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日勝(2021/01/24)

ボスに付いて行こう!

今日は労山熊見山に登る予定で、午前9時に国道沿いの駐車スペースに直接集合することになっていた。
駐車スペースはそんなに広くはないので、少し早めの午前8時には現地に着いたのだけれど、その段階で既に満車に近い。
奥に停めている車の出入りを邪魔しないためには、私の車の他には1、2台程度しか停められそうにない。
それでも、早々と降りてきた人の車が1台出ていったおかげで、ギュウギュウに詰めてその場に6台、少し離れた駐車スペースに2台を停めて、何とか全員の車が収まった。
最近はこの山も人気が出てきて、週末には車を停められるかどうかが一番の問題なのである。

今日は日高のラフトカンパニーHOAのボスが取って置きの場所に案内してくれることになっていた。
上空にはこれ以上は望めないような真っ青な空が広がり、風も全く吹いていない。
最高の天気の中、午前9時15分にボスを先頭に登り始める。


熊見山方向に向かうボス


労山熊見山に向かうルートは沢山のトラックだらけだが、ボスが向かったのは違う方向だ。
途中で沢を超える。
11年前にこの沢を渡った時は小さな沢だったのだけれど、平成28年の台風10号でこの沢は大きくえぐられ、今はその復旧工事巨大な砂防ダムが造られている。
沢は水面が開いていたが、砂防ダムの横にできたスノーブリッジを渡ることができた。


台風後に造られた砂防ダムの横から沢を渡る


アカエゾマツの森を抜けていく。
この一週間、山の上の状況は分からないけれど、麓では雪が殆ど降っていない。
おまけに、昨日今日の週末で人も沢山入っていそうだから、滑りは全然期待していなかった。
それでもボスは、「良い場所がありま~す」と、たどたどしい日本語で自信有りげに言うのである。


ボスを先頭に記念撮影


私は一番後ろから写真を撮りながらゆっくりと登っていく。
ボスを先頭になかなかのペースである。


最高の青空が広がる


尾根の上までもう少しだ。
このまま全員が一気に登りきれるのかと思っていたら、大量の汗をかいたウッチーが途中で休んでいた。


もう少しで尾根の上へと出られそうだ


グレートトラバースの田中陽希君が大量の汗をかいている映像をテレビで良く目にする。
それを見て、代謝の良い人は汗も沢山かくのだろうと思っていたが、ウッチーが汗をかくのには別の理由がありそうな気がする。
ウッチーに歩を合わせるようにOはしさんも遅れ始め、今シーズン何処かの山で見たのと同じ風景が、今日も繰り広げられていた。


後ろには日勝ピークの斜面が見えている

 

それでも40分もかからずに、尾根の上にと上がってきた。
そこから見える十勝平野の風景に皆から歓声が上がる。


尾根まで登った先に広がっていた風景


東ヌプカウシヌプリからウペペサンケ山、ニペソツ山、石狩岳と東大雪の山々がくっきりと見えていた。
十勝平野を低く覆った霞の上には、100キロ先の阿寒富士や雌阿寒岳の山頂も覗いている。

ボスが案内してくれたのは、この尾根の反対側の斜面だった。
「えっ?もうここから滑るの?」って感じである。


1本目はここから


早速、ボスとIやまさんが滑り降りていく。
しかし、尾根の下は樹林帯になっていて、二人の姿は直ぐに見えなくなってしまった。
何処を滑れば良いのだろうと思いながら、その後を追う。

すると、下の方から「もっと左!」との声が聞こえる。
その声を頼りに左の方へ滑っていくと、突然視界が開けた。
どうやらドロップポイントが少しずれていたようだ。


最初からこの斜面に入りたかった


私も、後から滑るメンバーに「左の方が良いよ」と声をかけるが、皆はそのまま樹林帯の方へ向かって滑っていく。
最後の方になって、ようやく最初からオープンバーンの方を滑るようになる。

雪も柔らかく最初からこの斜面を滑っていたら最高だったけれど、そこから下にもまだオープンバーンが続いていた。
しかも、ノートラックの斜面である。
1本だけトラックが刻まれているのは、前日にボスが滑った跡だった。
この日のためにボスがわざわざ下見してくれていたのだ。


快適な斜面はまだまだ続いている


ボスに感謝しながら、続きの斜面を気持ちよく滑り降りる。
新たな降雪が一週間も無く、しかも風にも叩かれているはずなのに、こんな雪がまだ残っているのは信じられない。
尾根の上からならば一気に標高差150mを滑り降りることができそうだ。


雪質も申し分なし


 

滑り降りた底から登り返し


ただ、楽しんだ後は同じ標高差を登り返さなければならない。
ボスが昨日自分で付けたトレースを、再びボスが先頭で登っていく。
それが有無を言わせない様な急登なので、堪らずに途中からトレースを外れて緩い斜度で登ることにする。

ウッチーとOはしさんは、ボスのトレースから外れること無く、今回は私の前の方を登っていた。
今回の参加者9名の中で、最高齢は断トツで私。
体力の衰えを感じてしまう。


ウッチーとOはしさんからも置いていかれる


2本目は、もう少し高度を上げて、1本目の隣の斜面を滑る。
そこも最初は樹林帯で、今度も先に滑り降りたボスとI山さんの姿が直ぐに見えなくなる。


2本目はここから


尾根には雪庇も発達していて、高さは2m以上はありそうだ。
その雪庇を避けて降りることもできるけれど、ウッチーがわざわざその雪庇を飛び越えて、皆の期待通りに豪快に転んでくれた。


ウッチーの雪庇ジャンプ


こちらの樹林帯はダケカンバの疎林なので、それを縫いながら滑ることができる。
そして、そこを抜けると再び広がるオープンバーン。


パウダーとは言えないけれど滑りやすい雪だ


途中で写真をとってから、再び斜面の下まで滑り降りる。
最後の方で突然雪質が変わりヒヤッとさせられた。
北西の風が当たる場所なので、雪が飛ばされていたようだ。


何時も先に滑り降りて動画を撮ってくれるI山さん


ここも少し東側にずれると雪質も良かったので、後から滑り降りた人は最期まで良い雪を楽しんでいた。


スプレーが上がりすぎて姿が見えない


ここからの登り返しは、直ぐに1本目の登りトレースに合流できるので、1本目よりは少しだけ楽に感じた。
この後は、労山熊見山の山頂まで登ってもう1本滑るか、このまま最初に登ってきた斜面を滑り降りるかの選択である。

この山が初めてのウッチーは「せっかくだから山頂まで登ってみたい」と言っていたが、O橋さんは既に体力の限界。
前日はもう1本登り返していたボスが、「山頂からは硬い雪になる、ここからの樹林帯は柔らかいね」と言うのを聞いて、O橋さんは首を立てに激しく振り続けるのだった。


1本目と2本目に滑った跡が両方見えている


その時の風向きによって斜面の雪質も変わるだろうけれど、それ程登らなくても良い雪を楽しめる今回のコースは、これからの私達の定番コースになるかも知れない。
HOAのボスには本当に感謝である。



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