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青森・秋田の旅(津軽半島)

つがる地球村オートキャンプ場(5月30日~31日)

朝から素晴らしい青空が広がっていた。
場内を歩いて他のキャンパーのサイトをチラ見する。
最近見かけるようになった流行りの焚き火台。
そしてキャンプグッズをぶら下げるスタンド。

このスタンドは、他のキャンプ場でもよく見かけるけれど、流行っているのだろうか。
私から見ると、わざわざぶら下げなくても、近くに置いておけばそれで良いだろうと思ってしまう。
何だか、こうしなければならないと思いこんでいるように見える。
まあ、キャンプなんて一番最初は人真似から始まるものなので、それはそれで良いのかもしれない。

つがる地球村オートキャンプ場
まずは道具から、というのも有りなのだろう


この日の予定は津軽半島一周。
明日は青森港午前11時35分発のフェリーで北海道に戻る予定だ。
津軽半島の青森近くのキャンプ場に泊まることも考えたが、撤収や設営の手間を考えるとここつがる地球村オートキャンプ場にもう1泊した方が楽だろうとの結論に達する。

つがる地球村オートキャンプ場
こんな風景を見られるサイトにテントを張りたかった


撤収の手間がないのでこの日は午前7時前にキャンプ場を出発できた。
最初に向かったのは鶴の舞橋。
つがる富士見荘の駐車場に車を停めさせてもらって、昨日とは逆方向から橋にアプローチ。
そうすると岩木山と鶴の舞橋のツーショットが見事である。

鶴の舞橋
ここに岩木山があるだけで橋の魅力がアップする


場所を変えて写真を撮ってみたけれど、このツーショットが素晴らしいのではなく、岩木山が素晴らしすぎて、鶴の舞橋は、そこに彩りを添える脇役でしかないことに気がついた。

鶴の舞橋
橋は脇役


鶴の舞橋を後にして津軽半島の西岸を北上する。
地図を見るとこの辺りは沼だらけである。
オロロンラインを北上する時の稚咲内付近の風景を思い出す。

沼のある風景
周辺は沼だらけ


そんな沼と岩木山の姿を写真に収める。
この辺りは風力発電の風車が多く、どうしても写真の中に風車が写り込んでしまう。
風車の見える風景は嫌いではないけれど、山の姿だけを楽しみたい時は風車は邪魔者でしかない。
原子力発電から自然エネルギーへの転換をと良く言われるけれど、日本の美しい土地がこんな風車や太陽発電のパネルで埋め尽くされるのが本当に良いことなのかと私は考えてしまう。

沼と岩木山
風車が被っても気にならないけれど、山だけの姿も見てみたい


そんな沼の中にあるベンセ湿原に寄っていく。
湿原ではエゾカンゾウの花が咲き始めていた。
湿原の看板を見ると、ここではニッコウキスゲと呼ばれているようだ。

エゾカンゾウの花とその向こうに見える岩木山。
オロロンラインを走っている時の利尻山の風景に本当に良く似ていて、一瞬だけどここが津軽半島であることを忘れてしまう。

ベンセ湿原
エゾカンゾウと利尻富士、いや津軽富士


沼の間を走る道はメロンロードと名付けられていて、沿道にはメロン畑やスイカ畑が広がっていた。
そんな道を通って千本鳥居が知られている高山稲荷神社までやってきた。
山口県の元乃隅稲成神社の写真を見て感動し、これは絶対に見に行かなくてはと3年前の山陰九州の旅の時に立ち寄ったのだけれど、この高山稲荷神社の千本鳥居の写真を見たときもかなり感動した。

高山稲荷神社
高山稲荷神社本殿


この神社では令和2年から境内整備事業を始めていて、その中で老朽化した木製鳥居を新素材の鳥居へと建て替えも実施し、この千本鳥居の風景が更に鮮やかになっていたのである。
千本鳥居以外でも見どころは多かった。

高山稲荷神社
元乃隅稲成神社の風景を思い出す


神社の創建は鎌倉か室町時代で歴史も古い。
どうしてもオロロンラインのイメージが抜けずに、こんな場所にこんな歴史が古い神社があると驚いてしまうのだが、ここは蝦夷地ではないことを思い出して我に返る。

高山稲荷神社
千体キツネ?



十三湖は特に見るものの無さそうなので素通り。
途中で道路の向きの関係で海上に岩木山が見える場所があった。
そうして海の向こうにそびえる姿を見ると、これはもう完全に利尻山と区別がつかなくなる。

岩木山
本当に利尻山にそっくりの山だ


道路から眺められる七つ滝は突然現れる。
海の方を見ていると気付かずに通り過ぎることもありそうだ。
私達も通り過ぎそうになって慌ててブレーキを踏んだ。

七ツ滝
まさに名前通りの七ツ滝


七段に分かれて流れ落ちる、なかなか面白い滝だ。
落ちる度に水しぶきが上がる。
太陽の光を受けてその水しぶきがキラキラと輝き、とても涼し気に見える滝である。

七ツ滝
水しぶきが涼し気だ


その先から道は山の中に入っていく。
急カーブを繰り返して、こんなところに良く道路を造ったものだと感心してしまう。
後ろを振り返ると、美しい海岸風景が広がっていた。

津軽半島西海岸
美しい海岸線の風景


そこを上り詰めた先に眺瞰台という展望台がある。
ここからの眺めが素晴らしかった。

眺瞰台
眺瞰台からの展望


龍飛崎がもう間近に見えていて、津軽海峡を挟んでその先に見えているのは北海道だ。
雪が残っているのは大千軒岳だろうか。

眺瞰台
龍飛崎の先に見える渡島半島


反対側を見ると岩木山も見えている。
ここまでやって来てもその姿が見える岩木山は、やっぱり津軽のシンボル的な存在なのだろう。

岩木山
ここからでも岩木山が見える


沖の方に小さな島が2つ見えていた。
東北の島なのだろうと思っていたが、地図で確認するとその2つの島は松前小島と松前大島だった。

松前大島、松前小島
北海道の島の中で私が行ったことのない2つの島


そうして午前11時に龍飛崎に到着。
龍飛崎から眺める北海道の風景を楽しみにしていたが、目の前に自衛隊のレーダー基地があるので展望は今一。
眺瞰台からの風景の方が良かった。

龍飛崎展望台
龍飛崎からの眺め


それよりも津軽海峡の潮の流れの速さの方に目を取られた。
岩場の陰からはまるで波立つ川のように潮が流れ出ているのだ。

龍飛崎
潮の流れが早くて海が波立っている



その他の岬のみどころは、マニアの間で人気の階段国道の339号線。
ここをわざわざ歩く気にはなれずに、写真を撮っただけで済ませる。

階段国道339号線


私がここで一番見たかったのは津軽海峡冬景色の歌謡碑。
「ごらんあれが 竜飛岬 北のはずれと 見知らぬ人が 指をさす」
ボタンを押せばお約束の曲が流れる。
「ここで本物のマイクを持って歌っている動画を撮れば受けるだろうな~」と思っていたら、本当にそうやって歌を歌っているおじさんがいて笑ってしまった。

津軽海峡冬景色歌謡碑
歌を歌っている気分だけ


昼食は岬で食べるつもりでいたが、予定していた店が開いていない。
車で走りながら店を探すが、なかなか適当な店が見つからず。
しょうがなく道の駅いまべつまで走って、そこのレストランに入ることにした。

「こんな山の中に何で道の駅があるのだろう」と考えながら現地までやって来たら、突然立派な建物が現れて驚かされた。
そこは北海道新幹線の本州側最後の駅「奥津軽いまべつ駅」で、道の駅はそこに併設されていたのである。

奥津軽いまべつ駅
とても立派な奥津軽いまべつ駅


正に、駅前に何もない新幹線駅だった。
それでもレストランだけは賑わっていた。
近くに食事のできる店がないから、ここに集まってくるのだろう。
お約束のはやぶさ定食で腹を満たした。

はやぶさ定食
はやぶさ定食、腹を満たすには十分


最初の予定では津軽半島の海岸線をぐるりと一周するつもりだったが、食事のために内陸部に入ってしまったので、そのまま五所川原市金木町にある太宰治記念館に向かうことにする。
私は太宰治の小説は読んだことがなかったし、青森県のガイドブックを見るまで太宰治がここで生まれたことさえ知らずにいた。
それでも、太宰治の生家である「斜陽館」は見てみたかったのだ。

太宰治記念館「斜陽館」
太宰治記念館「斜陽館」


その豪邸ぶりに驚かされる。
太宰ファンにとっては、この家で生まれた太宰がどうやって育ってその後の小説を書くようになったのか、興味をひかれるところなのだろう。
私は国の重文にも指定されている明治期の木造建造物としての方に興味があった。

太宰治記念館「斜陽館」
撮影用のマントを羽織って太宰になった気分


次に向かったのは同じ五所川原市の「立佞武多の館」
高さ23mの立佞武多3台が展示されている様子は圧巻である。
巨大過ぎて写真の撮りようもない。

立佞武多の館
3台の立佞武多が展示されているけれど、まとめて写真に収めるのは大変


驚いたのは、こられが展示用の立佞武多ではなく、祭の期間中は街に繰り出す現役の立佞武多であることだ。
よく見ると、この巨大な建物の扉が開いて、展示されている立佞武多がそのまま外に出ていけるようになっている。
大きな展示室を利用した巨大スクリーンには祭りの様子などが映し出される。

立佞武多の館
巨大な手に潰されそう


映像ではなく、この巨大立佞武多が街の中を練り歩く実際の様子を見てみたくなる。
他にも青森や弘前の佞武多もあるし、何時かの目標として、それらの祭りを見に来る旅も計画したいものだ。

そうして津軽半島の観光を終えて、午後4時半にキャンプ場まで戻ってきた。
昨日の日曜日とは違って、流石に今日はキャンパーの数もぐっと減っていた。
それなのに、我が家のすぐ隣に新しいテントが張られていたのを見て唖然としてしまった。

つがる地球村オートキャンプ場
何故かすぐお隣にテントが!


キャンプ場は大きく分けて三つのサイトに分かれていて、私達がテントを張っているAサイトには20の区画がある。
そこに張られているテントは私達とその隣のキャンパーの2張りだけ。
私たちは、受付の際に一方的にサイトを割り振られたのだけれど、隣のキャンパーもそうだったのか、それともサイトを指定して予約していたので、そのままそこにテントを張ったのか。
何れにせよ、理解しがたい状況である。

つがる地球村オートキャンプ場
夕日も見られた


でも、そんなことを気にしていてもしょうがない。
すぐ隣とは言いながら、その間には使われていないサイトが1区画分あるので、ギリギリでお互いの存在を気にしないでキャンプはできる。
東北での最後のキャンプを楽しむことにする。

つがる地球村オートキャンプ場
キャンプの旅最後の夕日


サイトの選択のことを除けば、ここは良いキャンプ場だ。
何と言っても料金の安さが魅力だ。
入場料が1人650円かかるけれど、サイトの利用料は1区画600円と格安。
2泊しても4000円でお釣りが返ってくるのだ。

つがる地球村オートキャンプ場
ここの野菜が育てばキャンパーは自由に収穫できるのだとか


同じ地球村の中には温泉もあって、歩いて入りにいける。
変わったサービスは園内で栽培している野菜を自由に収穫できることだ。
私達が泊まっている時はまだ収穫時期を迎えていなかったが、ミニトマトとかピーマンなら順に収穫できるから良いけれど、枝豆とかトウモロコシはどうするのか、ちょっと気になったのである。


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