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紀伊半島の旅、古座川から玉置山へ

一枚岩自然公園キャンプ場他(4月22日〜24日)

大島リゾートを出て周辺観光をした後、古座川町へと向かう。
古座川町では、古座川でのカヌーも観光の柱として力を入れているようなので、何か情報を得られないかと思って観光協会に立ち寄る。
でも、昨日の雨で増水している程度の情報しか得られず。
その程度の事ならば川を見れば分かる話だけれど、自分で事前に色々と調べてあったので困る事はない。

増水した古座川今日は川の状況を下見しながら宿泊予定の一枚岩自然公園キャンプ場へ向かう事にする。

古座川はかなり増水しているけれど、水の濁りは笹濁り程度で、十分に下れる状況である。
でも、私が古座川に期待しているのは、川底までくっきりと透けて見えるような清流なので、今日の状況では下る意味は無い。

その支流の小川は、本流よりも濁りは少ないが、こちらも清流とは言えなかった。
この上流には滝の拝と呼ばれる名所があるようなので、そこまで足を伸ばす。

こちらの方は、水量が増えた分、何時もより迫力のある流れとなっているようだ。
狭まった岩の間を勢い良く水が流れ落ちる。
無理をすればカナディアンでも下れそうな流れなので、ついついそんな視点でその滝を見てしまうのは悪い癖である。

 
滝の拝
滝の拝は迫力満点

その後は、途中のスーパーで仕入れた生寿司を古座川の河原で食べる。
昨日から海鮮系の食事が続いているが、紀州の海を見ているとどうしても海の幸が食べたくなるのだ。

道の駅裏の河原一枚岩自然公園キャンプ場は道の駅一枚岩の裏にあると聞いていたのだが、何処を探してもキャンプ場らしき場所が見当たらない。
しょうがないので道の駅に入ってキャンプ場の場所を聞いてみると、「ここの裏ですよ」と事も無げに言われた。
それは道路の擁壁の下で、アスファルトで舗装されたスペースのことだった。

「河原でキャンプするのなら無料です」とも言われたが、その河原は大きな玉石だらけで、テントを張れるような状況ではない。
「いや、キャンプ場の方を利用します。」と言って一人千円の料金を支払った。
そこで小さな鍵を渡されたが、何の鍵なのか意味が分からない。

アスファルトの上にテントを設営道の駅の少し離れた場所から河原へ降りられるようになっていた。
全面舗装されているのでペグは使えず、石を利用するしかない。
我が家のテントは裾の部分を石で押さえられるので、問題なく設営できた。

渡された鍵は、水道の蛇口を捻るためのものだった。
その鍵が無ければ水道は使えないと言う仕組みなのである。

テントを設営してから古座川の上流部を探検。
川下りフィールドとしては上流部の方が面白そうだが、ちょうど良い出艇場所が見つからなかったので、明日は予定通りキャンプ場から下ることにする。

上流部にある美女湯温泉に入るつもりが定休日だったので、下流部の月の瀬温泉まで戻りぼたん荘の風呂に入る。
キャンプ場まで戻って来たところで、風呂上がりのビールをいただく。

風変わりなサイトかなり風変わりなサイトだけれど、意外と落ち着ける。
後ろの擁壁の上は直ぐ道路なのだけれど、高低差があるので走行する車の音もほとんど気にならない。

そして目の前には巨大な一枚岩が圧倒的な迫力で聳え立っている。
高さ100m、幅500m。
テントサイトからでは、余程の広角レンズでなければその姿を一枚の写真に収める事は不可能である。

河原には流木も沢山転がっている。
今日も盛大な焚き火が楽しめそうだ。


サイトの前に聳える一枚岩
圧倒的な迫力で迫ってくる一枚岩

守り犬が現れた山に囲まれた場所なので陽が沈むのも早い。
山の影が次第に一枚岩を覆っていく。

翌日になってトイレ近くの看板を見て知ったのだが、毎年4月19日前後と8月25日前後の数日間、伝説の守り犬の影が一枚岩に映るとのこと。
この日は4月23日だったので、ギリギリで守り犬の姿が現れたようだ。

近くの電柱にトンビが一羽、とまっていた。
それを見たかみさんが、豚肉を箸でつまんで頭の上に捧げる。
「来る訳ないだろ」と思って見ていたら、そのトンビが直ぐに飛んできて、肉を掠っていったのには驚かされた。

豚肉は持っていくくせして、それがコンニャクだと見向きもしない。
トンビがどうやって食べ物の種類を把握するのか、謎だった。


かみさんが豚肉を持つと   トンビが掠っていった
かみさんが豚肉を捧げると   あっと言う間にトンビが掠っていった

焚き火タイム食事を終えるとお楽しみの焚き火タイムだ。
川湯でのキャンプの時より豪勢な焚き火である。

後ろの道路を走る車も殆どなくなり、河原には私達だけ。
贅沢なキャンプである。

やがて一枚岩の陰から真ん丸なお月さんが昇ってきた。

今日は満月である。
これまでにも満月の夜に何度もキャンプをしてきたけれど、今日の満月は格別に素適だった。


月の出
一枚岩から満月が昇ってきた

快晴の朝翌朝も素晴らしい青空が広がっていた。
古座川の水位も昨日よりかなり下がり、水の透明度も増していた。

今日はここからカヌーで漕ぎ出し、上陸後はバスに乗ってここまで戻ってくる予定である。
楽しい一日になりそうだ。

その後、川下りを終え、キャンプ場に戻ってきてからテントを撤収し、次に向かったのが3日前にも泊まった川湯野営場木魂の郷。

ここがそんなに気に入っていた訳ではなく、翌日には玉置神社へ行こうと考えていたので、古座川から移動してきて泊まるにはちょうど良い場所に位置していただけの話しである。

2度目の川湯野営場気の良い管理人さんに「また来ちゃいました」と挨拶。
料金だけ徴収して領収書も何も無いのは前回と同じだ。
疲れていたのでこの日はビールを飲んで直ぐに寝てしまう。

山の猿達は相変わらず賑やかだった。
翌朝も堂々と道路を歩いて出勤していった。

私達もキャンプ場を後にして玉置神社へと向かう。
何日も周辺でウロウロしていた熊野本宮とも、いよいよこれでお別れである。

玉置神社は大峯奥駆道の一部として世界遺産にも登録されている。
今回の紀伊半島の旅を思い付くきっかけになったのが大峰奥駆け道である。
それを歩く事は叶わなかったが、せめて玉置神社くらいは見ておきたかった。

苔むした杉の巨木玉置神社は標高1000m付近に位置するため、十津川温泉郷から山道をひたすら登っていく。
まるで車で登山をしている気分である。

そんな山道が突然、広々とした駐車場に出てくるのでビックリしてしまう。
玉置神社本殿は更にそこから15分程参道を歩かなければならない。

玉置神社に近づいて行くと、杉の巨木が目立ってくる。
その中でも一際存在感の大きいのが神代杉だ。
屋久杉と比べても遜色のない迫力である。
推定樹齢3000年と言うから、それも当然である。

他にも常立杉、夫婦杉などの杉の巨木が玉置神社を取り囲む。
古くから聖域として守られる中、温暖多雨の気候がこれらの杉を育んできたのだろう。


神代杉   夫婦杉
屋久杉級の神代杉   夫婦杉


玉置神社本殿は石垣の上に鎮座していた。
ちょうど祈祷が行われていて太鼓の音も聞こえてくる。
巨大な杉に囲まれた境内の霊気が、その音で更に強まってくる気がする

そこから更に、標高1076mの玉置山山頂まで足を伸ばした。
これで何となく、大峰奥駆け道の北と南の端を押さえられた気分になれたのである。

この後は十津川村、天川村と回って、紀伊半島の旅もいよいよ終わりが近づいてきた。

紀伊半島の旅、最終章」へ続く 

古座川から玉置山へのアルバム 


玉置神社本殿

パワースポットの玉置神社


杉の根元の祠   玉置山に登頂
玉置山への登山道の途中にもこんな祠が   玉置山に登頂


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