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天塩川(2018/07/17)

ダウンザテッシ ファイナルステージ(天塩大橋 ~ 天塩川河川公園)

(この朝までのキャンプの様子はこちらへ
ダウンザテッシ最終日は、期間中一番の青空が広がった。
ゴール地点の天塩川河川公園に車を置きに行くと、川の向こうに利尻山の姿が見えていた。
川を下っている最中にもその姿が見られそうで、これは楽しみである。

ダウンザテッシ
ゴール地点の風景


午前8時にバスに乗ってスタート地点に移動。
心配していた風も吹いていなかった。
内陸部では気温が上がるみたいだけれど、海沿いでは20度にも達しない予報で、最高の川下り日和である。

ダウンザテッシ
各々で出艇準備


今日は、シーカヤックは後ろからスタートすることになった。
主催者側でも、シーカヤックが早すぎることをようやく分かってくれたみたいだ。

なるべく参加者がまとまってゴールするようにしたいと考えているようだが、そのスピードが違い過ぎるので、後ろからスタートしたところで大して意味はない。
せいぜい「少しはゆっくり下れよ」とけん制する程度にしかならないだろう。

ダウンザテッシ
川下りが初めてだと言うファミリーも
三日間完漕です
ダウンザテッシ
一緒に乗っているワンちゃん2匹も
ゼッケン付けてます


そうして午前9時にスタート。
カナディアンの集団が前を進むが、主催者側の配慮も全くお構いなしに、サッサと追い抜いていくシーカヤックも沢山いる。

ダウンザテッシ
天塩大橋をスタート



この辺りの天塩川の川幅は200mを越えている。
せっかく大河を下るのだから、そのど真ん中を下っていきたいところだ。
しかし、右岸側はシジミ漁の漁船の邪魔になるからと、左岸側を下るように指示される。

向かい風は吹いていないけれど、川の流れもほとんどない。
湖でカヌーに乗っているのと同じような感覚だ。

ダウンザテッシ
この辺りまではまだ前の舟に付いて行けたけれど・・・


前を進むカヌーの集団との距離がどんどん開いていく。
これまでの二日間よりも、その差は更に大きくなっているようだ。
少しでも早く最終ゴールを目指そうとして他の舟が一生懸命漕いでいるのだろうか。
いや、私達だって決して手を抜いている訳ではなく、昨日までと同じく一生懸命漕いでいるのである。
それなのに、他のカナディアンに全然付いていけない。

私たちを追い抜いていく男性ペアの乗るカナディアンを観察してみる。
その漕ぎは明らかに下手くそである。
しかもスターンに乗っている人は、バウマンに任せて時々さぼっていたりする。
それなのに、一生懸命漕いでいる私達より早いのである。

ダウンザテッシ
前の集団からどんどん離されていく


これはもう、原因は舟にあるとしか思えなかった。
新しい舟を買ったばかりだけれど、今回は大きな舟の方が楽だろうと思って、今まで乗っていたフリーダムを持ってきたのだ。
しかし、このフリーダム、補修を繰り返したおかげで表面はデコボコ。
水の抵抗は明らかに大きそうだし、全塗装した塗料の撥水性に問題があるのかもしれない。
この舟で釧路川100キロカヌーレースに出場したのだから、その成績がパッとしなかったのも当然である。

ダウンザテッシ
川の上から眺める利尻山とオントルイ風車群


これまでの二日間は、川の流れが速かったり、向かい風が強かったりしたので、舟による差も小さかったのかもしれない。
それが今日は、舟の違いがまともに出ているようで、前の集団との差は広がるばかりだ。
後ろを振り返ると、カヌーは数えるほどしか残っていない。
その中でも、カナディアンで残っているのはスタッフ艇くらいである。
つまり、カナディアンで参加している人たちの中で私たちが一番遅いと言うことである。
がっかりしてしまう。

ダウンザテッシ
目の前に迫るオントルイ風車群

先を下っていたカヌーの集団が突然、向きを変え始める。
ようやく、遅れていた舟を待ってくれる気になったみたいだ。
と思ったが、直ぐにまた先に進み始めた。

どうやらそこが、利尻山が良く見えるビューポイントだったらしく、お互いに写真を撮り合っていたようだ。
私たちがようやくその場所まで辿り着いたときは、写真を撮り合うような舟も近くには居なくなっていた。

I上さんも今日はかなり苦戦しているらしく、私たちよりも更に遅れていた。
I上さんが遅れているわけではなく、他の舟が風の影響を受けなくなった分、どんどん先に進んでしまい、結果的にその差が開いてしまっているのだ。
やっぱり、天塩川をプレーボートで下るのは、かなりのハンディキャップとなっているみたいだ。



一方、これもハンディキャップだろうと思っていたインフレータブルカヤックのI倉さんは、スタート時からその姿を見ていない。
多分今日もトップ集団の中を下っているのだろう。

ダウンザテッシ
川の上からでなければこの風景は見られない

後で知ったのだけれど、このI倉さんは夫婦でアドベンチャーレースに出ていたことがあるらしい。
3日も4日も、ほとんど寝ないで、自転車やカヌーで長距離を移動するレースである。
その中には、ラフトで60キロ川を下るステージも有ったそうで、それと比べればこのダウンザテッシなどちょろいものなのかもしれない。

それにしても、川の上から眺める利尻山やオントルイの風車群の姿は、なかなか新鮮だった。
遅れることはもう気にしないで、そんな風景を楽しみながら下っていく。

天塩川に架かる最後の橋である天塩河口大橋が遠くに見えてきた。
その橋の手前でカヌーが横一列に繋がって並んでいた。
今度こそ、そこで全員が揃うのを待っているのだろう。
私もその列に加わろうと、力を込めて漕ぎ始める。

しかし、私が追い付くずっーと前に、その列はバラバラになって再び下り始めた。
まあ確かに、後続との距離が開きすぎていたので、全員が追い付くまでなんか待っていられないのも尤もである。

ダウンザテッシ
空が広い!


視界にとらえた天塩河口大橋だけれど、漕げども漕げども近づいてこない。
周りに広がる広大な風景の中で、距離感と言うものが完全に失われてしまったようだ。
午前11時少し前に、ようやく天塩河口大橋の下を通過した。

その先に天塩の街並みが見えてきたけれど、これもまたなかなか近づいてこない。
途中でY谷さんが追い付いてきて、利尻山を背景に写真を撮ってくれた。
I上さんの姿はまだ見えない。

ダウンザテッシ
最後に利尻山と一緒に記念撮影


そうして午前11時半過ぎに、ようやく天塩川河川公園に到着。
今朝も来ていた場所なので、ついに辿り着いたといった感動は湧いてこなかった。
感じたのは、これでもう漕がなくて良いんだとの安堵感だけである。

ダウンザテッシ
ついにゴール


随分前に到着していたI倉さんが舟を引き上げるのを手伝ってくれた。
暫くしてからY谷さんに続いてI上さんが疲れきった表情で到着。
こうして4日間に渡って行われたダウンザテッシが無事に終了した。

鏡沼海浜公園に戻って、最後の昼食はバーベキュー。
と言いながら、中身はジンギスカンだったので、かみさんは野菜だけで我慢するしかなかった。

ダウンザテッシ
完漕昼食交流会
ダウンザテッシ
閉会式


最後のセレモニーで、「来年のダウンザテッシは今回下れなかった区間でやります」と発表される。
ダウンザテッシは今年だけ参加するつもりだったけれど、これでは来年も来ないわけにはいかなくなったのである。

(当日09:00天塩川水位 天塩大橋:0.61m)



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