トップページ > カヌー > 川下り日記

 

美々川

(美々橋〜第二美々橋)

美々橋から上流を望む

 ギミック社発行「RISE Vol.6」の美々川特集を見て、これはもう絶対に秋の美々川を下らなければ、そう思い立ったのだけれど、なかなか天気に恵まれないうちにいつの間にか初冬になってしまった。

 この日だって、天気予報は「曇りで昼頃から雨、山沿いでは雪に変わる」との予報だった。それでも、「週末になる度に空を見上げてため息を付くような生活はもういやだ、少しぐらいの雨なんかどうでもいいや」と、半ばやけくそになって「えーっ、本当に行くの?寒いし、雨も降りそうだぞ」と渋る息子をせき立て、小雨がパラパラと降り出す中を出発した。
 本当はウトナイ湖まで一気に下りたかったのだけれど、空は今にも泣き出しそうな曇り空、しょうがなくほぼ中間地点になる第二美々橋まで下ることにした。

 今回は初めて自転車を交通手段に使ったのだけれど、私の自転車は大きすぎて車の中に入れることが出来ず、しょうがなく妻のママチャリを積んでいくことになった。第二美々橋から美々橋までは7km弱、途中上り坂もあったりして、これを小さなママチャリで走るのはかなりしんどい。日頃の運動不足もあって、カヌーに乗る前に太股がパンパンに張ってしまった。来年は何とかしてマウンテンバイクでも手に入れなくては。


白鳥のお見送りで出発

 出発地点では2羽の白鳥がお見送りをしてくれた。カヌーですぐそばまで近づいても、不思議そうな顔でこちらを見たまま全然逃げようとしない。ほのぼのとしたスタートである。
 ところが、まもなく思わぬ事態に遭遇してしまった。
 本にも出ていたが、近くの環境センターという施設からの汚水が流れ込む箇所があるのだが、今回はそんなにひどい汚水は流れ出していない。ところがその先で水草が茂りすぎて、川をせき止めている場所があった。そ、そこにはゴミと一緒に黄色いモワモワしたのもが、一面にたまっている。「こ、これって、もしかしたら、ウ、ウ○コ?」、でも、先に進むためにはそこを乗り越えなくてはならず、我慢して突っ込んでいった。でも、水草の堰は結構頑丈に出来ていて、カヌーが完全に引っかかってしまった。パドルを使おうにも、あたりはウ○コの海、バシャバシャすると、飛沫が顔に飛んでくる恐れがある。しょうがなく、3人でヨイショッ、ヨイショッと、体を揺すり、その反動でカヌーを少しずつ動かし、何とか通過することが出来た。まったく、美々川でこんな目に遭うなんて思いもよらなかった。

 しかし、それから先は、清らかな流れがウ○コのことも忘れさせてくれた。カヌーの下にはバイカモ(だったと思うけど?)がびっしりと生えている。
 何故だか知らないけど、子供の頃からこのような光景に強いあこがれを持っていたのだが、今回、ついにその夢をかなえることができた。出来れば水の中に手を入れて、一掴み持って帰りたかったのだけれど、さすがにこの時期、その気にはならない。

 しばらくの間、川幅は1m程度で、激しく蛇行して流れている。パドルを漕ぐというよりも、パドルで岸を押しながら進んで行くような感じである。もっとのんびりと下れると思っていたのだが、なかなか忙しいのだ。途中で上陸して、記念写真でも取ろうと思っていたのに、ほとんどが湿地帯なので適当な場所が見つからなかった。松美々橋を過ぎて美沢川と合流するあたりからは、川幅も広がり、のんびりと下ることができる。
 ただ、ひっきりなしに千歳空港を発着するジェット機の音と、近くを走る国道からの車の音が喧しく、それだけが気に入らない。この音さえなければ、本当の別天地といった感じである。

 上陸する場所がないので、水草の上にカヌーを乗り上げ、そこで昼食を取ることにした。でも、漕ぐのをやめると急速に体が冷えてきて、空模様もだんだんと怪しくなってきたので、早々に昼食を切り上げ、一気に第二美々橋まで漕ぎ下った。出発してからここまで約2時間、休みの日に気軽な気持ちで川下りをできる、おすすめフィールドである。
 今度は早春に遊びに来ることにしよう。


戻 る