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天塩川(2018/07/14)

ダウンザテッシ ファーストステージ(名寄大橋 ~ びふかアイランドカヌーポート)

天塩川の名寄大橋河川敷でダウンザテッシ スペシャル2018のスタート式が始まった。
これから3泊4日で151キロ先の天塩川河口を目指すのである。

このダウンザテッシは今回で27回目。
以前から名前だけは聞いていたが、正式名称は「ダウン・ザ・テッシ-オ-ペッ」。
どうやって発音すれば良いのか良く分からない。
例年は、1泊2日で区間を区切って開催していたのが、今年はスペシャルとして一気に河口まで下るので、私も参加を決意したのである。

ダウンザテッシ
実行委員長挨拶
ダウンザテッシ
学生スタッフ紹介


沢山のカヌーが天塩川を埋めるように浮かんでいる様子は、これまでも写真で見ていいたけれど、いざその場に居合わせてみると、本当に凄い数のカヌーである。
私のホームページでカヌーの情報を発信しているのは、カナディアンカヌーで川を下る人が少ないので、それを何とか増やそうと思って始めた部分もあったのだ。
しかし、私の所属しているクラブには一向にカナディアンカヌー乗りが入ってこない。
そんな時にダウンザテッシの写真を見て、「北海道にもカナディアンカヌーで川を下る人がこんなにいるんだ」と驚いたものである。

ダウンザテッシ
カヌーがずらりと並ぶスタート前の風景


10日ほど前に降った大雨の影響で天塩川の水位は平常時よりまだ50センチくらいは多いらしく、流れも速い。
それでも、調べてみると名寄大橋の観測所ではその時の水位よりも2.5m下がっていた。

ダウンザテッシ
全員が出艇するだけで大変だ

参加者は120艇、209人。
それにスタッフやレスキュー役の学生も加わるので、もう大変な数である。
セレモニーが一通り終わって川にカヌーを浮かべるが、全員が水上に出るまでにも時間がかかる。

私達は先の方に漕ぎ出したので、他の人達が出てくるのを待っているだけで大変だった。
流れも早く、止まっていられるエディもないのである。
80mほど先の対岸まで行き、川岸の草に掴まって全員が揃うのを待っていた。

そして9時半過ぎ、合図とともに一斉に下り始める。
その様子は、まさに圧巻だった。

ダウンザテッシ
ここに写っているのも、まだ全部のカヌーではない


スタート時の空は雲が多かったけれど、下り始めて直ぐに青空が広がってきた。
天気予報は良い方に外れてくれそうだ。


スーポロの瀬で水しぶきを浴びる

学生スタッフが「次はスーポロの瀬なので間隔を開けて下ってください」と指示を出していた。
穏やかな流れのイメージが強い天塩川だけれど、今日下る区間にも幾つか瀬があるようだ。

水量が多いせいなのか、スーポロの瀬は結構大きな波が立っていて、一度だけ水しぶきを浴びる。
同じカヌークラブからI倉さん夫婦がインフレータブルカヤックで参加していたけれど、瀬の終わったところで中に入った水を抜いてた。
I倉さんの奥さんは明日までの参加で、3日目からはI倉さん一人で漕がなければならない。
3日目からは向かい風の吹く区間になるので、この舟で下るのは大変そうだ。

前方に形の良いトラス橋が見えてきた。東恵橋である
スタッフから指示が出て、前方の集団は左側に寄って橋に向かっていく。
左に寄る理由は分からないけれど、ここはスタッフの指示に従うだけだ。

ダウンザテッシ
東恵橋の上にはギャラリーが一杯


橋のすぐ手前まで下ってくると、その先が瀬になっているのが見えてきた。
この瀬にも、清美の瀬の名前が付けられている。
左に寄っていたのは、この瀬を比較的安全に下れるコースに入るためだったようだ。

ダウンザテッシ
東恵橋の下流には瀬が続く


私には右側を下った方が面白そうに見えたけれど、100艇以上のカヌーを安全に導くためには、少しでも波の少ないコースを選ぶのだろう。
学生スタッフのカヌーが何艇も一緒に下っていて、まるで牧羊犬の様に羊の群れの周りを走り回って、その集団を導いていくのだ。

ダウンザテッシ
助け上げた人を自艇の後ろに乗せたD地君

瀬を過ぎたところの何もない流れで一艇のカヌーが沈するのが見えた。
直ぐに学生スタッフの乗るカナディアンが集まってきた。
カナディアン2艇で並んで、一方は相手の舟を押さえ、もう一方の舟に乗っていたD地君が流されていた人のライフジャケットの襟首を掴み、そのまま舟の上へと引き上げた。

見事なレスキューである。
普通の川ならば流されている人を岸まで連れていけば良いだけだが、天塩川だと簡単に上陸できる岸もないし、要救助者を長い時間水の中に入ったままにしないためには、これが最良の方法だろう。

D地君とは何度か一緒に川を下っているけれど、流されたカナディアンのペインターロープを口に咥えたまま泳いで岸に引け揚げると言う信じられない技を見せてくれたこともあり、頼りになる学生なのである。

ダウンザテッシ
天智橋には河口までの距離が書かれた標識があった

次に現れたのは天智橋。その橋げたに取り付けられた看板には天塩川河口まで137.2㎞と書かれていた。
まだまだ先は長い。

先を下っている集団との距離がかなり開いてきていた。
後ろを振り返ると、数えられるくらいのカヌーしか残っていない。
つまり、殆ど最後尾で下っていることになる。

レースをやっているわけじゃないから別に良いのだけれど、あまり良い気分ではない。
ここまで約1時間半、休みなく漕ぎ続けてきたのにこの有様である。
これでは、釧路川100キロカヌーマラソンに出場した時と大して変わりはない。



そして11時半頃に、昼食ポイントである恵深橋カヌーポートに到着した。
予定より早く着き過ぎたので、昼食の準備もまだできていなかったようだ。
天気も良いし、川の流れも結構早いので無理して漕がなくてもカヌーは進んでいく。
もっとのんびりと下れば良いのにと思ってしまう。

ダウンザテッシ
恵深橋カヌーポートに上陸


間もなくして昼食の準備が整う。
今日の昼食は、カレーにバナナ、ゆで卵にペットボトルの水1本。
喉が渇きそうだからと、ペットボトルのお茶を2本用意していたのに、スタート前に1本ずつお茶が配られ、ここでまた水が1本追加された。
脱水症にならない様にとの主催者側の配慮もあったようだが、この後も事あるごとに飲み物が配られ、今回のダウンザテッシが終わった後には余った飲み物がクーラーボックスの中に沢山収まっていたのである。

ダウンザテッシ
今日の昼食はカレー
ダウンザテッシ
昼食後は暑くて日陰に避難


それにしても暑い。
この日の美深の最高気温は28度。
とても陽射しの中には居られず、日陰になる場所を探して避難する。
午後からは半そでに着替えて下ることにした。

ダウンザテッシ
恵深橋カヌーポート前の天塩川の流れ


午後12時45分に午後の部がスタートした。
「午前中に遅くなった人は先に出てください」と言われて、私たちは躊躇いなく最初にカヌーを出した。

クラブの例会でも、沈の心配もなく先の様子も分かっている様な川では先頭の方を下ることが多い。
集団の後ろを下るよりは、ずーっと気持ちが良いのである。

何時もの調子に戻って気持ち良く漕いでいると、何時の間にか先導艇を追い越してしまって注意された。
そこで少しスピードを緩めると、次々に追い越されていく。

ダウンザテッシ
道北らしい空が広がる


前の方の集団に混ざって漕いでいて、分かったことがある。
レースでもないのに、何故かお互いに競い合っているのだ。
のんびり下ろうなんて雰囲気は全くなかった。
これでは後ろの集団がどんどん遅れていくのも無理もない。


六郷テッシは右岸側を通過

周りの牧羊犬が走り回り始めて、羊の集団を右岸寄りに誘導していく。
六郷テッシが近づいているようだ。

テッシとは天塩川の名前の由来にもなっているアイヌ語で、川を横断するように岩が並んでいる場所のことである。
水が少ない時は、岩の間を通り抜けるのに苦労するようだが、今日は増水して岩も殆ど水中に隠れているようだ。
私はテッシの様子をまだ見たことが無かったので、この増水はちょっと残念だった。

右岸側は殆ど波も無くて安全に下って行けたが、その左側には結構大きな波が立っていた。
クラブの例会だったら、絶対に左側を下るように指示されるところだ。
私もそちらの方が楽しそうに見えるけれど、牧羊犬に怒られるので、群れから外れるわけにはいかない。

同じクラブのI上さんが職場のグループで参加していて、今日は同僚を前に乗せてカナディアンで下っている。
「ここは左に行きたいよね~」と苦笑いしていた。



ダウンザテッシ
モンポナイの瀬

紋穂内橋を過ぎると流れが速くなり、波の立っているところも出てくる。
そして、前方に横一列に波立っている場所が見えてきた。
モンポナイの瀬と呼ばれているところだ。

何時の間にか周りに牧羊犬の姿は見えなくなり、羊たちは自由に下っていた。
集団が前後に長く伸び過ぎて牧羊犬も統率できなくなっているようだ。

前を下っていたI上さんのカナディアンが、ここぞとばかりに波の一番大きなところに突っ込んでいって、カヌーが大きく跳ね上がっていた。
私たちは、さすがにそこは避けて、隣の波に突っ込む。
やっぱり、自分の判断で自由に下れる方が楽しいことは確かである。

そうして午後2時半頃に、今日のゴール地点であるびふかアイランドのカヌーポートに到着。
8年前にクラブの例会でここのカヌーポートからスタートしたことがある。
川岸が湾状に掘られて大きなエディになっていたはずだが、今はそこが泥に埋まってしまって小さなエディしかなかった。
上陸時に泥だらけになるかと思ったが、板を敷いてくれていたのでそんなに汚れずに済んだ。

ダウンザテッシ
びふかアイランドカヌーポートに上陸


初日の漕行距離は34キロ。
暑さには参ったけれど、川の流れも比較的早く、楽に下ることができた。
カヌーをそこに置いたまま、びふかアイランドのキャンプ地まで歩いて戻った。


この日のキャンプの様子はこちらへ 

(当日09:00天塩川水位 名寄大橋:88.63m)



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