北海道キャンプ場見聞録
屋久島縦走3日目(2013/4/15)
花山歩道(鹿之沢小屋〜登山口)・大川林道・大川の滝
| ひたすら海を目指して |
この日は5時半に出発するつもりでいたが、準備に時間がかかってしまう。 天気予報ではこの日は良い天気になるはずなのに、昨日よりもさらに濃い霧が周辺の山を覆い隠していた。 気温は低くても、風が無く湿度も高いので直ぐに汗をかいてくる。早めに上着を脱いで温度調整をする。 ようやく尾根の上へと登ってきた。その辺りの標高は1630m。後は海へ向かって、ただひたすらに下っていくことになる。
昭文社の山地図によると、鹿之沢小屋から県道までのコースタイムは6時間30分となっている。 もしも15時15分のバスに間に合わなければ、その後のバスは最終17時45分である。 7時ちょうどに大石展望台に到着。 そこから先、次々と現れる巨木に自分自身が小さくなってしまったような錯覚に陥る。 |
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| 巨大な倒木の根株 | カメレオンのように周りの色に同化 |
これまで見てきたヤクスギの巨木は、その周りに様々な樹木を従えながら、圧倒的な存在感を放っていた。 その先も巨木の風景が続く。 |
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| 大きく枝を広げるハリギリ、大きすぎてカメラで全体をとらえられない |
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| 巨木の森を歩く | どうなっているのか分からない巨木 |
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| 霧に包まれた森に光が射し込む |
そこでザックを降ろして一休みする。 花山歩道の中ではここに唯一の水場があるらしいが、私達は水も十分に持っていたので、わざわざその水場を探すことはしなかった。
8時45分、焼峰に到着。 しかしこれからが本格的な下りとなるのだ。
花山歩道のこの辺りにはヤマビルが多いと聞いていたので、島に付いた最初の日に安房のアンデスでヒル避けスプレーを買っておいた。
何時の間にか周りの樹木の様子が変わってきているのに気が付いた。 11時25分、ようやく花山歩道登山口まで降りてきた。 ここで昼食にする。 最後のゴールを目指して歩き始めた。 そう都合良く車が通りかかってくれることもなく、GPSの標高と距離数に時々目をやりながら林道を黙々と下っていく。 林道沿いに咲く花や、色とりどりの照葉樹の新緑が単調な林道歩きを楽しくてくれる。 |
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| 道ばたに咲くツツジ | 照葉樹の芽吹き |
そのままバス停を通り過ぎて大川の滝を見に行く。 そこの駐車場に綺麗なトイレがあったので、ここまでずーっと我慢していたウンチをようやく気持ち良く解放することができた。 |
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| ついに海まで下りてきた | 川の中で疲れた足を冷やす |
登山靴を脱いで、大川の河口手前に出来たプールへと入っていく。 |
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縦走最終日の朝、4時前に起きる。
小屋を出て直ぐに急な登りが始まる。
歩く人も少なく登山道もかなり荒れているだろうと覚悟していたが、尾根に上がった後は意外と歩きやすい道が続いていた。
そのために、15時のバスに乗り遅れた場合、そこから更に3キロ歩いて栗生の青少年キャンプ場に泊まる案も用意していたが、それも大変である。

「なんだ、あれは!」



突然、目の前の景色が開けて、ヤクスギやハリギリの巨木がそびえる広場が現れた。
その先の大竜杉は、根元の小さな看板が無ければ、気が付かずに通り過ぎてしまいそうな屋久杉だった。
膝を痛めるのが一番心配なので、常に膝を曲げながらゆっくりと着地するように気を使う。
途中の開けた場所から、遥か彼方に海が望めた。
登山靴と靴下を脱いで恐る恐る足の裏を見てみる。
そんな事を口に出すと、かみさんも全く同じ事を考えていたようだ。

歩き続ければ、何れは目的地に着くことが出来るものである。13時45分、大川の滝バス停に到着。

