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屋久島キャンプ、島暮らしの始まり

海楽園キャンプ場(5月12日〜13日、17日〜19日)

曇り空の屋久島に到着定年退職後の最初の計画である紀伊半島の旅から帰って2週間後、今度は二つ目の計画の屋久島へと旅立った。
我が家の過去2回の屋久島への旅は、何れも4月中旬。
今回は、晴天の日も多く屋久島観光のベストシーズンとも言われる5月にずらしたけれど、天気ばかりは年によっても全然違う。

札幌を出る時の週間予報では、まずまずの天気だった。
ただ、今回は15泊16日の長期滞在。
その間の天気がどうなるかは、屋久島の山の神様が知るのみである。

福岡空港乗換で屋久島空港に到着したのは午後3時過ぎ。
千歳空港を飛び立ってから、ずーっと良い天気だったのに、屋久島の空にだけ雲がかかっていた。

屋久島空港に降り立つ飛行機を降りた途端、ねとっとした湿気を含んだ空気が肌に纏わり付いてくる。
今日の宿泊地である海楽園のキャンプ場までバスを利用するつもりでいたが、その蒸し暑さに耐えきれずタクシーに乗ってしまう。

この日の飛行機は、JALのウルトラ先得を利用して2月末に予約してあった。
それだけ早くから予約していると、何事も無く出発の日を迎えられるかが不安である。

実際に、数日前の川下りで沈をして、かみさんが尾てい骨を痛めた時は、本気で飛行機をキャンセルしようかと思ったくらいである。
それでも、かみさんが「大丈夫だ」と言うので、予定通り屋久島の地に降り立つ事ができたのである。

キャンプ場にテントを張ってから、バスに乗って宮之浦へと向かう。
明日から直ぐに屋久島の完全縦走に出発しようと考えていたので、余計な荷物を観光センターのコインロッカーに預け、ナカガワスポーツでガスカートリッジを購入。

宮之浦中心部から歩いてキャンプ場へ宮之浦中心部からキャンプ場までは約2.5キロ。
帰り道はそこをのんびりと歩く事にした。

宮之浦川にかかる橋の上から屋久島の山々を眺める。
その風景に過去2回の屋久島の旅を思い出し、懐かしさを感じてしまう。

キャンプ場の直ぐ近くに「わいわいらんど」と言う大きなスーパーがあり、とても便利である。
キャンプ場には共用の冷蔵庫もあり、ここでビールを買って冷蔵庫で冷やしておけるのだ。
ここのスーパーでもガスカートリッジを売っていて、その値段がナカガワスポーツより全然安かったのでガッカリしてしまう。

 
宮之浦川の風景
宮之浦川に架かる橋の上からの風景には懐かしささえ感じる

わいわいらんど   キャンプ場への道
お世話になったスーパーわいわいらんど   この坂を下ったところがキャンプ場だ

徳州会病院の建物が目障り最初は私達だけしかいなかったキャンプ場にテントが増えていた。
何れも男女のカップルで、私達以外は外人3組に日本人1組。
先月の小辺路縦走の時もそうだったけど、世界遺産の観光地は本当に外人が多い。

目の前には海が広がり、後ろには山の風景が迫る。
そんな中で、徳州会病院のマンションのような巨大な建物がちょっと目障りだ。

キャンプ場のコインシャワーで汗を流す。
お湯の出が悪く、水だけなら勢い良く出てくる。
試しに水のシャワーを浴びてみたが、さすがに屋久島でも水のシャワーは冷たかった。

海を眺めながらビールを飲む海岸の近くには、ベンチ代わりになる大きな岩が幾つか転がっている。
椅子を持ってきていないので、そんな岩がとてもありがたく感じる。

岩の一つに腰掛け、夕暮れの海を眺めながらビールを飲む。
いよいよ今日から屋久島での2週間の生活が始まるのだ。

受付のお兄さんから「ここでは蛍も見られますよ」と聞いていたが、テントの直ぐ後ろで光っている蛍を見た時は感動してしまった。
良く見ると、森の中のあちらこちらで緑色の光りが漂っている。
蛍を見たことなんて数える程しか無かったので、これは嬉しかった。


海楽園キャンプ場
なかなか落ち着けるキャンプ場だ

朝焼け翌朝、目を覚ますとテントの中が明るくなっていた。
時計を見ると既に朝5時を過ぎていたので「あ〜、日の出を見逃してしまった」と思いながらテントの外に出てみると、快晴の東の空は既に赤く染まっていたが、そこに朝日の姿はまだ無かった。

結局、朝日が昇ってきたのは5時半頃。
北海道よりもかなり南に来ているのは確かだけど、頭の中に日本地図を思い浮かべてみると、西にもかなり来ているようだ。

朝から気温は高いけれど、昨日のような蒸し暑さではないので助かった。
屋久島縦走初日は比較的余裕があるので、ゆっくりと朝食を済ませ、テントを片付ける。
そして札幌を出る時よりは少しは軽くなったザックを背負い、キャンプ場を後にした。

(屋久島縦走の様子はこちら。)

3泊4日の縦走から下山し、永田の民宿で1泊。
今回の屋久島の旅で、食事付きで宿泊したのはこの1泊だけ。
海を眺めながら贅沢な昼食でも、トビウオの唐揚げ、トビウオのすり身の薩摩揚げ、亀の手、刺身、旬の山菜など、食事付きの宿で出てくるものは一通り食べられたので、後は粗食でも十分我慢できる。

昼には再び海楽園キャンプ場に戻ってきて、昼食はスーパーわいわいらんどで買ってきた冷やしラーメンと納豆巻き。
これでも、縦走中に食べていたものと比べれば十分に贅沢である。

今日は縦走の疲れを取るため、キャンプ場でのんびりと過ごす。
最初の日は場内の奥、樹木の下にテントを張ったが、今日は海側の眺めの良い場所にサイトを確保。

小型タープが役に立つ 最近買ったばかりの小型のタープをキャンプで初めて使用する。
今日の様に陽射しの強い時には、持ってきて良かったとその有り難みをしみじみと感じる。

宮之浦の魚屋で買ってきた屋久島名物のサバ節。
お土産屋でも真空パックしたものが売られているが、こちらは半生タイプで1匹170円。

そのまま食べるのでは少しぱさついていたので、かみさんがマヨネーズとオリーブオイルで和えて醤油少々を加えると、これが最高のビールのつまみになった。

今日のキャンパーは日本人のソロキャンパーが二人。
お年寄りの方は、車の屋根に乗せるポップアップ式テントが強風で壊れてしまったとかで、管理人のお兄ちゃんに手伝ってもらってテントを設営していた。
屋久島に来てから結構経っているようだが、腰を痛めたらしく辛そうである。
もう一人は今日屋久島に着いたばかりの若者。
明日は縄文杉を見に行くとの事。

室内の炊事場海岸でサンゴを拾ったり、宮之浦港に出入りするフェリーを眺めたりと、気ままに時間を過ごす。
一番の目的だった屋久島縦走のイベントが終わってしまったので、後は天気を見ながら翌日の予定を考えなければならない。

幾つかの候補を考えていたが、明日はその中からSUP(スタンドアップパドルボード)の半日体験ツアーを選んでみた。
上手い具合に午前中に予約できたので、これで落ち着いてビールを飲む事ができる。

夕食はスーパーで買った食材でかみさんがおかずを作り、米を炊くのは私の役目。
しかしこれが、過去に経験のないくらいの大失敗で、見事に焦がしてしまった。
それでも炭化するところまではいってないので、食べる分には問題ない。

この日の夕方は少し雲が出ていたけれど、その雲が赤く染まる美しい夕日を見ることができた。
ただ、少し風が吹いていたせいか、蛍は昨日より少なかったようだ。


調理中   焦げ飯
夕食調理中のかみさん   焦がしてしまった!
夕焼け
雲が出ていた方が変化のある夕焼けを楽しめる

朝焼け翌朝は少し雲が多くなっていた。
でも、昨日の夕焼けと同じく、雲があった方がひと味違う朝日を楽しめるのである。
昨日の焦がしたご飯は、かみさんがサバ節の残りを混ぜ雑炊にして食べてくれた。

私達が朝日を眺めている頃、屋久杉を見に行くと言っていた若者のテントの前には、まだ靴が残っていた。
屋久杉を見に行くには、朝早い時間のバスに乗らなければならないはずだ。
若者はやっぱりバスの時間を勘違いしていたようで、途方に暮れていたので、白谷雲水峡かヤクスギランド辺りに行くしかないよとアドバイスしておく。

そうして、午前中はSUPツアーへ。(この様子はブログの方で

ツアー終了後はガイドの方にキャンプ場まで送ってもらった。
昼食がまだだったので、買い物ついでにわいわいらんどの前にある「ヒトメクリ」に入る。

トビウオの一夜干し定食 かみさんはスパゲティとパンがとても美味しかったと喜んでいたが、私は日替わり定食(トビウオの一夜干し)を頼んでちょっと失敗。
正直言って、トビウオはもう良いかなって感じだった。

明日は龍神杉を見に行く事にした。
交通機関がないのでレンタカーを借りようとしたが、軽自動車が空いているところが少なく、少々高めの店で借りる事になってしまった。
そして問題は、明日の天気が夜中に雨が降るとの予報になっていた事だ。
龍神杉登山もかなりハードみたいなので、明日は素泊まり民宿に泊まる事にする。
民宿の方は、最初に電話した「やくしま89」が空いていたので、こちらの方は直ぐに決まった。
明日の行動予定と宿が決まり、これでようやく落ち着いて過ごす事ができる。

今日の夕食は、昨日のサバ節が美味しかったので、かみさんがサバ節の炊き込みご飯を作ると言っていた。
ショウガと白ごまを加えてとか、話しを聞いていたらとても美味しそうなので、楽しみにしていた。
ところが、今朝も焦げ飯のサバ節雑炊を食べたものだから、もうサバ節は食べたくないとの事。

マグロの漬け丼結局、夕食はマグロの漬け丼に変わってしまったが、私の役割の飯炊きも今回は上手く炊けて、おいしい夕食を食べられた。

管理人のお兄ちゃんが、ビールを飲みながら若者と話しをしていたので、仲間に入る。
彼は移住組で、雇われてここで管理人をやっているとの事。
ここのキャンプ場には素泊まり民宿も併設されていて、彼は一人で両方の管理をしなければならない。

「本当はキャンプ場の管理だけやっている方が良いんだけどな〜。面白そうなキャンパーを見つけて、こうやって話しをしている方が楽しいし。」と愚痴をこぼしながら、民宿の仕事へと戻っていた。

今日は、昨日のような美しい夕焼けは見られなかったけれど、西の空には夕日に照らされた飛行機雲が何本も伸びていた。
それを眺めながら「沖縄にでも行くのかな〜」と話しをしていたが、飛行機雲が多く見られるのは天気が崩れる証拠でもあるのだ。
それを見てあまり喜んでもいられない。


西の空には沢山に飛行機雲
飛行機雲は天気の崩れるしるしだ

蛍ここの蛍は、キャンプ場の横を流れる小さな川から発生している。
その川が海へと流れ込む海岸側から様子を見に行くと、そこでは蛍の大乱舞が繰り広げられていた。

管理人のお兄ちゃんは、サイトの方から蛍の様子を見にきていたので、もしかしたらこちら側のことは知らないのかもしれない。
時が経つのも忘れるくらい、暫くの間、その蛍の大乱舞に見とれていた。

翌朝は、雲を真っ赤に染めるもの凄い朝焼けを見る事ができた。
とても居心地の良いキャンプ場だったけれど、そろそろ宮之浦周辺でのイベントも無くなってきたので、このキャンプ場に戻ってくる事はもう無いかもしれない。
そう思いながら、迎えにやってきたレンタカー屋の車に乗り込んだ。


屋久島の朝焼け
空が燃えるような朝焼け

振り返ってみると、今回の屋久島滞在中、この海楽園キャンプ場で過ごした期間だけが天気に恵まれていたのである。
この後、スッキリとした青空を眺められた日は殆ど無かったのだ。

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この後の龍神杉登山の様子へ 



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