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我が家のファミリー通信 No.88-4

紅葉の京都観光(善峯寺・金蔵寺他) 2020/11/24

3連休も終わって、今日は紅葉の名所善峯寺へ。
もう一箇所の紅葉の名所である金蔵寺へも行きたいのだけれど、両方とも交通の便の悪い山寺なので、タクシーを使うしかなさそうだ。
昨日の晩からそれで悩んでいたのだけれど、今朝になって東海自然歩道が二つの寺を結んでいることに気が付いた時は本当に嬉しかった。
京都一周トレイルを歩いた後なので、善峯寺から金蔵寺までの約3キロの自然歩道歩きなど全く苦にならないのである。

電車で東向日駅で降りて、そこから善峯寺行きの始発バスに乗り込む。
そして善峯寺着が午前9時9分。
もっと早く行きたかったけれど、公共交通機関の利用ではこれが一番早い時間なのである。
同じ様に善峯寺を目指す人が結構乗っている。

ただ、東海自然歩道の利用で全体的に時間の余裕ができたので、一つ手前のバス停で降りて十輪寺に寄り道することにする。
ここでバスを降りたのは私達だけだった。
在原業平ゆかりの寺で、小さな寺だけれど紅葉が美しい。

十輪寺
十輪寺の小さな庭に朝日が射し込む


樹齢800年の大クスノキに、業平が塩焼きを楽しんだという塩釜、業平のお墓など見所も多い。
他に誰も居なかったのでゆっくりと見て回ることができた。

十輪寺
高い場所から本堂を見下ろす


十輪寺
ここで塩を作ったのだとか


鐘楼の鐘を撞けるのも嬉しかった。
不迷梵鐘(まよわずのかね)と呼ばれ、自分で決心がつかず迷っている時に、この鐘を撞くと、決心がつくらしい。
何も考えずに撞いてしまったけれど、音が鳴り止むまで息を止めていなければご利益が無いとのこと。
まあ、べつに迷っていることは無いので良しとする。

十輪寺
左が大クスノキ、右の鐘楼の鐘を撞けた


十輪寺を出た後は歩いて善峯寺を目指す。
朝の光を浴びながら歩くの気持ちがよく、上り坂も苦にならない。
途中に野菜や漬物を売っている店があったので、せっかくだからと漬物を買っていく。

善峯道休息所
途中に眺めの良い休憩所があった


 

午前10時に善峰寺のバス停に到着。
そこから東門までつづら折の急な坂道を登っていく。
既にその坂道から紅葉のトンネルとなり、境内の様子が楽しみになってくる。

善峯寺
駐車場からの坂道も紅葉に彩られている


楼門を抜け本堂に参拝。
それから境内を巡る。
境内に入っても更に上まで登る感じである。

善峯寺
階段の多い境内


眺めの良い場所に鐘楼堂がある。
そこからは京都市内を一目で見渡すことができる。
位置関係が良く分からないが、京都一周トレイルで歩いた山々も全部見えているような気がする。

善峯寺
鐘楼堂付近からの展望


そんな風景を眺めながら鐘を撞かせてもらう。
鐘の音が京都の街全体に響き渡る気がした。

境内は広く、順路の看板に従って歩いていくが、順路に従わなくても何処でも自由に歩くことができるので、途中で何処を歩いているか分からなくなる。
それくらいに広いのである。

善峯寺
園内の紅葉は何処も美しい


樹齢600年以上の遊龍の松が素晴らしかった。
主幹が地を這うように伸びて全長は37mもあるのだ。
以前は50m以上あったのが松くい虫の被害で15m切断したのだとか。
50mの地を這う龍も見てみたかった。

善峯寺
こんな感じで地を這っている


境内の一番高い場所にあるのが薬師堂。
この場所は昔から境内一の佳景で「絶無の勝地」と言われてきたのだとか。
正にその通りの絶景が広がっていた。

善峯寺
薬師堂からの展望は最高だ


紅葉の美しさは言うまでもない。
1本だけ青葉のままのモミジがあって、それがやけに新鮮に感じるくらい、周りは紅葉の風景だらけなのである。

私達がザックを背負っていたからなのか、ハイカー風の女性から「ここから東海自然歩道に抜けられるのでしょうか」と聞かれる。
私も丁度その事を考えていたので、「どうでしょう、抜けられたら良いのですけどね」と曖昧に答える。
本来は、一旦善峯寺を出て、車道をそのまま登っていくことになる。
しかし、スマホのYAMAP地図を確認すると、直ぐ近くから自然歩道へと出られるように見える。

善峯寺
何処を歩いても紅葉が美しい善峯寺境内


女性は諦めて戻っていったけれど、私はその場所まで見に行ってみる。
するとそこにはゲートがあって閉じられていたが、ゲートの小さな扉は鍵もかかっていなくてそのまま出入りできる。
本当は駄目なのかも知れないけれど、入り口まで戻るのも面倒なのでそのまま外に出てしまった。



そのまま舗装道路を歩いていく。
時間は午前11時。
今日はおにぎりを持ってきたので、良い場所があれば途中でお昼にするつもりだ。

東海自然歩道
小さな集落の中を通る


途中で東海自然歩道の標識を見つけたけれど、それと一緒に穴太・善峯寺巡礼古道の標識も立っていた。
調べてみるとこれは、西国三十三所巡礼の第20番札所善峯寺と第21番札所穴太寺を繋ぐ道らしい。
京都は本当に、歩く場所には不自由しない土地である。

40分ほど歩いて、昼食場所も見つからないまま、舗装道路から山道へと入る。
途中から標高差80mくらいを一気に下るつづら折りの道となる。

東海自然歩道
かなり急な坂道を慎重に下る


そして12時丁度に金蔵寺に到着。
昨日の夜は、善峯寺から金蔵寺までどうやって行こうかと頭を悩ませていたのが、楽しい山歩きで1時間で着いてしまうのだから、信じられない。

金蔵寺
金蔵寺仁王門


金蔵寺は拝観料ではなく、志納料となっている。
入り口の仁王門に料金箱が置いてあるので、それに自分で納めるのである。

仁王門から続く階段を登ると護摩堂があり、更にその上に本堂。
こじんまりとした小さなお寺である。

更にその先に見晴らし台があり、善峯寺に負けないくらいの素晴らしい展望が開けていた。

金蔵寺
見晴台からの展望


境内の紅葉も素晴らしい。
参拝者は他に数名いるだけ。
皆、紅葉の撮影に余念がない。

金蔵寺
境内の紅葉


静かな境内は昼食を食べるのには最高の場所だった。
モミジの枝がかかる護摩堂を眺めながら、おにぎりを頬張る。

金蔵寺
護摩堂


ここまで来るにはバス停からもかなり遠く、ハイキングの途中で立ち寄るのが良さそうだ。
そんな静かな山寺である。

私達が来た時に仁王門に向かってカメラを構えていた女性は、私達が帰るときも同じ姿勢でカメラを構えたままだった。
風が吹いて落ち葉が舞い落ちる瞬間を狙っているのだとか。
良い写真を撮るためには、辛抱強さも必要みたいだ。

金蔵寺
私は仁王門の屋根を狙う


金蔵寺を出た後は大原野神社へと向かう。
途中の田園風景がとても良い感じだ。

高速道路の下を通り抜ける。
2016年の紀伊半島の旅では、フェリーに乗るために舞鶴へ向かう途中、時間があったので高速道路の大原野ICで降りて、今日も行く予定の勝持寺に寄り道したことを思い出す。

大原野
大原野の風景を眺めながら山を下る


40分ほどで大原野神社に到着。
観光バスも停まっていて意外な程の人出に驚かされる。

境内では、新郎新婦の記念撮影が行われていた。
カメラマンは他の人が居なくなる瞬間を狙っているようだが、これだけ人が多いとシャッターチャンスもなかなか訪れないようだ。
私達は気を使って少し待ってあげても、他の観光客はお構いなしに新郎新婦の横を通っていくのでどうしようもない。

大原野神社
境内で記念撮影中の新郎新婦


ここには5年前にも訪れていて、紅葉はそれ程楽しめなかった記憶があるけれど、今回もそれに変わりはなかった。
参拝を済ませて次の勝持寺へと向かう。
5年前は、バスの時間が迫っていて参道を歩いただけで引き返していた。
勝持寺は花の寺とも呼ばれていて桜の時期は素晴らしい景観を楽しめるみたいだが、紀伊半島からの帰りに立ち寄った時は4月末だったので、あまり印象には残っていない。

勝持寺
薄暗い参道の先には紅の境内が


しかし、今回は違った。
花の寺として有名だが、紅葉も美しい寺なのである。
その紅葉が丁度見頃を向かえていた。

勝持寺
境内の紅葉は見頃を向かえていた


散り紅葉の美しさも印象的だった。
散り紅葉と言っても、大体は干からびてしまっているのが殆どである。
それがここでは、真っ赤なモミジが、木に付いている時と同じ状態のままで散っているのである。

勝持寺
階段の散り紅葉が鮮やかだ


そんな紅葉の風景をたっぷりと楽しんで今日の観光は終了。
勝持寺に近いバス停は1時間に1本しか走ってないけれど、1.8キロ歩いて洛西高校前まで行けば結構な本数のバスの便があることを知って、そこまで歩くことにする。

大原野
バス停までの道も楽しい、遠くに見えるのは比叡山


京都一周トレイルを歩いているので、この程度の距離を歩くのは全く気にならない。
途中で大原野の農村風景も楽しめ、ピクニック気分でバス停まで歩けたのである。


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