トップページ > キャンプ > キャンプ日記 > 2018年キャンプ日記

晩秋キャンプは大賑わい

白老ふるさと2000年ポロトの森キャンプ場(11月2日~3日)

10月末で道内の殆どのキャンプ場はクローズしてしまう。
それでも、数は少ないものの11月に入ってもオープンしているキャンプ場は有り、もしも小春日和になればシーズン最後のキャンプを楽しもう。
そう考えていたところ、11月に入った途端にそんな小春日和になったのである。

去年も11月6日に白老のポロトの森キャンプ場でラストキャンプを楽しんでいたけれど、今年もまた白老に出かけることにした。
同じ季節の同じキャンプ場に2年連続で出かけるようなことは、普段は敬遠するのだけれど、今回は去年のリベンジを果たす目的もあったのである。
去年は、ポロトの森キャンプ場で私たちが一番好きなサイトに先客がいて、そこにテントを張れなかったことがずーっと心に引っ掛かっていたのだ。


樽前ガロー奥の湧水

去年の敗因は、途中で寄り道していてキャンプ場到着が遅くなってしまったことにある。
今年はその失敗を繰り返さないために、昼にはキャンプ場入りするつもりでいた。

それでも、前回の夷王山キャンプで湧水で入れたコーヒーが美味しかったので、今回も途中で湧水を汲んでいこうと思って、近くに湧水スポットがないか調べてみた。
そうして見つけたのが、樽前ガローの奥にある湧水である。
樽前山の山麓は至る所で水が湧いているイメージだけれど、一般の人が水を汲めるスポットは意外と少ないのである。

辿り着いたその場所は、池の中にバイカモが茂る綺麗なところだった。
水を汲んだついでに、せっかくだから樽前ガローにも寄り道する。
ここを訪れるのは13年ぶりだった。

ガロー渓谷の横に車を停めるスペースが有ったので、そこで車から降りると、近くの家からおじさんが出てきて私たちの方へ歩いてきた。
ここに車を停めるとダメなのかなと思ったら、そのおじさんはガロー渓谷の説明をするためにわざわざ来てくれたのである。


ロープが無いと下まで降りるのも大変

昔はその場所に人道橋が架かっていて、そこからガローの風景を楽しめたけれど、老朽化でその橋が撤去されたので、写真で良く紹介されている様な樽前ガローの風景を見るためには、渓谷の中へと降りなければならないとのこと。

確かに、私たちが昔来た時には赤い橋が架かっていたような気がする。
でも、橋が有っても無くても、私たちはガローの中に降りてその風景を楽しむつもりでいた。

おじさんの説明では降りる場所は2カ所あり、急なところにはおじさんがロープを付けてくれているらしい。
そして降りた後に何処に行けば写真の様な風景を見られるかを事細かに説明してくれる。
おじさんはガローの風景が気に入って、20年前からここに住んでいるとのことで、今では個人ボランティアとして訪れた人にこうやって説明しているとのこと。

樽前ガローはさらっと見るだけでキャンプ場へ行くつもりだったが、おじさんにこんなに丁寧に説明されると、その場所を全部見ないままにここを去ることは出来なくなってしまった。
昔は苦労して下まで降りた気がしたけれど、おじさんが付けてくれたロープのおかげで簡単にガロー渓谷の中に降りることができた。


樽前ガローの中を流れる樽前川の水量は多め


その時よりも水が多くて、これならばカヌーでも下れそうである。
もう少し水が少ない時ならば、ドライスーツとライフジャケットを身に付けて、体一つでガロー渓谷の中を下ってみようと思っていたのだが、付き合ってくれそうな人がいなくて未だに実現していない。

おじさんに教えられた撮影スポットでカメラを構えてみるが、天気が良いこともあってガローの中と外での明暗差が大き過ぎ、思ったような写真は写せなかった。
おじさんに教えられたスポットを一通り回り終える頃には12時を過ぎてしまっていた。


樽前ガロー橋の下付近


私たちがガローを後にしようとしていた時、車から降りてきた女性から「写真で見るような樽前ガローの風景は何処から見られるのですか?」と聞いてきた。
樽前ガローは隠れた穴場スポットとして人気があるが、現地にはそんな案内看板も無く、やっぱりおじさんの様なボランティアガイドが必要みたいである。


この辺りに赤い人道橋が架かっていた筈


昼食は白老バーガーを買ってキャンプ場で食べようと思っいた。
色々と調べて、美味しそうな店の見当をつけていたけれど、かみさんにあっさりと却下されてしまった。
「夜も肉料理だから、昼は麺類が食べたいわ」とおっしゃる。
かみさんの意向には一切逆らうことのできない我が家なので、慌ててラーメンか蕎麦を食べられる店をネットで探した。
結局、福住白老店で全く蕎麦の味のしない更科そばを食べて、キャンプ場へと向かった。



何とか午後1時過ぎにキャンプ場に到着。
受付で「一人だけ先客がいます」と言われ、ドキドキしながらサイトへ向かうと、ソロの男性が芝生広場の方にテントを張っているのを見てホッとした。
直ぐにお気に入りのサイトにテントを設営。
このキャンプ場に泊まる時は、去年を除いて常に同じ場所にテントを張っているのである。


狙っていた場所にテントを張れて一安心


テントを張り終えて一息付いていると、次々とキャンパーがやって来始めた。
今日から週末にかけて天気が良くて気温も高い日が続くので、考えることは皆同じなのだろう。
後30分到着が遅れていれば、多分ここは他のキャンパーに占領されていたと思うと冷や汗が出てきてしまう。


シカの糞を踏まない様にしながら栗を拾う

近くにテントを張られるかなと思っていたけれど、皆それぞれ離れた場所にテントを張っている。
今時期にキャンプをする人たちは、その辺は十分にわきまえているみたいだ。

隣の栗林に栗を拾いに行く。
既に大方は拾われているけれど、良く探せば栗ご飯一回分の量くらいなら拾えるのである。
ただ、シカの糞を踏まない様に栗を拾うのが大変なだけだ。

受付の時に、下の方のサイトは炊事場が工事中で照明を消しているので、上の方のサイトを使ってくださいと言われていた。
その下の方のサイトもそこら中がシカの糞だらけで、よそ見しながら歩いていたら直ぐに糞を踏んでしまいそうだ。


この辺りはシカの糞だらけなので、テントを張って大丈夫なのだろうか

キャンパーが増えてきて、下のサイトにもテントを張る人たちが出てくる。
シカの糞に気づかないで、その上にテントを張ってしまわないかと余計な心配をしてしまう。
上のサイトには糞は全然落ちていないので、夜間照明を点けているとシカも寄ってこないのだろうか。

枯れ枝がいくらでも拾えるので、直ぐに焚火を始める。
ダッチオーブンにサツマイモを放り込んでそのまま火の上に吊るしておけば、勝手に焼き芋ができあがる。
奮発して高い芋を買ってきたけれど、値段に見合う分の甘さではなかった。
やっぱり、焼き芋は安納芋に限るのだ。


キャンプの一番の楽しみは焚き火だ

夕食のダッチオーブンメニューはビーフシチュー。
時間をかけてゆっくりと煮込んだシチューはとても美味しい。

キャンパーは全体で10組くらい。
隣のご夫婦は、大型のティピー型テントに大きなタープを張って、その下にはずらりとキャンプグッズが並んでいる。
2人だけのキャンプで一体何を持って来ているのだろうと不思議に思ってしまう。

他にもティピー型テントが2張り。
最近流行りのティピー型テントを使っているキャンパーは、大体がキャンプ道具も色々と取り揃えている傾向にあるようだ。
テントだけで質素に過ごしているキャンパーもいれば、煙突から薪ストーブの煙をモクモクと上げているキャンパーもいる。
お互いに干渉し合わない距離にテントを張って、それぞれのスタイルでキャンプを楽しんでいる。


思い思いに過ごすキャンプの夜


下のサイトの照明が点いているところを見ると、キャンパーが次々とやって来るものだから、管理人さんが急遽対応したのだろう。
その場内の照明が明るすぎるので、急な階段を下りてウツナイ川のほとりから星を眺めてみることにした。
しかし、頭上に木の枝が広がっていて、その間から星空を見上げるような感じである。
でも、これはこれで良い感じの眺めだった。


森の上に広がる満天の星空


11月にしては気温もそれほど下がらず、風も無く良い夜だった。
しかし、さすがに翌朝はテントが凍り付くくらいに冷え込んでいた。
場内の芝生も霜が降りて真っ白になっている。


霜が降りて真っ白な場内


こんな朝、テントを抜け出して一番最初にすることは焚き火に火をつけることである。
暫くすると朝日が昇ってきて、真っ赤なモミジの葉を更に鮮やかに染め上げる。
時期的に紅葉は既に終わっているかと思っていたが、まだ散り残っていている木々も多く、美しい紅葉風景を楽しめた。


朝の光が射し込む


朝食は昨日のビーフシチューを温め直し、それをスパゲティにからめて食べる。
煮詰まったビーフシチューは更に旨さを増していた。



私たちが朝食を食べている間に、次々にキャンパーがやって来始めた。
天気の良い週末、最後のキャンプを楽しもうと思って、オープンしている数少ないキャンプ場にキャンパーが集まってくる。
少しでも良い場所を確保しようと思って朝の7時にキャンプ場に到着したのに、既に良い場所が殆ど埋まっているのを目にして、さぞがっかりしたことだろう。


朝日に照らされるモミジ


ウツナイ川にも朝日が射し込んでいた。
川に降りて、その風景に心を癒される。
去年の秋はここにテントを張っているキャンパーもいたけれど、やっぱりそれはNGだろう。
ここは静かに風景を楽しむ場所である。


ウツナイ川のほとりで


キャンパーはさらに増えてきて、もう隣のキャンパーとの間隔をどうのこうのと言えるような状況ではなかった。
このキャンプ場は平らな場所が少なく、テントを張れる場所は意外と少ない。
全体が傾斜している芝生広場も、テントで埋まってくる。


我が家のテントの周りにもテントが立ち始める

後から来る人達のために場所を空けてやりたいけれど、今日がラストキャンプなのでテントは完全に乾かしてから撤収したい。
私たちの周りにもテントが増えてきて落ち着かないので、テントが乾くまでポロトの森を散策することにした。

ポロトの森の中には散策路が張り巡らされているが、今日は一番奥のもみじ平まで歩くことにした。
サイトからは片道3キロ近くはある。
かみさんは遠すぎると文句を言っていたけれど、今回は私の意見を通させてもらった。
毎朝10キロ走っているのに、片道3キロが遠いなんてわがまま過ぎるのである。

それでも、途中の紅葉したモミジの美しさに、かみさんも感動していた。
去年は、京都へ紅葉を見に行ったけれど、今年はそんな予定もなし。
「京都まで行かなくても綺麗なモミジを見られるね」
かみさんも私も同意見だった。


気分だけは京都の鞍馬辺りを歩いていいるつもりに


もみじ平からは白老林道を歩いて帰る。
途中からウツナイ川が直ぐ横を流れるようになる。
もみじ平の近くにウツナイ川の源流があるけれど、その源流だけではなく多くの場所から湧き出した水がウツナイ川へと流れ込んでいる。
そんな湧水を集めたウツナイ川の流れは本当に美しい。


ウツナイ川の流れは本当に美しい


途中で脇道に入って、ポロトの森で一番の巨木とされているハリギリを見に行く。
ポロトの森には他にも巨木が多いけれど、このハリギリはさすがに群を抜いていた。


ポロトの森一番の巨木


2時間ほどでサイトに戻ってくるとテントはさらに増えていた。
大急ぎで撤収する。
このキャンプ場は荷物の積み下ろしの時だけ中の通路に車を入れられるが、車を停める場所は限られている。
500m近く離れた駐車場まで車を取りに行き戻ってきた時は、丁度良いタイミングで近くに車を停められたので、苦労せずに荷物も積み込めた。


大賑わいのキャンプ場


そしてキャンプ場を後にしたのは12時過ぎ。
時間的にもまだこれからやって来るキャンパーも沢山いるのだろう。
まさか11月のキャンプでハイシーズン並みの混雑ぶりを目にするとは思ってもいなかった。
平日の好きな時にキャンプに来られる身の上をこれ程有り難いと感じたのは、退職してから初めてかもしれない。



ページトップへ