ向きに落ちた奥さん


 
こうして幕を閉じたシーソラプチ川のミニ例会。
夏の一日を水と戯れながら楽しく過ごせたのである。

夏休みに入って観光地が何処も混雑する中、川の上はファミリーを乗せたラフトが時々通り過ぎていくだけで、美しい川を私達だけで独占して遊ぶことができる。
カヌーを趣味にして良かったとつくづく思ってしまう。



(当日12:00空知川水位 幾寅観測所 353.74m)



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