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八剣山(2018/10/19)

足がすくんで動けず

定山渓の舞鶴の瀞でカヌーに乗って、その帰り道に八剣山に登ることにした。
緑に覆われた穏やかな形の山の上に鋭い岩稜が連なる様は、定山渓への道を走っていて何時も気になっていたが、これまで登る機会が無かったのである。


登山口は3か所あるけれど、今回は南口コースから登ることにした。
登山口の隣にある不動明王に手を合わせてから登り始める。


木の根に掴まってよじ登る

地表に露出した木の根に掴まってよじ登るような急登がいきなり現れてビックリする。
その先も、今度は岩に掴まりながら登らなければならないような急登が続く。

前回登った銭函天狗山はコースタイム1時間30分で標高差417mを登るけれど、こちらはコースタイム50分で288mを登らなければならない。
単純計算では、時間当たりの登る高さは、こちらの方が多いことになる。
銭函天狗山では、その急登に苦労させられたけれど、こちらもなかなかハードである。

途中から手を使わなくても登れるようになったけれど、急登であることに変わりはない。
太い樹木が何本か倒れていた。
倒れてからそんなに時間も経っていない様に見えるので、多分9月初めの台風21号の強風で倒れたものなのだろう。

下界から眺めた様子では、紅葉もかなり進んでいるように見えていたけれど、森の中は意外と緑の葉が多かった。
しかし、登るにしたがって色付いた葉が増えてくる。


まだ緑が多いの森の中


登山道は、上から崩れ落ちてきたような岩の上を歩くようになってくる。
私が写真を撮ろうと思っても、かみさんはどんどん先に行ってしまうので、「待ってくれ~」と情けない声をかけるしかない。


かみさんに付いていくのが精一杯


尾根の上に出てくると、岩場の登りになる。
細い登山道の片側が岩の壁で、もう片側が切れ落ちた崖になっているところが有った。
足を踏み外すと落っこちるような崖だけれど、樹木も生えているのでそれ程の恐怖感はない。


この辺りではまだ私の前を登っていたけれど・・・

しかし、かみさんはそうでも無さそうである。
「何なの、この道」などとブツブツ文句を言いながら歩いていた。

そんなところに、登山道部分が岩場になっていて、しかも崖の方に傾いている様な場所が現れた。
先を歩いていたかみさんが「こんなところ無理」と言い始める。
しょうがなく私が先に進む。
岩壁側にロープが張ってあるけれど、弛んでいるのでそれに身を任せるのはちょっと怖い。
岩壁の尖ったカ所に手をかけながら、そこを登りきる。

そんなに難しい場所ではないけれど、かみさんの表情は引き攣っていた。
斜めに傾いている岩場に足をかけられずに、「どうやって登るのよ」と文句を言っている。
濡れて苔が生えたような岩じゃないので、そこで足が滑る訳でもないのに、完全にビビっているようだ。


ここで足が止まってしまった



何とかそこは通過できたけれど、こんな場所で泣き言を言っているようでは、この先が思いやられる。
岩場の尾根の上に出てきた。
多分ここが、下から見上げた時の岩稜部分になるのだろう。
一気に視界が開けたけれど、さすがに足元がスースーしてくるような高度感である。


直ぐ横は切れ落ちた崖だ


銭函天狗山の岩場でも、怖がって端の方まで近寄れなかったかみさんである。
果たして大丈夫だろうかと思ったら、やっぱりその表情は完全な泣き顔に変わっていた。
横に生えていた樹木にしがみ付き、座り込んでしまった。
もう足が動かないという。


完全に足が動かなくなり、しゃがみ込んでしまったかみさん


頂上はそこから目と鼻の先に見えていた。
しかし、その様子を見れば、かみさんがそこを登れるとは到底思えない。
かみさんと一緒に登るのは諦めて、私一人で山頂に立つことにした。


山頂まではあと一登りなのだが



登ってみれば、そんなに恐怖を感じるような登りでもなく、山頂もある程度広さがあり、コンビニで買ってきたおにぎりもここでゆっくりと食べられそうである。
尖った岩場の山頂なので、そこからの360度の展望も素晴らしい。


八剣山山頂


かみさんのところまで戻って「意外と簡単に登れるよ」と言ってみたが、勿論それでかみさんの気が変わる訳はなかった。
そこからでも、眼下を流れる豊平川などの風景は頂上と同じように見えているので、十分と言えば十分である。
ただ、果たしてかみさんにその景色を眺める余裕があったかどうかは定かではない。


この風景はかみさんも見られたはず


そこから下山開始。
下山する時の方が下界の風景も良く見えるので、かみさんは登りの時以上に怖がっているようだ。
そして最初に苦労した岩場までやって来た。

丁度、下から登ってきた人がいたので「お先にどうぞ」と言うと「そちらがお先に」との返事が返ってくる。
しかし、かみさんがビビっている様子を見て「やっぱり先に行きます」と言って、サッサと登ってきた。


後ろから追い立てられると下りるのは早いかみさん


今度は後ろから降りてきた方がいて、「お先にどうぞ」と道を譲ろうとすると、「私は年寄りなのでゆっくり下りるから気にしないで先に降りてください」と言われた。
かみさんは人一倍気遣いするタイプなので、後ろで待たれていると思って先を急いだのか、そこをあっさりと降りてしまった。
どうやら、後ろから追い立てる人がいてくれた方が良いみたいである。


下山時に見える風景


コンビニおにぎりは車に戻ってから食べようと思っていたけれど、それでは味気なさすぎる。
途中の風倒木が丁度良いベンチ代わりになりそうだったので、そこに腰掛けておにぎりを食べることにした。
山頂で震えながら食べるよりも、次第に色付きを増す森の中で食べるおにぎりの方が、かみさんにとっては格別に美味しかったことは間違いないだろう。


森の中でのんびりとお昼を食べる



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