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青森・秋田の旅(男鹿半島)

なまはげオートキャンプ場(5月28日~29日)

最近は安いビジホ泊でも、朝食を付けられる時は頼むようにしている。
以前は、ホテルの部屋でコンビニのサンドイッチなどを食べたりしていたのだが、何時もそれだとさすがに味けなさ過ぎる。
ホテルでしっかりと朝食を食べれば、貧乏旅が少しだけリッチに感じるのである。

横手セントラルホテル朝食
朝食付き1泊4400円/人の朝食としてはまあまあか、食べる前の写真を撮り忘れた


腹を満たして、午前7時45分に横手セントラルホテルをチェックアウト。
今日は時雨模様の天気で、雨が降ったり止んだり。
この日の目的地は男鹿半島。
高速道路で一気に向かうつもりでいたけれど、それでは秋田市を素通りしてしまう。
秋田市で見たいものと言えば、秋田犬の関連施設くらいだけれど、秋田犬をカヌーに乗せて川下りしたこともあるのに今更秋田犬と触れ合う気にもなれない。

それでも県庁所在地の秋田市くらいには足跡を残しておきたかったので、途中で高速道路を降りて秋田市内を通り抜け、秋田城址歴史資料館に寄り道することにした。

秋田城址歴史資料館
秋田城址歴史資料館で展示されていた秋田城のイラスト、城という名前は紛らわしい


最初は、秋田城と聞いて戦国時代のお城を想像していたけれど、全く違っていた。
奈良から平安時代にかけての律令国家の地方官庁のようなものだったらしい。
展示物の中では1200年前の漆紙文書が興味深かった。

秋田城址歴史資料館
漆紙を処理すると文字が浮かび上がる


資料館を見終わった後は、雨も上がっていたので隣接する史跡公園を少し歩いてい見る。
園内はとても広くて、ちょっと興味のあった奈良時代の水洗トイレを復元した施設まで行くことができず、途中で引き返した。

ニセアカシア
史跡公園に行く橋の上から見たニセアカシア、この後北海道に戻るまでニセアカシアの花を見続けることとなる


その後は、男鹿半島へ向かう通り道にあった秋田市土崎みなと歴史伝承館が無料だったので寄り道。
日本最後の空襲の一つである秋田製油所への空襲の資料や、土崎港曳山まつりの実物曳山を見学。

秋田市土崎みなと歴史伝承館
大きすぎて全体が写らない


男鹿半島では一番最初に男鹿総合観光案内所に寄って地図をゲット。
そこで2体の巨大なまはげと記念撮影。
男鹿半島では、何処に行ってもなまはげが居るので、一緒に写真を撮るのが楽しみの一つにもなった。

男鹿総合観光案内所
最初のなまはげにご対面


そこから海岸沿いに走って入道崎を目指すことにした。
内陸部に入って寒風山を観光することも考えたけれど、今日の天気では山に登っても何も見えそうにないのだ。

昼食は道の駅おがに併設されたレストランに入る。
店の名前は「東洋一の海岸線にある男鹿のレストラン」だ。
こんなところで、と言ったら失礼だが、注文した品物をロボットが運んできたのには驚かされた。

東洋一の海岸線にある男鹿のレストラン
運んできただけでテーブルの上には置いてくれない


私が食べたのはギバサ丼。
ギバサはアカモクという海藻で、秋田の名産品にもなっているらしい。
以前に、函館のがごめ昆布を食べたところ、あまりにもネバネバしていて飲み込むことができず、危うく窒息しそうになったことがあるが、それに匹敵するくらいのネバネバ度だった。

ギバサ丼
なかなかのネバネバ度だったギバサ丼


鵜ノ崎海岸では「秋田のウユニ塩湖」とよばれる絶景を期待していたのだが、今日は強風が吹いていてウユニ塩湖の風景は全く見られず。
沖合に岩礁があるので、風さえ吹いていなければベタ凪の海面となって青い空が映り込むのだろう。

鵜ノ崎海岸
ウユニ塩湖にはならなかった鵜ノ崎海岸


潮瀬崎にあるゴジラ岩も観光ポイントになっているけれど、風が強くて岩場を歩いていく気にもなれずに素通り。

潮瀬崎
この先にゴジラ岩があるらしいが


その先で再び巨大なまはげ立像が現れたので再び記念撮影。

なまはげ立像
2体目のなまはげとご対面



次に向かったのは赤神神社五社堂。
5匹の鬼が一夜で築いたと言われる999段の石段が出迎えてくれる。
私はここで勝手に99段の石段だと思いこんでいた。
それなのに五社堂入口と書かれた看板の横には、登山道入口と書かれたもっと大きな看板が立っていて、登山用の杖まで準備されているのだ。

赤神神社五社堂
登山口?って書いてあった


登り始めて直ぐに、99段は私の勘違いだったのかもしれないと気がついた。
目の前に延々と続いている石段は、見えている範囲内だけでも200段くらいはありそうなのだ。

赤神神社五社堂
99段では済まなかった


大きさも不揃いの石が無造作に積み上げられた石段は、熊野古道神倉神社の石段を思い出させてくれる。
そんな石段が新緑の木々のトンネルの中に続いているのだ。
ゾクゾクするような風景である。

赤神神社五社堂
まるで神倉神社の石段のようだ


息を切らせながら10分ちょっとで赤い鳥居まで登ってきた。
そしてその鳥居の先には美しい社殿が5棟、横一列に並んでいた。
1710年建立のこれらの社殿は国の重文にも指定されていて見事である。

赤神神社五社堂
整然と並ぶ5棟の社殿


最盛期にはここに9ヶ寺48坊が創建されたとのことだが、現在それを思わすものは殆ど残っていない。
男鹿半島にそんな歴史のある神社が存在していることにちょっとした驚きを感じながら男鹿半島北端の入道崎までやって来た。

広い駐車場の前にはお土産屋が並んでいて、それぞれの店の前になまはげの人形が置かれている。
一つずつ記念撮影して回るが店の中には入らず。
天気のせいもあるのか、土曜日なのに観光客の姿はまばらで、そんな時に閑散さんとしたお土産屋に入るのは苦手なのである。

入道崎のなまはげ
お土産屋前のなまはげは迫力のあるものばかり


近くにある入道崎灯台は300円を払うと上まで登ることができる。
以前に島根の出雲日御碕灯台にも登ったことがあるけれど、日本一の高さの灯台でかみさんは外に出ることができず。
今回はかみさんも外に出られたけれど、吹き飛ばされそうな風の強さで動くことができず。
かみさんは灯台とは相性が悪いみたいだ。

入道崎灯台
入道埼灯台の上で飛ばされそうになっているかみさん


そこから真っ直ぐに今日のキャンプ地であるなまはげオートキャンプ場に向かい、午後2時20分にキャンプ場到着。
車を横に停められるだけで他に設備が何もないオートサイトが入場料も含めて5千円。
普段ならば敬遠するようなキャンプ場だけれど、男鹿半島では他にキャンプ場の選択肢が無いのである。
おかげで、土曜日にも関わらず予約しなくても泊まれるキャンプ場なのだから、文句は言えない。



風がかなり強かったけれど、工夫しながら無事にテントを設営完了。
しかし、かみさんが自分のソロテントを張る時に、上手く張れずにポールを折ってしまった。
去年、冒険家の佐々木さんと一緒にキャンプした時、同じテントを使っている佐々木さんから強風時のテントの設営方法を教えてもらっていたようだ。
それなので、私は特に口出しをしないでいたのだが、多分その教えてもらった方法をちゃんと理解していなかったのだろう。
それを指摘すると怒りだすのが目に見えていたので、余計なことは言わずに車中泊することを勧めたのである。

なまはげオートキャンプ場
強風の中で設営完了


テントを張り終えてから、なまはげ館を見に行く。
隣接する男鹿真山伝承館ではなまはげの実演も見られるので、共通券を購入。
次の実演まで30分の時間があるので、なまはげ館をゆっくりと見られる。

なまはげ館
なまはげ館に展示されているなまはげはかなりリアルだ


男鹿のなまはげ面は地区ごとに違いがあるみたいで、それを一同に集めたコーナーは一見の価値がある。
なまはげ伝承ホールではなまはげの習俗を紹介する映画も上映されていて、それを見るとなまはげへの理解が深まる。
それにしても、なまはげに怯えて泣き叫ぶ子供の姿はテレビでもよく見るけれど、トラウマにならないのだろうかと心配してしまう。

なまはげ館
なまはげ大集合


そのうちに時間になったので、伝承館に移動。
建物はこの地方特有の曲がり屋。
中に入っただけで嬉しくなってくる。

男鹿真山伝承館
なまはげがやって来るのを待つ


再現されているのは古い伝統としきたりを厳粛に受け継いでいる真山地区のなまはげ。
角は生えていないし包丁も持っていない。
でも、大きな音をたてながら家に入ってくるなまはげは迫力十分だった。

男鹿真山伝承館
問答をしている時間がちょっと冗長だった


実演の時間はおよそ20分。
そのうちの多くの時間は酒を酌み交わしながらの主人となまはげの間の問答で、秋田弁の会話を面白がる人もいるかもしれないが、「この小芝居はいらないな」が私の正直な感想だった。
実演を終えて外に出ると、次のお客さんの中には小さな子供もいて、なまはげがこの子供とどうやって絡むのか見てみたかったものだ。

男鹿真山伝承館
男鹿真山伝承館の建物


この後は近くの真山神社に参拝。
大晦日の夜、ここからなまはげが里に降りていくのだ。
男鹿半島のなまはげの旅を締めくくるには最適な場所である。

真山神社
真山神社本殿


最後に御朱印を貰っていると、宮司さんから「時間があればこの先に榧(かや)の巨木があるので見ていってください」と言われた。
巨木と聞くと黙ってはいられない。
この榧の木は慈覚大師のお手植えとされ、樹齢千百余年の立派な樹木だった。
慈覚大師が開山した寺は、ここの他に平泉中尊寺や山形市の立石寺(山寺)、北海道の有珠善光寺など全国に多数あるらしい。
宮司さんに言われなければ、これを見ないで帰るところだった。
この存在をもっと広く周知しても良いような気がした。

真山神社
立派な榧の木だった


午後5時にキャンプ場に戻ってきた。
相変わらず風は強く、この後はテントの中に籠もって過ごす。
今日の夕食は秋田らしくきりたんぽ鍋だ。

きりたんぽ鍋
男鹿半島で食べるきりたんぽ鍋は最高


明日からの旅の予定を考える。
帰る日を一日早めたけれど、当初計画にあった鳥海山を省略したし、この後の白神山地トレッキングを2日間予定していたのを1日にすれば、まだ余裕はある。
しかし、この先の回る場所を考えていると何故か一日足りなくなるのである。

考えてみると、雨を避けるために予定外の田沢湖と横手市で1泊ずつしていたのだが、当初計画ではここでは1泊だけの予定だったのだ。
それにプラスして帰る日も早めたのだから、予定が厳しくなるのは当然なのである。
明日は忙しい一日になりそうだった。


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