北海道キャンプ場見聞録
にわか鉄ちゃんのキャンプ旅
かもめ島キャンプ場(5月31日〜6月1日)
今回のキャンプでは、来年5月に廃線となる江差線に乗ることが大きな目的だった。
廃線が決まってからは江差線の電車も乗客が増えているとは聞いていたので、わざわざ週末を避ける日程にしたのに、それでもこの有様である。 これでようやく静かな電車旅を楽しめると思ったら、木古内の駅でまた沢山の人達が乗ってきた。
全道民が大歓迎している様な北海道新幹線の建設だけれど、私は素直に歓迎する気にはなれない。
次の駅が湯ノ岱駅。 と思いながらも、実際は写真を撮るのに必死で、確かめている余裕などない。 |
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| 2年前に下った時はもっと水が多かった | シャッターを押すタイミングが難しい |
宮越駅を過ぎる天の川の堰堤が見えた。川を下っている時の唯一の障害物だったものである。
「腹が減った」
国道から少し入った場所に、今にも倒壊しそうな古い木造家屋があり「矢代鍛冶屋」の看板がかかっている。 |
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| 良い味わいがでている矢代鍛冶屋 | 鍛冶屋の道具がそのまま展示されている |
島の北側の一角に水場らしい施設があり、多分その辺りがキャンプ場として使われていた場所だと思われる。 2年前と同じところにテントを張っても面白くないので、少しだけ場所を変えてテントを設営する。 まだ時間も早いので、買い出しを兼ねて観光に出かけることにした。 その他のいにしえ街道沿いの観光施設は、過去に何度か江差を訪れた時に見たものばかりなので、街道沿いを一回りした後はコンビニで買い出しをして、サッサとキャンプ地へと戻ってくる。 陽も既に傾いてきていたので、夕陽を眺めるお気に入りの場所にビールを持って移動する。 |
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| 開陽丸の向こうには奥尻航路のフェリーが見える |
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| ここが我が家のお気に入りポイント | かもめ島の南端方向を望む |
再び特等席に戻り、夕陽が雲の中に姿を隠し、上空の雲が淡い赤色に染まるまで、時間を過ごす。 「俺達ってもう、こんなキャンプしか楽しめないよな〜」とつぶやくと、かみさんも全く同じことを考えていたようだ。 何時の間にか辺りはすっかり暗くなり、灯台の明かりが周期的にテントを照らしていた。 |
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| かもめ島の夕日は最高 |
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| 灯台と夕日 | 奥尻島へも行きたくなってくる |
この季節、海沿いでキャンプをしていると漁船が出漁していく音に目を覚まさせられる。 頭上の空高くでは下弦の月が白く輝いていた。
テントもほぼ乾いて撤収完了。 江差駅には余裕を持って7時半前に到着。朝早い時間のためか他のお客さんの姿は無い。
今日は函館市内の安いビジネスホテルに泊まって函館観光の予定である。 |
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| 電車の中から見える線路終端の車止め | 車窓の風景を楽しむ |
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札幌駅午前7時発函館行のスーパー北斗2号。
函館駅での江差線への乗り換え時間は15分。
でも、私達の席の先客女性は途中で降りて、賑やかなおばさんの一団も、渡島当別の駅でぞろぞろと降りていった。
そんな人達を乗せて、電車は木古内駅を出発した。
電車は水田が広がるのどかな田園風景の中を通って、次第に山の中へと入っていく。

電車が駅に着けば、乗客はそのまま改札口へと向かっていくのが普通である。
海岸沿いの国道へ降りてくると、涼しい潮風が磯の香りを運んできた。

かもめ島までやってきた。
意外と、役場に問い合わせたら「島の中の好きな場所にテントを張ってください」と嬉しいことを言ってもらえるかもしれない。
函館まで敗走してきた旧幕府軍の旗艦でもあったこの開陽丸は、荒天のために江差沖で沈没したのだが、もしもその事故が起きなければ、日本の歴史も少し変わっていたかもしれない。


コンビニで買った弁当を食べ、その後は近くのベンチに移動してワインを飲みながら、次第に暗さを増していく空に、星が一つ、また一つと輝き始める様子をぼんやりと眺める。


すると真正面の地平線から、今まさに朝日が昇ってくるところだった。
下の岩場では地元の釣り人達が次々に魚を釣り上げていた。
でも、他のお客さんがいないのはこちらにとっては好都合である。
