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双珠別岳(2024/03/23)

予想外の柔らかな雪が

去年も同じ時期に登っていた双珠別岳。
その時は山頂手前のピークで引き返していたので、今回は意地でも双珠別岳山頂を踏むつもりである。
天気の良い土曜日ということもあり、日勝ピークや熊見山の駐車スペースは既に車で一杯だったけれど、双珠別岳を目指している人は誰もいないようで、林道入口にすんなりと車を停めることができた。

双珠別岳バックカントリー
林道入口に2台くらいは停められそう


午前9時20分に登り始める。
今日は天気は良いけれど、気温はそれ程高くはならない予報だった。
例年ならばそろそろザラメシーズンになっている時期だけれど、今年は3月に入ってから寒さがぶり返し春スキーの気分ではない。
この一週間は降雪もなく、山の上の方はウインドクラスしたバリバリの雪か、凍結したガリガリの雪が予想される。

双珠別岳バックカントリー
登山開始


林道の雪も日の当たる場所では表面が凍ってスキーは全く沈まない。
日陰の場所では、表面はやや硬いもののくるぶしくらいまでスキーが埋まる。
ラッセルという程でもなく、先頭はかみさんに任せた。

双珠別岳バックカントリー
先頭はかみさんに任せる


私が写真を撮っていると直ぐに引き離されてしまい、遅れないように必死に付いていく。
ここを登るのは3度目で、見晴らしが良い訳でもなく、黙々と登っていく。

それでも、深い森の中を歩くのは気持ちが良い。
ただ、野鳥の声があまり聞こえてこないのが少し淋しい。

双珠別岳バックカントリー
心地良い林道歩き


かなり前に誰かが歩いたようなトレースの窪みが林道の所々に残っているが、ここを登る人は殆どいないのかもしれない。
気温は低くても、温かな陽射しや沢から聞こえる水音が春を感じさせる。

双珠別岳バックカントリー
沢からは水音が聞こえてくる

 


林道を1時間ほど歩いた所で斜面に取り付く。
取り付いて直ぐは樹木が混み合っているので、私が前に出て登るルートを決める。

双珠別岳バックカントリー
ここから林道を離れ斜面に取り付く


間もなくしてもう1本の林道を横切ると、その先からは木々の間隔も広がってくる。
ダケカンバやアカエゾマツの巨木も多く、登るのにも滑るのにも楽しい斜面である。

双珠別岳バックカントリー
最初は樹木も混んでいるが


楽しいとは言っても、ラッセルしながら登っていると直ぐに息切れしてしまう。
この先は尾根をひたすら登っていけば良いだけなので、体力のあるかみさんに先頭を譲った。
自分の体力の衰えを痛感する。

双珠別岳バックカントリー
この辺りは帰りの滑りが楽しみだ


この斜面は南東向きなので、気温は氷点下でも日の当たる場所は雪が解けてきている。
日陰の部分はサラサラの雪なので、そんな場所を交互に何度も通り過ぎていると、スキーのシールに雪がくっつくようになる。
去年は堪らずに途中でシールワックスを塗ったけれど、今年はまだ我慢しながら登れていた。

双珠別岳バックカントリー
周りの風景も美しい


森林限界を過ぎると、尾根の連なりの先に双珠別岳の山頂が見えてきた。
過去2回はこのまま真っ直ぐに尾根の上に出ていたけれど、今日は雪が柔らかいので斜面をトラバースしながら登ることにする。
尾根に上がってしまうと、山頂までアップダウンがあるので、帰りのことを考えると斜面をトラバースした方が良いのだ。

双珠別岳バックカントリー
一番右端のピークが双珠別岳の山頂


ただ、標高差があまりないので、帰りにこのトレースの中を滑ろうと思うと、ギリギリの上り勾配で登らなければならない。
今度は私が先頭でそのルートを決める。

双珠別岳バックカントリー
ここからのルート取りが難しい


さすがにここまで登ってくると、気温も低くて雪はあまり溶けていない。
かみさんは、シールに付いた雪を放置していたので、ここに来てその雪に更に新しい雪が付着し、完全な高下駄状態になっている。
その雪を一度完全に落としてしまった方が良いのだけれど、かみさんは「あと少しだから」とそのまま登り続ける。
両足に重りを付けて登っているようなものだけれど、まだ体力が余っていそうなので気にしないことにした。

双珠別岳バックカントリー
シール部分は凍りついているので雪は簡単には取れない


  

そうして午前11時55分に山頂到着。
3時間は覚悟していたので、2時間35分で登れたのは、自分にまだ山に登る体力が残っている気がして嬉しかった。
ほとんど休み無く登り続けるかみさんに引っ張られたから、この時間で登ることができたのだろう。
これがもしもソロだったら3時間は十分にかかっていたはずだ。

双珠別岳バックカントリー
佐幌岳の向こうに見える十勝岳連峰が最高に美しい


山頂には女性2名の先客がいて、これから下山するところだった。
労山熊見山経由で登ってきたとのことで、下山はソリを使うようだ。

双珠別岳バックカントリー
左から石狩岳、ニペソツ山、ウペペサンケ山


薄い雲が少し広がってきてはいたけれど、山頂からの景色は最高である。
お馴染みの東大雪の山々、見慣れた十勝岳連峰も佐幌岳を越した先に見える姿は新鮮だ。
狩振岳とその先のトマムスキー場、更にその先の芦別岳。狩振岳まで足を伸ばして、そこからの風景も見てみたいが、私の体力では無理そうだ。

双珠別岳バックカントリー
手前右が狩振岳、その先にトマムスキー場、一番奥に芦別岳


労山熊見山の向こうに見える十勝平野。
我が町清水町の姿を探したが、どの辺りが見えているのかも分からない。
翌日、周辺を走りながら双珠別岳の姿を探したが、手前の山の陰になってしまい清水町からは見えないようだ。

双珠別岳バックカントリー
労山熊見山の裏側を眺める


そんな風景を楽しんでから下山開始。
日勝ピークや沙流岳を正面に見ながら、登ってきたトレースを滑り降りる。

双珠別岳バックカントリー
左が日勝ピーク、右が沙流岳


でもやっぱり、斜度が足りなくストックで漕がなかれば前に進まない。
もっと標高を下げながら滑ることも可能だったけれど、それではせっかくの滑りを楽しめる斜面が短くなってしまうので、無理してでもその斜面の上の方まで行きたいのだ。

双珠別岳バックカントリー
滑るのは一番奥の斜面なのでその上を目指す


雪も柔らかく、苦労した甲斐があって、目的としていた斜面をシュプールを描きながら気持ち良く滑り降りる。
風もほとんど吹いていないので、眺めの良い場所で一休みして昼食を食べた。

双珠別岳バックカントリー
良い雪だった


標高を下げるに従ってザラメ雪に変わり、完全に春スキーの気分である。
昼食後は一気に林道まで滑り降りてきた。

双珠別岳バックカントリー
ツリーランが楽しい


この林道もある程度の傾斜があるので、ほぼノンストップで滑ることができる。
ただ、太腿の筋肉が悲鳴を上げるので、途中で止まる必要はある。

双珠別岳バックカントリー
アッと言う間に下まで降りてきた


そうして、登りに1時間かかった林道を10分ほどで車まで滑り降りてきた。
時間はまだ午後1時15分。
気合を入れてやって来た山だったけれど、意外とあっさりと滑り終えた。
これならば来シーズンはもっと雪が良いときに滑りに来たいものだ。

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