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カヌーは邪魔者?

仲洞爺キャンプ場(5月7日~8日)

札幌の桜は早々に散ってしまったけれど、まだどこかで見ごろの場所が無いだろうか。
そうして見つけたのが洞爺湖だった。
洞爺湖でキャンプをするとしたら、我が家はやっぱり仲洞爺を選んでしまう。
ロケーション、環境、料金、洞爺湖のキャンプ場の中ではどの項目でもここが一番なのである。


尻別川沿いの林道を歩いてみる

GWの後半はパッとしない天気が続き、休みが終わった途端に天気が良くなる。
現役時代ならば天に向かって毒づいていたところだろうが、リタイア生活の今は、天気に合わせて遊びに出かけられるのだ。

まずはドライブ気分で尻別川の上流に向かう。
目的は、川の様子を偵察すると言うよりも山菜である。

BIG FIGHT松本から先の林道は、路面状態が悪そうなので徒歩で少しだけ歩くにとどめた。
川の流れは良い感じだけれど、カナディアンでここを下るようなことは多分無いだろう。

早速見つけた山菜はヨブスマソウ。
最近、フェイスブックで美味しい山菜だと言う話を聞いたばかり。
所々に残雪も残り、他の山菜はありそうもないので、ヨブスマソウだけを収穫。
山歩きでは良く見かける植物だけれど、あまり美味しそうには見えない。


あまり美味しそうには見えないヨブスマソウ

尻別岳と羊蹄山が並んで見えていた


その後に向かったのは長流川の大滝ナイアガラの滝。
こちらも、滝を見に行く途中の道すがら、山菜が生えているかもしれないとの目論見である。
タランボの木は沢山あったけれど、その芽はようやく伸び始めた程度で収穫するにはまだ早すぎる。
これが丁度良い大きさに育っていたらと思うと悔しくてしょうがない。
それでも、キクザキイチゲの花が綺麗で、大滝ナイアガラの迫力のある様子も見られ、満足して洞爺湖を目指した。


タラの芽はまだ小さい

キクザキイチゲ



大滝ナイアガラの滝



仲洞爺キャンプ場では、最近は車を乗り入れられる第2サイトの方を利用していたが、同じ場所では面白くないので、荷物運びの手間はあるけれど今回は第1サイトにテントを張ることにした。
ロケーションはこちらの方が良いのだ。


第一サイトの様子

テントを設営している時に、テーブルの脚を忘れてきたことに気が付く。
今回のキャンプでは、家を出る時に車にテントを積んでいないことに気が付いて冷や汗をかいた。
近所のスーパーで買い物をして、そのままキャンプ場へ向かおうとした時に、今度は焼き肉をするのに炭を積んでないことに気が付き、家に取りに帰った。
シーズン最初のテント泊キャンプだったので、忘れ物だらけである。

テントを張り終えて寛いでいると、管理人さんのおじさんがやってきて申し訳なさそうに「第1サイトはカヌー禁止なんですよ。カヌーは第2サイトに置くようにしてもらっています。」
そんな決まりになっているとは全く知らなかった。

でも、今日は他にキャンパーもいないし、注意されるだけなのだろう。
そう思っていたら、私の心を見透かしたように「他に人がいない時でも、たまたま見ていた人がいて『カヌーを置いているのを見たことがあるぞ』って文句言う人もいるんですよ。」と言われてしまう。
納得はいかないけれど、優しそうな管理人さんを困らせたくはないので、素直に従うことにした。


私たちのテント

それにしても変なローカルルールである。
ハッキリとは聞かなかったけれど、おじさんの口ぶりでは夏の混雑時期には湖に入って遊ぶ子供たちが多く、その時にカヌーが邪魔になると言うのが理由のようだ。

エンジンの付いていないカヌーが、子供たちに危険を及ぼすわけはなく、逆に湖の中で子供たちに何かあった場合、カヌーがあった方が役に立つことがある。
支笏湖の美笛でも、ゴムボートで沖に流された親子をカヌーで救助したことがあった。

これは私の想像だけれど、カヌー乗っていた奴が子供たちを邪魔者扱いし、それに腹を立てた奴が管理人にカヌーを禁止しろと文句を付け、そんな経緯で作られたローカルルールなのではないだろうか。
極一部のつまらない人間のために、つまらないルールが作られ、次第につまらない世の中になっていってしまう。
それが最近の風潮のような気がする。


第1サイトの中では湖岸が平らなこの付近が一番の人気サイトである


かみさんが、ヨブスマソウのワサビマヨネーズ和えを作ってくれた。
ただ茹でただけの状態で味見したら苦みが強かったけれど、和えることによってその苦みが薄まり、山菜らしいほろ苦さになった。


ヨブスマソウ調理する

私の印象としては、あくまでも「食べられる野草」の範囲内で、積極的にヨブスマソウを採って食べようと言う気持ちにはなれない。
でも、そこら中に生えているイラクサだって食べれば結構美味しいし、何時も同じ山菜ばかり食べているよりも、春の恵みを沢山味わっている気がして楽しくなれる。

エゾヤマザクラやコブシが花を付け、木々の新芽も伸び始め、森が淡く色づいている。
もう少し経てば、山肌が春紅葉で彩られるのだろう。

かみさんが豆腐を買いたいと言うので、既にビールを飲んでしまっていたため、近くの渡辺豆腐店まで散歩がてら買いに行く。
キャンプ場内でアイヌネギが生えているのを見つけたけれど、あまりにも小さすぎて収穫する気にはならない。


エゾヤマザクラの花

場内の木の根元に生えていたアイヌネギ




豆腐にアイヌネギ、そして畑ワサビ

家からアイヌネギの醤油漬けを持参してきたのでそれで充分である。
渡辺豆腐店の豆腐にそのネギを乗せて食べる。
美味しくてビールが進む。

夕方になって湖の波も収まってきたので軽くカヌーで漕ぎだす。
人目にもつかない時間になったので、そのままカヌーをテントの横に置かせてもらう。
やっぱり、目の届かない場所にそのままカヌーを置いたままにしたくはない。

第1サイトの良いところは、サイトから直接夕日を眺められることである。
焼き肉を食べ終え、美しい夕日を楽しむ。
やがて夕日は昆布岳の中腹に沈んでいった。


夕暮れの湖にカヌーで漕ぎだす



昆布岳の中腹に沈んでいく夕日


日が沈んだ後は焚火タイム。
渡辺豆腐店で買った油揚げを焼いて、アイヌネギの醤油漬け、すり下した畑ワサビをトッピング。
それを肴にビールとワインを味わう。


対岸に見える昭和新山

来夢人の家で温泉に入り、出てくる頃には対岸の温泉街で花火が始まった。
10時にはそれぞれのテントに潜り込む。

キャンプに来ると家のベッドで寝るよりもぐっすりと眠ることができる。
翌朝は雲が広がり、昆布岳や有珠山の山頂はその雲の中に隠れていた。
それでも、昭和新山にだけは朝日が当たって、白い噴煙が目立っている。

湖面のさざ波も収まってきたので、カヌーで漕ぎだして湖上で朝のコーヒータイムを楽しむ。

朝食を終えて私だけもう一漕ぎ。
カヌーがあるとやっぱり、湖でのキャンプが楽しくなるのである。


湖上でコーヒータイム


撤収している時に、かみさんが上着が見当たらないことに気が付いた。
探しても見つからないので、温泉に忘れてきたとしか考えられない。
しかし今日は温泉が休館日だったので、明日にでも電話で確認して、もう一度仲洞爺まで取りに来るしかなかった。


新緑に色づき始めたキャンプ場


そうしてキャンプ場を後にする時、かみさんが「もしかしたらシュラフと一緒に丸めちゃったのかもしれない」と言い始めた。
そう言えば、袋にシュラフを詰め込む時、何故か収まりきらなかったのである。
私が力一杯押し込もうとしても入らなかったので、上着がシュラフの中に紛れ込んでしまったことに間違いはなさそうだ。
二人とも歳をとったので、これからのキャンプは忘れ物やこんな事が多くなりそうである。

この後に寄り道した、洞爺湖の義経岩や烏帽子岩のお話はこちら



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