北海道キャンプ場見聞録
暑寒別岳(2014/07/06)
| 蚊に追い立てられ |
登山届に名前を記入。時間は午前4時50分。 登山口から森の中へと入っていく。 森の中に足を踏み入れた途端に、蚊の襲撃を受ける。 1合目でようやく急な登りが終わって、尾根の上のなだらかな道へと変わる。 しかし、蚊の多さは相変わらずだ。
気温はそれ程高くないが、湿度は高めだ。汗をかくと、虫よけスプレーの効果も直ぐに消えてしまうようだ。 周辺にいた蚊だけが集まってくるのか、それとも同じ蚊がずーっと追いかけてきているのか。
ここの登山道には合目毎に標識が建っていて、周りの景色を眺める余裕もなく、2合目、3合目と蚊がいなくなる場所を目指してひたすら登り続ける。 そうして、一度も休むことなく5合目まで一気に登ってきた。 本当ならば、ここで雨具の下だけでも履いておけば、もう少し被害を軽減できたのだろうが、とてもそんな余裕はなかったのである。 目の前の防虫ネットにとまった蚊を何度も追い払うが、直ぐにまたとまってくる。
いつの間にか周りはガスに包まれ、展望は全く楽しめない。 眺めの良さそうな尾根の上に出てきたが、相変わらずガスの中だ。 |
![]() |
![]() |
| いつの間にか後ろまで雲が迫ってきていた | 滝見台では何も見えず |
屏風岩の岩肌ではチシマギキョウが花を咲かせ、なかなか美しい。 ゴゼンタチバナやオトギリソウなど次第に花の姿も増えてきたなと思いながら登ってくると、9合目の標識が立っていた。 |
![]() |
![]() |
| 屏風岩の岩肌で咲くチシマギキョウ | 足下を埋めるゴゼンタチバナ |
前方の空が何となく青みがかって見えていた。 そのロープ場を登りきったところで出迎えてくれたのは、マシケゲンゲの花畑だった。 |
![]() |
| 晴れている間に山頂までたどり着きたい! |
そこから少し下がったところにもお花畑が広がり白や黄色の花が咲き乱れていた。 白と黄色は、エゾノハクサンイチゲとシナノキンバイの花だった。 |
![]() |
![]() |
| 雪渓と花畑、山岳景観である | エゾノハクサンイチゲとシナノキンバイの花畑 |
上空には青空が広がっていたけれど、周りは全て雲海である。 私達よりやや遅れて、男性二人連れが登ってきた。 暫くすると、再び雲が広がってきた。今日はやっぱりすっきりと晴れることはなさそうだ。
確かに箸別コースの花畑の方が見ごたえがあった。 |
![]() |
| 霧に包まれた花畑も良いものだ、晴れていればもっと良いはずだけど・・・ |
![]() |
![]() |
| 雪渓と花畑、山岳景観である | エゾノハクサンイチゲとシナノキンバイの花畑 |
それにしても、すれ違う登山者は誰も防虫ネットを被っていない。被っている人でも、それを帽子の上にまくり上げたままである。
増毛市街まで戻って来たが、そこも曇り空。当然ながら、暑寒別の姿はそこからは全く見えなかった。 岩尾温泉で風呂に入りながら蚊に刺された箇所を数えてみたが、あまりにも多すぎて数えるのも面倒になった。 |
暑寒野営場にテント泊して、この日は暑寒別岳を目指す。
その2ヶ月の間にフルマラソンを走ったりしていたので、体力的には全く問題はない。
これでは、蚊の大群の中で足を剥き出しにして歩いているのと大して変わりはないのだ。
虫よけスプレーを使おうと思って立ち止まったところ、攻撃チャンスを待っていたかのように蚊の大群が体の回りに群がってきた。
マイヅルソウの花が登山道の両脇を埋め、ヤマユリ、シラネアオイも花を咲かせていた。
しかし、5合目を過ぎれば蚊もいなくなるという話は全くの期待外れだった。
7合目の手前にロープ場があった。

8合目の屏風岩に到着。

2か所目のロープ場が現れた。
山頂へ急いでいると、エゾツツジの真っ赤な花が目を惹いた。

その花畑を登りきると暑寒別岳山頂だった。
午前9時15分、再び雲に覆われてしまった山頂を後にする。
すっかり雲に覆われた中を下っていくと、日曜日だけあって次々と登山者とすれ違う。
それでもやっぱり、2合目から下の森の中では再び蚊に囲まれることとなった。