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我が家のファミリー通信 No.79

九州の旅三日目(阿蘇・別府地獄めぐり)

三日目の朝、昨日の夜から降り始めた雨がまだ降り続けていた。
天気予報を見ても、雨が上がるのは夕方頃になるみたいだ。
今日は阿蘇や九重の風景を眺めながらのドライブを予定していたので、五日間の中でも一番晴れて欲しかった日なのに、全く逆の結果になってしまった。


ガスの中から姿を現した草千里ヶ浜

朝7時半にホテルを出て、雨が降る中を阿蘇カルデラ中央部を目指して車を走らせる。
世界でも有数の規模であるこのカルデラの様子を自分の目で確認するのを楽しみにしていたのに、ガスがかかって視界が全くきかない。
回りに広がる冬枯れた草原の風景にだけ阿蘇らしさを感じる。

草千里ヶ浜を見渡せる場所までやって来た。
ガスが晴れた一瞬を狙って、何とか草千里の写真だけは撮ることができた。
天気が良ければその中を歩くことも考えていたが、この天気ではどうしようもない。
阿蘇火山博物館でも見学しようとも思ったが、まだ開館時間前なので諦める。

この後は中岳の火口まで車で登る予定でいたけれど、これ以上標高が上がれば完全にガスの中に入ってしまうので、阿蘇はもう諦めることにして山を下りていく。
その途中にまた少しガスが晴れて、米塚の姿を見られたのはラッキーだった。
しかし、その後ろにかすかにカルデラ盆地の風景が見えていることに気が付き、晴れていれば素晴らしい風景が見られたのにと、再び悔しさがこみあげてきた。


米塚の後ろにはカルデラの風景が広がっているはずなのだが


道の駅阿蘇に立ち寄った後、北側の外輪山へと登っていく。
阿蘇カルデラを眺める一番のビューポイントである大観峰を目指しているのだが、標高が上がればまたガスの中に入ってしまうことになる。
案の定、何も見えない中、大観峰の看板の前で記録写真を一枚写しただけで先へ進むことにした。

道の駅阿蘇、くまもんともこれでお別れ

何も見えない大観峰


天気が良ければ阿蘇カルデラの外輪山の尾根筋に沿って走るミルクロードのドライブを楽しむつもりだったが、この天気ではミルクロードを走る意味はない。
今日の宿泊は別府温泉の予定なので、サッサと別府に行って砂湯体験でもすることにした。

千羽鶴鹿公園
突然現れたこんな風景にビックリ

別府温泉まではやまなみハイウェイ経由で行くことにしていたが、このやまなみハイウェイは九州屈指のドライブルートで九重連山の大パノラマを楽しめるらしい。
しかし標高800m付近を走る道なので、今日は完全にガスの中に入ってしまい何も見えない。

突然道路際に、ツルや動物の形に刈りこまれたおびただしい数のトピアリーが現れ、びっくりした。
そこには直売所らしき建物があって、その屋根には「千羽鶴鹿公園」の看板が掲げられている。
確かにその看板の通り、柵で囲まれた中には鹿も飼われていた。

直売所の方は休みだったが、それにしても凄い数のトピアリーである。
少し離れた丘の上にもトピアリーがずらりと並んでいて、それが霧の中に霞んで見える風景はとても印象的である。
ここを通りかかった車は決まってスピードを落とし、そしてそのまま駐車場へと入ってくる。
初めてこの様子を目にすれば、誰だって素通りはできないだろう。

千羽鶴鹿公園
離れた丘の上にもトピアリーが並ぶ


 


池山水源には売店にカフェも併設した建物もある

その少し先で池山水源3キロと書かれた看板が有ったので、ちょっと寄り道することにした。
3キロなら直ぐだろうと思ったのだが、細い曲がりくねった坂道をどんどん下っていってもなかなかその水源まで辿り着けない。

「失敗だったかな」と思い始めた頃、突然林の中を抜け出し、広々とした場所に出てきてビックリした。
そこが池山水源だった。

森の中で水がちょろちょろと湧いている小さな小川のような場所をイメージしていたのだが、広い駐車場にお土産屋のような建物もあって立派な観光地である。
阿蘇周辺にはこのような遊水池が多く、大体は観光地になっているようだ。
湧水に満たされた澄み渡った池の風景に癒され、カフェで湧水コーヒーを飲んで、やまなみハイウェイへと戻った。


湧水が湧く池山水源の池


牧ノ戸峠を越え長者原へと下ってきた。
途中からガスは更に濃くなり、前を走っている車のテールランプも見えないくらいだ。
長者原にはビジターセンターなどもあり、晴れていれば絶景を楽しめる所らしいが、そのビジターセンターの建物さえ何処にあるか分からないくらいのガスの濃さである。

道路際の建物にモンベルの看板がかかっているのを見つけて、寄ってみることにした。
四国のモンベル大歩危店でご当地オリジナルTシャツを買ったことがあるので、ここにもオリジナルTシャツが有るかと思ったのだが、普通の品揃えでちょっとがっかりする。


九重夢吊橋は遠くから眺めただけ

長者原からは、やまなみハイウェイを外れて九重夢大吊橋へと向かう。
標高が下がるにつれてガスも次第に晴れてきたが、相変わらず雨は降り続けていた。
九重夢大吊橋は日本一の高さを誇っていて、駐車場も広く大きな観光地になっていた。
観光客の大部分は中華系のようだ。

雨が降っているし、橋の上で傘をさすのは禁止だと言われたので、ここは駐車場から写真を撮っただけでパスすることにした。
近くで昼食を済ませ、大分自動車道経由で別府温泉を目指す。

別府温泉といえば地獄めぐりが有名である。
7カ所の地獄を巡るのが一般的なコースらしいが、事前に調べたところでは全部回る必要もなさそうで、この7か所以外にも面白そうな地獄があるみたいだ。
それで、あらかじめ目的地を4カ所に絞っておいた。

その中で、最初に向かったのは、正式な地獄めぐりコースには入っていない明礬地獄。
そこへ向かう途中も、街の方々からモクモクと白い湯気が立ち昇っていて、如何にも温泉地らしい風情である。
明礬地獄は日本で初めて明礬の採取を始めた場所とのことで、湯の花小屋が名物になっている。
売店で売られている地獄蒸しプリンもここの名物らしいが、かみさんが興味を示さないので食べずにここを後にした。

明礬地獄
明礬地獄



次に向かったのが海地獄。
地獄めぐりの中では一番メジャーなスポットで、見ごたえもある。
青く染まった池の周りからは轟音を立ててあちらこちらから水蒸気が噴き出している。
写真も水蒸気が消える一瞬を狙ってシャッターを切らなければならないので大変だ。

海地獄
湯気が晴れた瞬間を狙ってシャッターを切る


海地獄
海地獄の入り口
海地獄
湯気に覆われて池が見えない


その点、次の鬼石坊主地獄は、泥がボコボコしているだけなので写真も撮りやすい。
泥の池も一か所だけかと思ったら、3か所もボコボコしている池があって楽しめた。

鬼石坊主地獄
鬼石坊主地獄


最後の一か所は血の池地獄。
そのネーミングが最も地獄らしいところだ。
真っ赤な池と赤いモミジがお互いを惹き立ってあっているようだ。

この血の池地獄は何度か爆発しているらしく、以前には高さ220mまで泥を吹き上げたことがあるらしい。
かみさんは、別府には住みたくないと言っていたけれど、各地獄の様子や街中の至る所から吹き出ている蒸気を見ると、この土地が地下のマグマの直ぐ上にあることが実感できて、その気持ちが良く分かった。

血の池地獄
血の池地獄


血の池地獄
真っ赤な色の池の水
血の池地獄
紅葉の赤も負けていない


途中に湯けむり展望台の看板が有ったので立ち寄ってみる。
車を停める場所も狭く、一般的な観光地ではないみたいだが、湯けむりの立ち昇る街の風景が良く見えて、良いところだった。
湯けむりの風景も面白いが、山の片側が全て草原になっている大平山の姿も印象的だ。
高速道路を走っていて、この山が間近に見えた時、その風景にビックリさせられた。
毎年春にはこの草地で野焼きが行われ、それも別府温泉の名物になっているみたいだ

湯けむり展望台
湯けむり展望台から見える風景


地獄めぐりを終えた後、別府海浜砂湯で砂湯体験をしようと思ったら、丁度休業日にぶつかってしまった。
しょうがなくそのまま、今日の宿であるホテルサンバリーにチェックイン。
宿にも温泉はあるけれど、ビジネスホテルの温泉では味気ないので、夕食を済ませてからひょうたん温泉の砂湯に入ることにした。
北海道の屈斜路湖にも砂湯があるけれど、せっかく別府に来たのだから砂に埋もれる砂湯には入ってみたかったのだ。

回転寿司水天別府店
ちょっと豪華な回転寿司

夕食は回転寿司水天別府店に入った。
回転寿司とは言っても、直接注文して握ってもらうので、普通の寿司店と大して変わらない。
かみさんはホテルの直ぐ近くにあった「かっぱ寿司」で良いと言っていたけれど、少し料金は高めでも美味しい寿司を食べることができた。

「腹一杯になってから砂に埋められても大丈夫だろうか?」などと言いながらひょうたん温泉に向かったら、何とここも臨時休業。
ほとほと砂湯には見放された気分で、ホテルの温泉で我慢することにする。

ビジネスホテルの温泉とは言っても、源泉かけ流しの良いお湯で、さすがに別府だけあると感心した。
翌日も朝ぶろに入って、別府温泉を満喫したのである。


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