トップページ > キャンプ > キャンプ日記 > 2017年キャンプ日記

新しい場所を巡りながら

ポロトの森キャンプ場(11月6日~7日)

晩秋に入って、天気が目まぐるしく変わるようになっていた。
そんな中で、週間予報を見ていると2日間だけ気温が高くて天気も良さそうな日があった。
今シーズンのラストキャンプを楽しむにはこの日しか無い!
そうして、白老のポロトの森キャンプ場へ出かけることとなる。

4日前に通ったばかりの支笏湖への道を再び車を走らせる。
高速道路を使えば、白老までなら1時間程度で行けるのだが、収入が全く無いリタイア生活では高速道路など使っていられない。
時間だけはたっぷりとあるので、一般道路をのんびりと走っていくのである。


丸山遠見望楼に到着

ついでに、これまでなかなか訪れる機会のなかった場所にも寄り道していくことにした。
最初に訪れたのは丸山遠見望楼。
国道から外れて林道を4キロほど走ると、小高い丘の上に木製の望楼がある。

そこには「施設老朽化により登上不可」と書かれた看板が立てられていた。
今年からそうなったらしい。
しかし、「登上をご遠慮」、「事故の場合の責任は負えない」程度の内容だったので、自己責任で登らせてもらうことにした。

全体的に古くなっているけれど、まだ危険性は無いように見える。
それでもあと数年経てば、本当に危険な施設になってしまうのだろう。
明治中期に建てられてから何度か改築されてきたらしいが、今のご時世ではこの施設が新しく建て替えられることは殆ど期待できない。
望楼の上からの展望を楽しむ最後の機会である。

そこからは樽前山や風不死岳の姿、千歳から苫小牧へかけて広がる広大な樹海を一望できた。
風景は少し霞んでいたが、4日前に楓沢を歩いた時の様な酷い霞ではなかったので、苫小牧の製紙工場の煙突までは何とか確認できた。


望楼から眺める樽前山に風不死岳



一度に二つの味を楽しめるハーフセット

昼食は苫小牧のマルトマ食堂で食べるつもりでいた。
以前に訪れた時は運悪く定休日にぶつかってしまい、これが2度目である。
しかし、観光シーズンの終わった平日の午前11時過ぎだというのに店の前には既に長い行列ができていて、またしてもマルトマ食堂を諦めることになる。

前回の定休日の時は市場の食堂街の店に入ったが、今回は近くの「喰い所 弐七」と言う店に入った。

こちらも結構な人気店のようで、次々とお客さんが入ってきた。
私はホッキカレーと弐七丼(海鮮丼)のハーフセットを注文。
名物のホッキカレーと苫小牧の新鮮な海鮮を両方味わうことができて、このハーフセットは嬉しかった。

昼食を終えて向かったのは北大研究林。
ここも以前から訪れたかった場所である。


澄みきった水が美しい

林内の木々は全て葉を落としてしまっていたが、紅葉の季節ならば最高の風景を楽しめそうだ。
野鳥の姿も多い。
ここの魅力は、それよりも林内を流れる幌内川の美しさである。

樽前山の山麓を流れる川の水は、殆どが樽前山の伏流水なのだろう。
何処の川も、水が驚くほど澄んでいるのだ。
そして、火山灰地を流れる川なので、山から流れ出す川と違って、その風景がとても優しいのである。

そんな川の風景に魅せられながら、川沿いの踏み分け道を上流まで歩いていく。
きりがないので途中から引き返したが、もしかしたら研究林の開放区域を越えて歩いてしまったかもしれない。


何処までも歩いていきたくなってしまう


これから向かうポロトの森キャンプ場を流れるウツナイ川もそんな川の一つである。
北大研究林の散策を終えて、キャンプ場へと向かった。


芝生広場を独占

午後2時過ぎにキャンプ場へ到着。
11月に入った月曜日。
他にキャンパーなどいないだろうと思っていたら、既に先客が3組。
しかも、私達が何時もテントを張っている場所にもテントが張られていたのにはガッカリしてしまった。

他には、一段下がったファイヤーサークルがある場所にソロの男性が一人。
本来はサイトではない、ウツナイ川の川縁にも若者グループがテントを張っていた。

空いているのは芝生広場だけ。
私達がテントを張る時は大体が樹木のそばである。
その方が何となく落ち着くのだ。
でも、今の季節は少しでも太陽の光を多く浴びたいので、広々とした広場のサイトでも我慢できる。
全体的に傾斜している芝生広場なので、平らな部分を探してそこにテントを設営。

広場なのでたっぷりと太陽を浴びられると思っていたのに、テントを張り終える頃には樹木の影が私達のテントまで伸びてきてしまった。
山が近いので日が沈んでしまうのも早そうだ。


狙っていたのは奥の方のティピーテントが張られている場所


ここのキャンプ場には栗林がある。
この時期なので全て拾い尽くされているだろうと思っていたが、最近落ちたばかりのような実もあって、結構な数を拾うことができた。


焚き火が一番の楽しみ

我が家の狙っていた場所にテントを張っていたカップルは日帰りキャンパーだったようで、夕方前に撤収して帰って行ってしまった。
ポカリと空いた我が家のお気に入りサイトがとても恨めしく見える。

日も陰ってきたので焚き火を始めようとするが、少し風が強い。
遮るものがない広場のサイトなので、その風がまともに吹き付けてくるのだ。

それでも、大量に薪を持ってきているし、今回のキャンプは焚き火が目的みたいなものだから、無理して火を付けた。
夜になればこの風も止むはずである。
風向きがコロコロと変わり、テントに向かって風が強く吹くと火の粉がテントにかかりそうになって、慌てて焚き火台を遠ざける。


なかなか美味しい夕食だった

夕食は、我が家のこの季節定番のキムチ鍋。
そして、ストレートつゆはモランボンのものと決まっている。
「濃厚キムチチゲ用スープ辛口」
とろみがあって、これが一番美味しい気がするのだ。

今回はキムチ鍋の他に、味噌を塗った焼きおにぎりが付いた。
これがなかなか美味しくて、我が家のキャンプメニューに新しく加わりそうである。

満月2日過ぎのほぼ真ん丸い月が、木々の間から昇ってきた。
風も次第に止んでくる。

気温もそれ程下がらない。
今時期のキャンプでは焚き火にあたっていても、背中の方からどんどん冷えてくるものだが、それが全くない。


焚き火の前で何もしない男と化してしまう

温度計を見るとまだ8度もある。

背中に張ってあるカイロがポカポカと暖かい。
カイロはこれまで腰に貼っていたが、今回は首筋に近い場所に貼ってみた。
その方が身体を温める効果が高いとネットで見ていたのだが、確かにその通りだった。

飲み物がビールからワインに変わったあと、かみさんが海鮮トマト煮風の料理を作ってくれた。
これが無茶苦茶ワインに合う。

カヌークラブのキャンプでは、何もしない夫っと皆から言われているが、今回も焚き火の前で何もしない夫となって、出てくる料理だけを味わう。
幸せなキャンプの夜が更けていった。


良い夜だった


家にいる時よりもぐっすりと眠って目が覚める。
テントから出ると、今日も青空が広がっていた。
晴れている割には気温も7度くらいまでしか下がっていない。


朝の空

それでも、テントは夜露でびしょ濡れだった。
車から雑巾を降ろすのを忘れていたので、駐車場まで取りに行くことにする。
ここのキャンプ場は、駐車場からサイトまで500mくらい離れているのが難点である。

走っていけば大した距離ではなく、朝の運動のつもりで駆けだした途端、芝生の中から少し突き出ていた木杭に足を引っかけ、もんどり打って転んでしまった。
受け身を取ることもできずに、太ももを地面にしたたかに打ち付ける。
年寄りが転んで足の骨を折ったという話しを聞いて、転んだだけで骨を折るなんて情けないなと笑っていたが、どうやらそれは他人事ではなさそうである。

ウツナイ川の川縁にテントを張っているグループの様子を見に行く。
初めてこのキャンプ場を訪れた時、この場所にテントを張ったら最高だろうなと思って見ていたその場所である。


ここは最高のサイトだと思う

やられたなって感じだった。
ここにテントを張っても怒られないのならば、私達もこの次にはやってみたいものである。

それにしても、私達以外のキャンパーが張っていたタープやテントは全て、今流行のとんがったタイプである。
張るのが簡単そうにも、室内が広そうにも見えない。
デザイン的な面白さだけだと思うのだけれど、実際はどうなのだろう。
最近は本当にお洒落なキャンパーが増えてきて、自分達がますます時代遅れのキャンパーになってきた気がする。

太陽の日射しはあっても、テントがなかなか乾いてくれない。
これがラストキャンプならばテントは完全に乾かしてから撤収したいので、乾くまでの間、ポロトの森を散策することにした。


日が射してきてもテントはなかなか乾かない


森の中のコースは色々あるけれど、選択したのは望岳台への遊歩道。
今日はこの後、モヨロ川フットパスも歩くつもりなので、そんなに長距離も歩いていられない。
それに、転んだ時にぶつけた太ももがまだかなり痛むのである。


テントが乾くまで森の中を散歩

望岳台まで1.2キロ。
落ち葉を踏みしめ、葉を全て落として丸坊主になった森の木々を眺めながら、登っていく。
所々にタヌキのため糞もあった。
落ち葉の上に頭を出してくれているから良かったが、もしもこれが落ち葉に埋もれていて、それを間違えて踏みつけたとしたら悲惨なことになってしまう。

望岳台からは樽前山の姿を楽しめるが、昔よりも周りの木々が大きくなっていて、その姿はかなり隠されてきていた。
葉が茂っている時期ならば、殆ど隠されてしまいそうだ。

キャンプ場へ戻ってくる頃にはテントもすっかり乾いていた。
乾いたテントを撤収するのは本当に気持ちが良い。
そうしてキャンプ場から程近いウヨロ川フットパスを目指した。


ウヨロ川沿いを歩いていく

このフットパスは萩の里自然公園やウヨロ川沿いを歩く総延長14キロのコースである。
現在は、8の字になっているコースの途中2箇所が通れなくなっているので、これをぐるりと一周することができない。
足を痛めてなかったとしても、全部歩き通すつもりはなかった。

フットパスコースの中からサケの自然産卵の様子が見られるというウヨロ川沿いの一部だけを歩くことにする。
オーシャンファームの入口近くに車を停め、そこからウヨロ川へと向かう。

ウヨロ川は樽前山麓を流れる川とは様相が変わってくるが、その水がとても澄んでいることに変わりはない。
その澄んだ水を通してサケの姿を一生懸命探すが、何処にも見当たらない。
サケの遡上する川ならば、今時期になるとあちらこちらに産卵を終えて力尽きたサケの死骸が転がっている筈である。
しかし、その姿もなく、何故か岸から離れたところに蠅のたかった死骸が1匹有っただけだった。

後で聞いた話しでは、例年ならばうじゃうじゃといるサケが今年はかなり少なかったそうである。
今年は太平洋沿岸のサケ漁が記録的な不漁になっているらしいが、ここもその影響なのだろうか。


サケの姿がなくても、川の横を歩くだけで楽しい


サケの姿は見られなくても、川を眺めながら歩くのは楽しい。
根っからの川好きなのである。


シカしか歩いていない?

去年の台風による増水の影響が残っているが、邪魔な流木は取り除かれ、フットパスとしての管理も行き届いているようだ。
コースは途中で、砂に覆われた河畔林の中へと入っていく。
砂の上はシカの足跡だらけだ。
そんな場所でも木の枝には目印のテープが付けられて道を見失うことはない。

周回できるコースならばそのまま一周するところだが、それができないので途中から引き返す。
往復3.5キロ、約1時間のフットパス散策だった。

11月とは思えない暖かさの中、初めて訪れる場所が3箇所もあり、なかなか充実した1泊2日のミニ旅となったのである。
北海道内は殆ど回り尽くした気がするけれど、まだまだ行ったことのない場所が沢山残っている。
来シーズンもまた、そんな場所を巡りながらのキャンプが続きそうである。


白老キャンプの写真へ 



ページトップへ