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我が家のファミリー通信 No.68

2度目の網走マラソン


4回目のフルマラソンチャレンジで過去最低のタイムを記録した去年の網走マラソン。
走り終えた時から、「来年もう一回走ろう」と心に決めていた。

そうして迎えた今年の網走マラソン。
宿泊は去年と同じくオートキャンプ場てんとらんどだ。

網走マラソン開会式開会式の会場は網走市民会館。
去年の会場は狭くて、後から来た人は座る場所も無い有様だったので、変更したのだろう。
今回はゆったりと座ることができた。

大会ゲストの金哲彦さんとエリックワイナイナさんは去年と同じ。
そこに新たにAIR-Gパーソナリティの竹本アイラさんが加わる。
3人によるコースの攻略アドバイスが終わった後、大抽選会が始まる。

これがダラダラと時間がかかるのが難点である。
何か当たるかもしれないと思うと、途中で帰る訳にはいかないのだ。
ただ、8月末に開催予定だった北海道消防大会が台風により中止となり、そのために用意されたかまぼこ詰め合わせセットがマラソン開会式参加者全員に配られたのはラッキーだった。

シャトルバスでスタート会場へ去年の第1回大会で一番の問題になったのが駐車場。
ゴール地点に用意された広大な駐車場は、車は何台でも停められるけれど出入り口が限られるので、入る時も渋滞して、出る時には2時間近く待たされる人もいた。
今回は市内から少し離れた場所に駐車場が用意され、出入りも問題なく、シャトルバスの運行もスムーズで、かなり改善されていた。

去年のこともあり早めに駐車場に入ったので、スタート会場の網走刑務所にも少し早く着きすぎた。
素晴らしい青空が広がっているのは良いけれど、今日は最高気温も24度まで上がる予報になっていた。
陽射しが強すぎるので、木陰の中でスタート時間を待つ。

そして、スタート地点Fブロックの前の方に並んだ。
ここには5時間30分のペースランナーが付いてくれる。
去年の私のタイムは5時間34分なのでちょうど良いが、心の中での目標タイムはあくまでも5時間切りである。


スタート地点 スタート前
網走刑務所正門前からスタート Fブロックの前の方に並ぶ

東京農大応援団そうして9時スタート。
去年と同じく東京農大の応援団とチアリーダーに見送られる。
今回は最初からそれぞれのペースで走ろうと言うことになっていたので、網走刑務所を出るとかみさんの姿は直ぐに見えなくなってしまった。

私は5時間30分のペースランナーの後ろを走っていたが、私の考えていたペースのキロ6分40秒には遅すぎるので直ぐに追い越す。

後ろからポンと背中を叩かれてビックリしたら、エリックワイナイナさんだった。
彼は一番後ろからスタートして、皆の肩を叩きながら走っていくことになっていたのだ。
2000人を超える参加者の中で背中を叩いて貰えたので、これは嬉しかった。
かみさんはスタート時にもハイタッチして、追い抜かれる時も背中を叩かれたと喜んでいた。


エリックワイナイナに追い越される
ランナーの背中を叩きながら追い越していくワイナイナさん

4キロ地点の私設エイドで出されるかに汁には、今年も手を出せなかった。
走りだしたばかりで、ここでかに汁を食べるために立ち止まる気にはなれないのである。

海の向こうの知床連山海の向こうには先月に縦走した知床連山がくっきりと見えていた。
5キロ過ぎから能取岬への急な登りが始まる。
ペースは7分台まで落ちるけれど、手稲山で少しだけ坂道トレーニングもしていたので、登りもそれ程苦にはならない。

前方に大きな集団がいたので何だろうと思ったら、5時間のペースランナーに付いていく集団だった。
去年はその姿さえ見られなかった5時間のペースランナーだったので、暫くはそのやや後ろから付いていくことにする。

給水はほぼ2.5キロ毎にある。
気温も上がってきているので、飲み水を首筋や足にもかける。
去年は水が品切れになっているところもあったが、さすがに今年はそれはない。
今日の暑さで水がなければ大変なことになってしまうのだ。

能取岬へ能取岬までやって来た。
天気が良いので、コースから眺める風景も去年以上に素晴らしい。

そして灯台をグルリと一周。
網走マラソンのハイライトはここだと言っても過言ではないだろう。

さすがにこの辺りでは、5時間のペースランナーの姿は見失ってしまった。
それでも、岬からのきつい登り返しも何とか乗り切って、後はもう下り坂しかない。
そこから暫く続く下り坂では後ろからどんどん追い越されるけれど、じっと我慢してスピードをセーブする。


能取岬の灯台
この灯台の周りをぐるりと一周する

トンネルを抜けるトンネルを抜けると、背後には能取岬の美しい風景が広がっている。
でも今回は走りに集中していたので、後ろを振り返ることなく走り続ける。

20キロ辺りから右手に能取湖が見えてくる。
去年もそうだったけれど、ここからが長いのだ。
坂道もなくなり、ここからペースを上げたいところだが、逆にペースが落ちてきてしまう。
キロ7分20秒から30秒でしか走られない。

ここはもう諦めるしか無かった。
5時間を切ることよりも、歩かずに走り通すことの方が大事なのである。

去年は確か、25キロ辺りから歩き始めたはずである。
その時は色々と頭の中で考えた結果、一つの結論を出すことができて歩くことにしたのである。
それがどんな結論だったのか、なかなか思い出すことができないまま、走り続ける。

後日確認したら、その結論は「人生マイペース」だった。
(その詳しい内容はこちらで)

ゲストのアイラさん途中で金哲彦さんに追い越される。
かみさんは、金さんと話しをしながら暫く併走したとのこと。
でも、5時間ペースで走っていた金さんが遅いので、途中から置いていったらしい。
あの金さんを置き去りにするとはさすがである。

30キロエイドを前にした1.5キロの折り返しコースは、相変わらず長く感じる。
ここで初めてかみさんの姿を確認したが、思っていたより差は開いていなかった。

去年はここの最後で5時間30分のペースランナーに追い越されてしまったのだが、今回はまだ十分に差が開いているのを確認できた。


金哲彦さんに追い抜かれる
追い越していく金さん

干からびかけた網走監獄牛去年は残っていなかった30キロエイドのしじみ汁も今年は味わうことができた。
次は33キロ私設エイドの網走監獄牛。
こちらも最後の一皿が残っていたけれど、ちょっと干からびた感じで、走りながらその肉を飲み込むのに苦労する。

歩きながらゆっくりと食べれば良いのだけれど、ここまで来てもまだ走り続けていられたのである。
過去のマラソンでは30キロの手前から歩いていたのに、自分でも走れていることが信じられなかった。
もしかしたら、歩かずにゴールまで辿り着けるかもしれない。
そんな気持ちになってきた。

35キロのエイドも通過。
梅干しを二つ口に含み、再び走り始めようとするが、なかなか足が動いてくれない。
200m程歩いてからようやく走ることができた。
ここまで来たら、ペースは遅くても良いから走り続けるだけである。

コースはサイクリングロードの緩い上り坂となる。
見事なくらいに歩いている人ばかりである。
そこでも私は走り続けた。
しかし、両手が痺れ始めた。
腹も痛くなってくる。
走っている時に良くある腹痛ではなく、内蔵全体がダメージを受けているような痛さである。

それでも、最後まで歩くことなくその坂を登り切った。
脱水症状が出てきているようなので、2.5キロ毎にある次の給水所まで辿り着きたかった。
水を飲んでいる間だけは歩いても良いと自分で決めているのである。

サイクリングロードで歩いてしまうガーミンのGPS腕時計の電池が37キロで切れてしまった。
最近電池の持ちが悪くなっていたので心配していたが、やっぱりフルマラソンの最後までは持ってくれなかった。
次の給水所がなかなか現れず、とうとうここで足が動かなくなり、心が折れてしまう。

過去のマラソンでは途中で歩いても、その後は歩いたり走ったりを繰り返しながらゴールまで行けたけれど、今回は完全に走れなくなっていた。
一度だけ走ろうとしたけれど、直ぐに足全体がつりそうになって諦める。

その後はひたすら競歩スタイルで歩き続ける。
途中で歩いているおじさんに追い抜かれ、こちらも負けじとスピードアップ。
デッドヒートを繰り返したが、途中からそのおじさんが走り始めたので、あっと言う間に差が開いてしまう。
しかし、途中で疲れて立ち止まったおじさんに直ぐに追い付く。
ここまで来ると、歩いていも走っても大して差はないのである。

時計が消えてしまったので、時間が分からず、後ろから迫ってきているはずの5時間30分のペースランナーの存在が気にかかる。
何とか追い付かれることなく、ゴールの大曲湖畔園地までやって来た。

足の状態も回復し、あと少しだと思って走り始める。
しかし、ゴール会場に戻ってきてからが長いのである。
直ぐに諦めて歩いてしまう。

東京農大の学生さん達ヒマワリ畑の中に延びるビクトリーロードに入ると、応援の人も多く、さすがにここでは歩いていられない。
東京農大のチアガールとハイタッチしながら、よろよろとゴールを目指す。

そうして5時間25分15秒(ネットタイム5時間20分50秒)でゴールイン。
去年より8分早くゴールできたのである。

最低限の目標だった去年のタイムを上回ることはできた。
それ以上に満足できたのは、37キロまで走り続けられたことである。
その後は全部歩いたけれど、自分にとっては大きな意味があった。
これでようやく、フルマラソンを歩かずに走り通す見込みが出てきたのだ。

それはまた来年の話しになるけれど、そのためには網走マラソンではなくて平地を走る大会に出る方が良いかもしれない。


ヒマワリ畑の中のビクトリーロード 無事にゴール
さすがにここでは歩けない 去年のタイムを上回れた

網走マラソンのゴール
網走マラソンのゴールは広大なヒマワリ畑


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