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鏡面の湖を期待して美笛キャンプ

美笛キャンプ場(6月20日~21日)

5月の仲洞爺キャンプで湖キャンプの楽しさを久しぶりに思い出し、「良し、次は平日の美笛でキャンプしよう」との話が私達夫婦の間でまとまった。
最近は再びキャンプブームになっているらしく、その中でも美笛はシーズンに関係なく賑わっているらしい。
そんな美笛で静かなキャンプを楽しむためには、もう平日に行くしかないのである。

そして、どうせ行くのならば、鏡のような湖面にカヌーを浮かべてみたい。
私達夫婦の間で今でもはっきりと記憶に残っているのが、2004年の支笏湖オコタン野営場のキャンプである。
完全な鏡面となった支笏湖にカヌーを浮かべた時の感動。
それをもう一度味わって見たかったのだ。


期待通りの支笏湖の風景

それなので、気になるのは風の予報。
晴れる日はあっても風が強そうなので、そんな時は諦めて別のキャンプ場へと出かける。
そんなことが2度ほどあって、3度目の正直でようやく美笛キャンプの決行となった。

張り切って家を出て、美笛を目指す。
ポロピナイを過ぎて湖畔の道路に出てくると、期待通りに支笏湖の湖面は凪いでいて、そこには風不死岳の姿が映っていた。

キャンプ場に近づくに従って心がワクワクしてくる。
このワクワク感は、他のキャンプ場に行く時には感じたことが無く、美笛でキャンプする時だけの高揚感である。

そうして午前10時頃にキャンプ場に到着。
管理棟で受付しながら、湖畔の賑わいぶりが目に入って愕然とした。
そのまま車で場内に入っていく。
今日は平日の火曜日。好きな場所にテントを張れるだろうから迷いそうだなと考えていたのが、迷うどころか既にテントを張る場所が無くなっていたのである。

勿論、まだテントを張れる場所はいくらでも残っているけれど、それは自分の好きな場所ではなく、先客のテントとテントの間でなるべく広い場所を探すしかないのだ。
湖畔は諦めて、美笛川の分流が流れ込んでいるところの川沿いにしようかと思い、一番奥まで車を乗り入れる。
しかし、その分流はほとんど干上がり、泥が溜まっているだけだった。
3年前の大雨で、川の流れが変わってしまったのだろう。


今回テントを張った場所

そこは諦めて、今度は場内の反対側へと回る。
混んでいる時に何時もテントを張っている場所で、車を横付けすることができずに砂浜も狭いので、大体は空いているのだ。
しかし今日は、そこにまで先客のテントが並んでいて驚かされる。

結局はトイレの裏付近が比較的空いていたので、先客の2組のキャンパーに挨拶してその中間にテントを張らせてもらう。
どちらもソロキャンパーの方で、着いたばかりでこれからテントを張るらしい。
もっと早く来ないとダメなのかなと考えながら設営していると、2組ともこれから帰るところだったのである。

設営を完了して一息付き場内を見回すと、テントの数が私達が到着した時よりも減っていることに気が付いた。
ここのチェックアウト時間は午前11時。
半分以上は昨日からの宿泊者だったのである。

まあ、今回テントを張った場所も結構良いところなので不満は無い。
近くに車を停めることもできないので、余程混雑しない限り直ぐ近くにテントを張られることも無さそうだ。


湖上でビールタイム

湖は凪いでいるけれど、何時風が吹き始めるか分からない。
かみさんが「今のうちにカヌーに乗りましょう」と言うので、設営完了後の乾杯はカヌーの上ですることにした。

湖面には僅かな波が立っていて、そこに映る山の姿も少し揺らいでいる。
期待していたような完全な鏡面では無いけれど、不満は無い。
ただ、霞みがかかって、周りの風景がくっきりと見えないのはちょっと残念だ。

そのまま美笛川の河口まで行ってみる。
3年前の大雨で流されてきた流木が河口付近に大量に打ち上げられている。
色が抜けて白骨化した流木の山。
これが新たな美笛のビューポイントになっていくのだろう。

川の中には沢山の魚が群れている。
竿を出せば釣り放題って感じだけれど、その模様までは良く見えない。
ウグイなのかニジマスなのか。


この白骨化した流木が新たな景観を作り出す



美笛川の分流が無くなったけれど、その分砂浜が広くなった気がする


サイトに戻って昼食。
かみさんがスパゲティを作ってくれた。

何もしないで、ただ湖を眺めて過ごす。
私は貧乏性なので、じっとしているのが苦手なのだけれど、たまにはこんな時間も良いものだ。


こんな風景に癒される


恵庭岳の山腹に土石流の流れたような跡が、1本の筋となってはっきりと見えている。
以前は見た覚えがないので、これも3年前の大雨の傷跡なのだろう。

大雨の一ヶ月後にカヌーに乗って美笛まで来たことがあったけれど、その時の場内は惨憺たる有様だった。
現在は、美笛川の分流が干上がってしまった以外は、そんな被害を受けたことは全く感じないまでに復旧している。


今は山頂から湖に向かってはっきりと筋が見える

5年前は全てが緑に覆われていた


 
隣にテントを張っていたご夫婦から「ヒデさんですか?」と声をかけられた。
昔は良く声をかけられていたけれど、最近はホームページへのアクセス数がピークの時の4分の1くらいまで減ってきていることもあり、そんなことは無くなっていた。
久しぶりに声をかけられ、おまけに握手まで求められて、恐縮してしまう。
そのご夫婦はファルトボートに乗っていて川下りにも興味があるみたいなので、しっかりとクラブへの入会を勧めておいた。


エメラルドグリーンに染まる湖面

太陽が照っていると暑くて、久しぶりにショートパンツで過ごしていたが、午後になって太陽が背後の木の陰に隠れると、急にヒンヤリとしてくる。
気温は20度くらいだろうか。

カヌーに乗って、北側の小さな沢の流れ込みまで行ってみる。
岸に近づいて行くとその付近の水が見事な緑色に染まっていた。
支笏湖ブルーは良く耳にするけれど、こちらは支笏湖グリーンである。
台風の大雨の直後、支笏湖の水がグリーンに染まったと話題になったことがあるが、この緑色は湖畔の木々の緑を映しているだけのようだ。

ここの湖岸にも大量の流木が打ち上げられている。
テントを張るのに良さそうな場所があり、焚き火も燃やし放題。
カヌーにキャンプ道具を積み込んで、ここまでやって来たら、楽しい一夜を過ごせそうだ。


この辺りにテントを張りたい



簡単にできて美味しいダッチオーブン料理

テントに戻ってくるともう午後4時。
ちょっと早いけれど焚き火を始める。
拾ってきた流木も合わせて薪は十分にある。
それに今日は、久しぶりのダッチオーブン料理なのだ。

焚き火を楽しんでいるだけで料理が出来上がるのだから、ダッチオーブンくらい便利なものは無い。

それならば毎回ダッチオーブンを持ってきても良さそうなものだが、まだそこまで完璧に使いこなせていないのである。
ただ焚き火をしていれば良いわけではなく、火加減の調整も必要となる。

そうして出来上がった鶏もも肉のローストチキン。
丸鳥を使うよりも簡単で、しかも美味しい。
これならばキャンプの定番メニューにしても良さそうだ。


美笛の夜は更ける

夕食を終えると、後は焚き火を楽しむだけだ。
湖畔のあちらこちらで焚き火の炎が上がっている。
美笛らしい夜が更けていく。

美笛キャンプでの楽しみの一つは、湖を赤く染める朝日である。
最近はキャンプでも寝坊することが多く、朝日が昇るのを見たことがない。
寝坊と言っても、普通人と比べたら十分に早起きなのだが、今時期は朝日の方がもっと早くに昇ってくるのだ。
おまけにこの日は夏至。
支笏湖の日の出の時間は午前3時55分だ。

天気も良くて今日の日の出は見逃せないと、午前3時半には起き出す。
テントの外に出ると月齢26の細い三日月と明けの明星金星が、仲良く並んで東の空に見えていた。
既に湖にはチップ釣りの舟が沢山浮かんでいる。
隣の3人連れの親子キャンパーが既に焚き火を始めていたのにはビックリした。


日の出前の支笏湖、三日月と金星が並んで見えていた


空や湖面の色が次第に変化していくのを眺めながら、朝日が昇ってくるのを待つ。

次第に空に浮かぶ雲が増えてくる。
風に乗って流れてくる雲ではなく、何も無いところから突然湧いてくるような雲である。
こんな雲は朝日の風景を美しく演出してくれるので大歓迎である。


次第に雲が広がり始める


そして紋別岳の中腹から朝日が昇ってきた。
霞が太陽の輝きを和らげ、その真ん丸い姿をはっきりと見ることができる。

空も湖面も赤く染まり、湖面には光の道が延びる。


日の出


その光の道に向かってカヌーを漕ぎ出す。
私が戻ってくると、今度はかみさんが漕ぎ出す。


朝日に向かってカヌーを漕ぎ出す



かみさんのシルエットも格好良い!



湖上のコーヒータイム

太陽が高くなってくると、朝日のショーも終わりを告げた。
今度は2人で漕ぎ出し、湖上のコーヒータイムを楽しむ。
湖面は凪いでいるけれど、微かな揺らぎがある。

今朝も鏡面の湖には出会えなかったけれど、揺らぎがある方がそこに映る雲や朝日に変化が現れて面白い。

時間はまだ5時半にもなっていない。
湖岸に並んだテントも。まだ半分くらいは入口を閉ざしたままだ。
多分、まだ寝ているのだろう。
こんなに素晴らしい朝日を見逃すなんて本当に勿体ない。


まだ寝ているキャンパーも多そうだ


朝食を終えてゆっくりと片付けを始める。
暑くなってきそうなので、今日も早々にキャンプ場を後にする。
何時もの美笛キャンプならば、散歩で場内を一周したりするのだけれど、今回はただひたすら湖を眺めて過ごしていた気がする。

2週間後には、クラブの行事で再び美笛に泊まることになっている。
7月の週末、果たして美笛がどれだけ混みあうのか、考えただけで恐ろしくなってくるのである。

美笛キャンプの写真へ 



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