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我が家のファミリー通信 No.75

宮島沼マガンのねぐら入り

一週間前の札沼線電車の旅で、渡りの途中の白鳥を車窓から写そうとしたが、動いている列車の中からは無理があった。
今回はそのリベンジを兼ねて、宮島沼でのマガンのねぐら入りの様子を13年ぶりに見に行くことにした。

まずは、電車の旅の続きとして、札沼線の秘境駅として知られている豊ヶ岡駅を目指す。
前回は、座っていた座席がホームと反対側だったので、せっかくの秘境駅の様子が全く見られなかったのである。

その途中に新篠津付近でも白鳥の姿が見られないかと思い、敢えて農道を選んで走ってみたが、全く白鳥の居そうな気配がない。


何を食べているのだろう?

渡りの途中の白鳥は、大体が雪が解けたばかりの水田等で餌を漁っているのだけれど、新篠津の畑はとっくに雪も解けて土も乾いているのである。

「白鳥はもう北に向かって飛んで行ってしまったのでは」と心配になってきたが、月形に近づくと急に雪深くなり、遠くの畑で白鳥が群れている様子も確認できた。

もっと近くで見れる場所が無いかと探しながら国道まで出てくると、何のことはない、国道に隣接する水田に沢山の白鳥が集まっていたのである。

まだ雪の残る水田で、水の中や雪の中に頭を突っ込み、一生懸命餌を探している。
数は少ないけれどマガンも混ざっていた。
そこで白鳥の写真を撮って、とりあえずは最小限の目標は達成できた。


国道沿いの水田に集まっていた白鳥やマガン


豊ヶ岡駅は石狩月形駅の一つ先の駅である。
札沼線は殆どが田園地帯の中を走っているので、そこの秘境駅と言われても今一つピンとこない。

しかし、現地に着いてようやく納得できた。
付近に民家は殆どなく、駅へ続く道路は林の中の細い砂利道。
木製の古びた待合所。
ホームの手すりが老朽化しているのか、単管パイプとネットで補強しているのが目障りだけれど、雰囲気は完全に秘境駅である。

鉄ちゃんになりきって写真を撮っていると、やがて15時16分浦臼行きの列車が入ってきた。
勿論、時刻表はチェック済みで、この列車の時間に合わせてここへ来たのである。
1日1本の新十津川駅列車ならば鉄ちゃんで一杯なのに、この時間では2人しか乗っていなかった。

満足して駅を去ろうとしたら、砂利道の横にカタクリの葉が出てきているのを見つけた。
このカタクリが花を咲かせている時に、花と一緒に秘境駅を収めれば良い写真になりそうだ。



 


この山を背景に白鳥が飛ぶ姿を写したかったのだが

そこから月形へと戻る途中、石狩川の堤防近くの畑に白鳥の姿を見つけ、堤防の上を車を走らせた。
そこから見える真っ白な山の姿がとても美しい。
そこに白鳥の飛ぶ姿が重なれば、これも良い写真になりそうだ。
ねぐら入りの始まる夕方までは、まだ時間もたっぷりあるので、そこでしばらく白鳥待ちをする。

しかし、そう簡単に白鳥は飛んできてくれず、ようやく飛んできたと思っても、それが上手い具合に山の背景に重なってはくれない。
諦めてそこを後にする。

月形の町では、松田とうふ店でまろやか豆腐と寄せ豆腐を、溝口菓子舗で月形まんじゅうを購入。
いずれも、カヌークラブの先輩から美味しいと教えてもらった店である。
豆腐屋に入った時、かみさんから「あら、ここの豆腐ならば近所のホクレンショップでも売っているわよ」と言われ、がっかりした。


堤防上から白鳥見学

それから宮島沼に向かおうとしたら、石狩川を渡る手前で、大量の白鳥やマガンが群れている場所を発見。
再び堤防上の道へ入って、その様子を見学する。

他の車の通行もなく、堤防の上なので眺めも良く、白鳥の様子をゆっくりと観察するには、なかなか良い場所である。

ここからでもさっきの山は見えていて、こちらの方が白鳥も沢山飛んでいるので、再び撮影にチャレンジ。
それでもやっぱり、こちらで期待している構図の中に、白鳥は飛んできてくれないのである。

それから宮島沼に行ってみたが、マガンの本格的なねぐら入りが始まるまではまだ時間がありそうである。
沢山のカメラマンが大きな望遠レンズを装着したカメラを三脚にセットしたまま、手持無沙汰にしていた。


横向きに飛んでくれないと、これではカモメか白鳥か分からない


腹が減ってきたので、月形の町まで戻ってコンビニ弁当を買い、それを石狩川の堤防の上で、白鳥を眺めながら食べる。
ここの白鳥達は何時になったら宮島沼へ移動するのだろう。


ぞろぞろと移動を始めたけれど、その後は何も起こらず

そう思って見ていたら、突然群れ全体の落ち着きがなくなり、けたたましく鳴き始める。
そしてぞろぞろと水田の中を移動し始めた。

これはきっと、飛び立ちやすいように水の多い方に行くに違いない。
一斉に飛び立つ姿は壮観だろう。

期待しながら待っていたのに、一向に飛び立つ様子がない。
飛び立つどころか、そのまま丸くなって寝てしまう奴もいる。

その間にも、別の白鳥の群れが宮島沼に向かって頭上を飛んでいく。
マガンの大きな群れもやって来た。
そろそろねぐら入りが始まるようなので、私たちも宮島沼に移動することにした。


大きく羽ばたく姿が美しい



遠くの夕張岳が赤く染まり、マガンの群れが宮島沼を目指して飛んでいく



カメラマンの数もさらに増えていた。
夕日が沼を赤く染め始める。


マガンのねぐら入りを待ち構えるカメラマン


大小のマガンの群れが次々に、ねぐらである沼へと帰ってくる。
V字編隊で飛んできた群れは、沼の上までやってくると、そこからはハラハラと舞い落ちるように水面に着水する。
ゆったりと滑空しながら着水する白鳥とは全く違っていて面白い。


大群が戻ってきた


13年前にねぐら入りを見た時は、空を埋めるように頭上を飛んでいくマガンの姿に感動したものである。
しかし今回は、ほとんどの群れが沼を挟んだ反対側から飛んでくるので、遠くに小さく見えるだけだった。
餌場の場所がその時とは違っていたのかもしれない。
何となく物足りなく、前回よりもマガンの数が少ない印象を受ける。


静かに日が沈んでいく


最後に湖面を真っ赤に染めながら夕日が沈んでいった。
その後もしばらくねぐら入りは続いたが、暗くなってきたのでそろそろ私たちも家に帰る時間である。


白鳥達はここで夜を過ごすのだろうか

車で宮島沼の横の道を走っていくと、頭上をマガンの群れが次々と通り過ぎる。
やっぱり近くで見る方が迫力がある。

堤防近くの白鳥の群れがどうなったのかと見に行ったら、相変わらず同じところでうだうだしていた。
どうやらこのままここで夜を過ごすつもりらしい。

空はかなり暗くなってきたというのに、相変わらずマガンのねぐら入りが続いている。
今日は天気が良かったので、マガンたちは餌を食べるのに夢中になっていて、ついついねぐら入りの時間が遅れてしまったのだろう。

後で調べてみると、この数日がマガンの飛来のピークを迎えていたようである。



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