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支湧別川

(新生橋〜幽仙橋)

礼文島から帰ってきた足でそのまま白滝高原キャンプ場入り。
同時にキャンプ場に到着したN島先輩と静かな夜を過ごし、翌日、集合場所の白滝IC駐車場に向かう。

雨でテンションも上がらす途中から雨が降り始める生憎の天気。
そんな天気にも関わらず、集合場所には既に殆どのメンバーが集まっていた。
皆、やる気満々といった様子だ。

毎週のように何処かの川を下っている人達なので、少々の雨は全く気にならないらしい。
それに比べて私達はこれが今シーズン2回目の川下り。
しかも1回目は、同じような天気の中で下って途中リタイア。
支湧別川は何度か下っているけれど、簡単には下れるような川では無い。
テンションは下がりきったままだった。

支湧別川の水量は多すぎることも少なすぎることもなく、一番下りやすい水量だろうか。
スタート地点の古い橋脚には、相変わらず沢山の倒木が引っ掛かっている。

倒木もものともせずそれを嫌って、皆はその下流からカヌーに乗り込んでいるのに、I山さんやよしひろさんは全く動じることもなくその上流から下ってきて、倒木の横をすり抜けていく。
さすがに毎週のように川を下っている人達は違うのである。

暫くは特に難しい場所も無く、何度かその上流からスタートしたことがある大成橋まで下ってきた。
大成橋の手前がちょっと荒れた瀬になっていたが、そこも問題なくクリア。

しかし、その先のちょっとした瀬であっさりと沈。
舟が流されそうになったので、慌てて川の中を走って舟を確保した。

何でも無いところで沈岩が絡んでいる訳でもなく、波も素直で、何でそこで沈したのかが良く分からない。
ただ、カヌーが傾いた時、リカバリーの動作が何もできなかったことは確かである。
普段から川を下っていれば、こんな時は自然と身体が反応するのだけれど、やっぱり今シーズン2回目の川下りと言うことが影響しているようだ。

そこから先、支湧別川らしい岩の絡んだ流れが増えてくる。
下るのは大変だけれど、周りの岩は苔生して、風景も楽しめるようになってくる。

次の橋が見えてくると、その直前に岩に挟まれて流れが狭まっている場所がある。
カヌーを上手くコントロールできずに、その岩に乗り上げかけたが、何とかすり抜けることができた。


支湧別川
苔生した岩が美しい

苔の上で昼食その橋から下流が、支湧別川で一番美しい区間である。
ちょうど昼になったので、上陸して昼食にする。
岩を覆った苔がふかふかの絨毯の様で、その上に座るのが気持ち良い。

昼食を終えて再び下り始める。
相変わらず美しい風景が続く。

よしひろさんのカヌーがひっくり返った。
見慣れた風景だ。
よしひろさんの場合、瀬で遊ぼうとして沈するので、私達の沈とは全く違うのである。

「あ〜あ、またやっちゃったな」と思ってい見ていたら、ロールで起き上がってきたのには驚いた。
カナディアンでもロールで起きることはできるけれど、それは静水での話し。
瀬の中で沈して、そのまま起き上がるのは、滅多に見たことがない。
やっぱり、沈する回数が多い程、上達も早いのである。


ロールで起き上がったよしひろさん   支湧別川
OC-1でロールを決めたよしひろさん   美しい流れが続く

支湧別川の風景
風景は美しいけれど流れはテクニカルな支湧別川

高速道路が前方に見えてくると、苔の美しい区間も終わりとなる。
しかし、そこから先が支湧別川の核心部となるのだ。

まずは、流れが岩壁にぶつかり右へ直角に曲がる難所。
そこは無事に切り抜けたが、その先で流れの真ん中に隠れ岩が有るのが見えた。

岩に張り付くかみさんが突然、「どっちから行くの?」と聞いてきた。
今までは、何も考えずに下っていた場所である。
それを突然聞いてこられたので、慌てて「えっ?!、ひ、左だ」と答えたが、多分、右側を下れば問題なかったはずだ。
私の応えが遅れた分、かみさんの反応も遅れ、バウを左岸の岩に乗り上げ、スターンが中央の隠れ岩に引っ掛かり、瀬の途中でカヌーが横向きのまま動かなくなってしまった。

後続のメンバーは、私達のカヌーを避けて右側を下ってくれたが、これでもしも流れを完全に塞ぐかたちになっていたら大騒ぎになるところだった。
なかなか脱出することができず、これはもう沈するしかないかなと覚悟を決めて、下流側にカヌーを傾けたら、その拍子に岩から外れて、ドスンと下に落ちた。
バランスを崩して沈しかけたが、何とか体制を立て直し、無事に瀬を下りきることができた。

カヌーの水抜きをして再び下り始める。
流れの中で連続して岩が待ち構えていた。
必至になってその岩を一つ一つかわしながら下る。
途中のエディで一息付こうとするが、そこは他のカヌーに占領されてスペースがない。

岩にぶつかりそうになりながら沈しょうがなく下り続けるが、その先にいやらしい落ち込みが見えてきた。
以前にkenjiさんカナディアンがひっくり返った場所である。
下流からその様子を眺め、笑いながら写真を撮っていたことを思いだし、今度は自分達の番かと覚悟したが、何とかそこをクリア。

そこで気が緩んだわけではないが、その先の岩に対する備えが少し遅れた。
バランスを崩し、カヌーが傾く。
ゆっくりと水中へと落ちていく時、目の前に岩が見えていた。
頭への衝撃を覚悟して、首をすくめながらひっくり返る。
衝撃は来なかったけれど、沈した瞬間にパドルを離してしまった。

かみさんがそのパドルを追いかけて先に流れていった。
直ぐに浅い場所があったので、私はカヌーを確保したままそこで立ち上がる。
しかしパドルがなくてはどうしようもない。
川幅も狭いので、そのまま下流までカヌーと一緒に流れていくとにした。

簡単にレスキューしてもらえると思ったがそうして、N島さんが岸からカヌーを確保してくれて、私はI上さんの投げてくれたロープに掴まる。
しかし、流れていく途中でカヌーが裏返しになってしまい、その状態のカヌーを流れの中で岸に引き上げるのは難しい。
私も、ロープに掴まった状態で自分のカヌーが邪魔になって岸に上がれない。
結局、私もカヌーも再び流れ出すこととなったが、その先の浅瀬でようやく立つことができて岸に上がれた。
人間は無事だったけれど、浮力体は裂けて大きな穴が開き、ペシャンコに潰れていた。

今回の支湧別川では、自分達は3回沈したとずーっと思い込んでいた。
しかし、家に帰ってから自分のGoPro映像を見ても沈したシーンは2回しか写っていなかった。
もしかしたら、もう1回沈した時はGoProのスイッチが入っていなかったのかもしれない。
そう思って何度も見返したけれど、やっぱり沈したのは2回だけだったようだ。
自分の頭の中では、岩に引っ掛かったところも沈としてカウントしていたのだろう。

ここは左岸側のチキンコースへまあ、2回にせよ、3回にせよ、気分的にはボロボロになっていたことに変わりはない。
その先の、何時も下見してから下っている場所も、皆がヒーローコースを下る中、私達は迷うことなくチキンコースを選択する。

明日のルベシベ川はパスしよう」
そんな事を考えながら、ようやくゴールまで辿りつくことができたのである。

2016年6月25日 曇り時々雨 
※参考 当日12:00湧別川水位(湧別川観測所) 173.85m 

支湧別川の動画へ 


湧別川本流に合流
湧別川本流との合流部から見た本流の様子

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