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沙流川(2018/10/06)

のんびり下る紅葉の川

10月例会で下る沙流川。
「こんなに水の少ない沙流川は初めてだ」と言う人もいるくらいに、水は少ない。


赤ワインで進水式

しかし、確かにここ数年では水が少ない方になるけれど、その前にはもっと渇水状態の沙流川を何度も下っている。
そもそも、一か月前の記憶だってあやふやな人が多いのに、何年も前のことなど覚えている訳がないのである。

I山さんの新艇マグナム72の進水式を、500円赤ワインで恭しく執り行って川下りスタート。
水は少ないけれど、ルートさえ間違えなければ座礁することも無く快適に下っていける。

スタートから岩の門までの間、瀬が次々に現れるけれど、どれも迫力不足である。
途中に結構楽しめる瀬があったはずだけれど、そこも二つの瀬に分かれて、普通の瀬になってしまった。
何だか、全体の川の落差が分散化されたので、全体の難易度が下がってしまったような気がする。


この程度の瀬が連続する



渓谷への入り口となる岩の門


岩の門を抜けて、渓谷の中へと入っていく。
2011年から8年連続で今時期の沙流川を下っているけれど、今年の紅葉はその中でも一番色付きが悪いようだ。
一週間後には見ごろになりそうだけれど、今年は若干紅葉も遅れ気味のようだ。


紅葉は例年より少し遅れ気味


渓谷の中に入ってくると岩場が多くなるので、瀬の様子に大きな変わりはない。
水が増えると激しい瀬ばかりになるけれど、今日の水量ならば全く緊張することなく下ることができる。


緊張するほどの瀬もない


先頭で下っていって、所々で上陸し、後続のメンバーの写真を撮影する。
Y川さんは、今日は川下り2回目の女性を乗せて大型カナディアンで下っている。
OC-1のロールもほぼ100%成功するようになって上達の著しいY川さんだけれど、久しぶりに乗る大型カナディアンは勝手が違うようで、座礁を繰り返していた。


ルートを誤ると座礁してしまう



チキンコースを下ることにかけては誰にも引けを取らないガンちゃん。
皆が普通に瀬を下ってくる中、今日も一人だけ見事なチキンコースを下ってきた。
しかし、そこには大きな岩が水中に隠れていて、ガンちゃんはそれをまともに乗り越えてしまう。

結果的には、ガンちゃんの下ったルートがヒーローコースだったようだ。
「今のって滝落ちだよね!」と本人は主張していたけれど、50センチの落差を滝と表現すべきかどうかは、落ちた本人の感覚次第である。


チキンコースのつもりが滝?落ちに

結果的にヒーローコース


そして、三岡の瀬までやって来た。
ここは何時も通り、全員で下見をする。
最後の落ち込みの部分は、水が少ない時は逆に落差が大きくなり、迫力が増すような気がする。

一度落ちた先に巨大な波が立っているのは、その中に岩が隠れているのだろう。
しかし、カヤックもOC-1も、その岩にぶつかる様子もなく下っていく。


三岡の瀬、大波の中に岩が隠れている


それよりも、大波を越えた先のホールでバランスを崩す人が多い。
大型カナディアンならホールに掴まることも無く、あっさりと越えられそうだ。

下るルートは決まった。
ど真ん中に突入し、大波を豪快に飛び越えてその先に着水。


大波を乗り越えるOC-1

カヤックは落ちた後が大変そう


ただ、そこに辿り着くまでに3か所の小さな落ち込みを越えていかなければならない。
途中で水舟になってしまった場合は、手前で一旦上陸しようと考えていたけれど、すんなりと通過。
予定通り、ど真ん中から落ち込みに入っていく。


必死に粘るが

するとそこで、大波の中に隠れていた岩にカヌーの底がぶつかり、若干バランスを崩してしまう。
そしてそのまま大波に跳ね上げられ、カヌーがやや右側に傾いた状態で着水。
かみさんが必死になって、左側に体を起こそうとする。
私は反射的にパドルから手を離してしまい、左側のガンネルを手で掴む。

何とかリカバリーできそうだと思った瞬間、かみさんがカヌーからするりと抜け出し、そのまま右岸の岩場に這い上がってしまった。
私は為すすべもなく、水中に没する。
やっと岩に這い上がった私に、顔を全く濡らすこともなかったかみさんはニコニコしながら「沈した気はしないわ」と言ってきたのである。(この時の動画

Y川さんのタンデム艇は途中で水を汲みながらも、大波の横をすり抜けてクリア。
と思ったら、ガンネルの高さまで水が入ってコントロールを失い、そのままひっくり返ってしまった。


サッサと舟から逃げ出すかみさん

水舟になって沈するY川さん艇



横の岩場で昼の休憩にする。
この後は沙流川渓谷の紅葉を楽しみながら、のんびりと下っていくだけ。
轟橋の手前などに気を抜くことのできない瀬があるのだけれど、今日の水量では心配することもない。


三岡の瀬で昼休み


クラブに入会したばかりのA達さんは、今回が例会初参加。
沙流川は下ってみたい川だったらしい。
何度も下っている私でさえ、下る度に川の上から眺める渓谷の美しさに感動しているのだから、初めて目にするこの風景にA達さんはどんな感動を覚えたのだろう。


轟橋付近の沙流川渓谷



この辺りが沙流川渓谷でも最も美しい場所


下っている途中、所々に測量用の杭らしきものが立っているのに気が付いた。
誰かが「まさかここにダムを造るんじゃないだろうな」と言っていた。


こんなところに熊の足跡が

両岸から岩壁が迫り、ダムを造るには丁度良い場所に見えるけれど、まさかこの美しい渓谷をダムの底に沈めてしまうようなことは無いだろうと信じたい。

岩壁に囲まれた小さな砂の浜に、何かの足跡らしきものがあるのに気が付いた。
近くに寄ってみると、それは紛いも無いクマの足跡だった。

何を目的に川まで降りてきたのかと思ってしまうけれど、日高山脈や夕張山地に繋がるこの地は、完全に熊の生息域でもあり、その足跡が有ったとしても何の不思議もない。

漕ぐ手を止めて水の流れに舟を任せ、渓谷の風景を眺めながら流されていく。
このまま渓谷を抜けてしまうのが勿体なく、途中の河原で小休止。


渓谷の中の河原で一休み


最後まで緊張することなく、沙流川渓谷の美しさをひたすら堪能できた今回の川下りだったのである。
 

(当日12:00沙流川水位 幌毛志:57.04m)

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