北海道キャンプ場見聞録
屋久島縦走1日目(2012/4/11)
白谷雲水峡・辻峠・大株歩道・縄文杉・高塚小屋
| 雨風に翻弄されて |
私たち夫婦にとって屋久島は憧れの地だった。 新千歳から屋久島までは伊丹で1回乗り換えるルートもあり、それならば午前中に屋久島に着くこともできる。 家や職場へのお土産を買って、宅急便で自宅へ送る。 |
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| 宮之浦の住宅街を歩く | ツツジが普通に咲いているのが信じられない |
翌朝は4時半に予約してあったタクシーに乗って白谷雲水峡へ。
宿で用意してもらった朝飯を食べている間に、空も少し明るくなってきた。
途中から原生林歩道へ入る。 白谷雲水峡では大雨が降ると沢が増水し、渡れなくなることがあると聞いていた。 更に雨は強くなってきたものの、心配していた途中の沢は、まだそれほど増水していなくて無事に通り過ぎることができた。 |
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| 奉行杉 | 三本槍杉 |
一気に白谷小屋まで歩いて、ようやく一息付くことができた。
花を踏みつけながら花の写真を撮っているような奴とか、よく見かける光景である。 ウンザリしながら苔むす森をサッサと通り過ぎる。 辻峠まで登ってくると、風も吹き荒れていた。 ちょうど女性が一人上から降りてきたが、全く何も見えず風も酷かったとのこと。 |
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| 辻峠付近では霧もかかり幻想的な風景が広がる |
この辺りから、靴の中に水が浸み込みはじめる。 午前10時、楠川歩道とトロッコ道への分岐までたどり着いた。 雨具の中も既にびしょ濡れである。屋久島での雨対策は万全にしたつもりだった。 真ん中に板を敷いたトロッコ道は歩きやすかった。
大株歩道の上り坂は、まるで川のようである。 縄文杉の日帰り登山者とすれ違うようになってきた。 100円で売られている様な雨具を着て足元はスニーカー。そんなスタイルの若者が意外と元気そうだったりする。 ウィルソン株までたどり着いた。
ツルツルとした樹肌のヒメシャラの幹を雨水が樹冠流となって流れ落ちる。 目の前に突然、巨大な杉が姿を現した。 その先では夫婦杉や名もない屋久杉が次々と現れて、いよいよフィナーレが近づいていると感じさせられる。 |
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| 夫婦杉 | 樹幹流の流れるヒメシャラ |
大きな沢の上にやってくると、その向こう側の斜面に木製の階段が続いているのが見えた。 そしていよいよ階段を上りテラスの上へと出る。 展望テラスは2か所に分かれていて、見る順番も決められているようだ。 |
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| 圧倒的な存在感で霧に包まれた森にたたずむ縄文杉 |
14時40分、やっとの思いで高塚小屋に到着。 その後、若い男性が一人やってきて、それが今日の宿泊者全員だった。 今回は山小屋に3泊する予定で、それぞれのザックには缶ビール3本とワインが1本入っていた。ワインは専用のソフトボトルに入れ替えてある。 |
トロッコ道部分がデコボコしているのはGPS受信不良によるものです
新千歳を10時に飛び立ち、羽田、鹿児島と乗り継いで、屋久島空港に着陸したのが15時。
指定ホテルの中でも一番安かった宮之浦地区の田代別館にザックを降ろして直ぐ、ガスカートリッジと山に持っていくビールやお土産の買い出しに街に出る。

真っ暗な夜道では、タクシーのヘッドライトに照らされてヤクシカの目がきらりと光り、タヌキのような生物が道路を横切っていく。
飛龍落としの滝まで来る頃には、辺りもかなり明るくなり、ぎりぎりでカメラを手持ちで撮影できる。
雨が降るのは覚悟していても、沢を渡れなければ縦走そのものができなくなってしまうのだ。

苔むす森では撮影ツアーらしき5名のグループが、傘を差しながら三脚を使って撮影中だった。
暗くて手ぶれするのは確実だけれど、コンデジで撮るだけで我慢する。
その先に「もののけ姫」のモロ一族が住む岩屋のモデルとなった辻の岩屋がある。
我が家で初めてのパタゴニア製品だ。
トロッコ道を1時間20分歩いて大株歩道へと入るところに、立派なトイレがあった。
そして、ザックの中からダウンウェアを取り出して着込んだとしても、他の衣類が全てびしょ濡れなのだから、全く意味をなさない。
急な登山道をピョンピョンと下って、トロッコ道に出てしまえば、そのまま走って帰ることもできる。
そこから先、更に急な登りとなってくる。

ここまで来たら一刻でも早く縄文杉と対面したいところだが、逸る気持ちを抑えながらザックを降ろし、2リットルの容器と手持ちの水筒に水を満たす。
ただ、油断して財布は防水対策をしないままザックのポケットに入れておいたので、お札までびしょ濡れ。