トップページ > キャンプ > キャンプ日記 > 2018年キャンプ日記

絶景を求めて南へ

ピリカキャンプ場(10月21日~22日)

朱太川を下り終えて最初に向かったのが長万部公園キャンプ場。
ところがここでは、焚火が禁止になっている。
予定していた今日の夕食はダッチオーブン料理。
ガスコンロだけでも作れるのだけれど、やっぱり焚火で作った方が楽しいし、今時期のキャンプでは焚火が一番の楽しみでもある。

もしもダメだったらピリカキャンプ場へ行こうと考えていたので、受付で「焚火台を使っても焚火は禁止してます」と言われたので、直ぐに行先を変更する。
そして向かったピリカキャンプ場は、暫く閉鎖されていたものの去年の夏から再オープンしたらしい。


ここに泊まったのは13年前、カヌークラブで後志利別川を下った時のことである。
雨の中のパッとしないキャンプだったので、何処にテントを張ったかも思い出せない。
当時と施設に変わりはないけれど、隣にあったパークゴルフ場が無くなったので、キャンプ場としては以前よりも良くなった気がする。

ただ、料金がフリーサイトで一人千円と言うのが少々高すぎる気がする。
それでも、閉鎖されているよりは料金が高くてもキャンプ場の選択肢が増えるのは良いことである。
もしもここが閉鎖されたままだったら、焚火を我慢して長万部公園に泊まるしかなかったのだから。


テントを張り終えて一息ついた後、クアプラザピリカの温泉に入りに行く。
キャンプ料金が高いので、温泉入浴料も含まれているのかと思っていたら、しっかりと別料金で500円取られてしまった。
入浴料が含まれているのは、キャンプ道具が何も無くてもキャンプが楽しめる「手ぶらキャンプ」のプランだけだったのだ。
ちなみに、このキャンプ場の経営にはアウトドア用品メーカーのLOGOSが参画していて、手ぶらキャンプではLOGOSの新商品がレンタルされるらしい。


野外炉の中に焚き火台を置いた

温泉から出てきて直ぐに焚火を始める。
野外炉を使えるのだけれど、大き過ぎてその中で焚火をすると薪がいくら有っても足りなくなりそうだ。
しょうがないので、野外炉の中に焚火台をセットし、その上で火を燃やすことにした。

薪も十分に用意していたけれど、ケチケチしないで薪を燃やすためには少し心許ない。
周辺を歩いて枯れ枝も拾い集めておく。

日が沈んで間もなくすると月が昇ってきた。
今日の月は十三夜、栗名月ともいわれ、中秋の名月の一か月後に当たる。

中秋の名月と栗名月の両方の月見をしなければ縁起が悪いとされているらしい。
まあ、そんなことはどうでも良かったけれど、今日の月がその栗名月だと思うと、何となく得した気分になれた。


十三夜の月夜


調子の悪かったガソリンランタンが、ジェネレーターを取り換えても直らず、再び使えなくなってしまった。
ガソリンランタンが無くてもLEDの小さなランタンやヘッドランプもあるので別に問題は無い。
何時ものキャンプでも、ガソリンランタンの明かりに頼るのは暗くなってからの夕食時くらいなのである。


ダッチオーブンが勝手に料理を作ってくれる

焚き火の明かりもあるし、満月よりは少し明るさが劣るけれど栗名月も結構明るい。
それに場内の照明も星を見るのに邪魔になるくらいに明るいのである。

今日の夕食は、ダッチオーブンで作る牛肉の赤ワイン煮込み。
ただ、何となく味に締まりがなく、かみさんがコンソメを追加して味を調える。

ただこれは、ワインが無くなるくらいまで煮込む必要があったのに、まだ汁が多い時に食べたのが失敗だったようだ。
その後にじっくりと煮込むと良い味になって、ビールも進んだ。

そして締めは、川下りの途中に収穫した天然ナメコの味噌汁。
これが、涙が出るくらいい美味しかった。
私はキノコの中でもナメコが一番好きかもしれない。


焚き火の隣で食べる夕食

天然ナメコの味噌汁



9時過ぎには就寝。
夜中に目が覚めると、ポツポツと音が聞こえた。
雨が降り始めたのかと思ったが、そうでもなさそうで、もしかしたらテント内部に付いた露が落ちてきているのかもしれない。
そんなことを考えながら再び眠りに付き、次に目が覚めた時は午前3時半になっていた。


空ではオリオン座が輝く

今日はオリオン座流星群の極大日だったことを思い出す。
十三夜の月も夜半には沈んで、流れ星を見るのなら今頃が丁度良い時間だ。
そう思って、まだ眠い目を擦りながら起き出す。

インナーテントから出ると、前室に置いてあったテーブルの上がびしょ濡れになっていた。
やっぱりテント内側の露が落ちてきていたのだ。
これ程酷くテントが結露するのは初めての経験だった。
テントの中だからと安心して、前室に濡れて困るものを置いてあったりしたら、大変なことになるところだった。

外に出ると、素晴らしい星空が広がっていた。
しかし、星を見るには場内の照明が明るすぎた。
その照明から逃れられる場所は何処にもなかったので、しょうがなく場内の一番端の方まで椅子を持って行ってそこで空を眺めることにした。


流れ星が偶然映り込むのを期待していたが、さすがにそれは無理だった


1時間もしない間に8個の流れ星が流れた。
夜空を横断するくらいに長い流れ星や、尾を引く流れ星も見ることができて、満足してもう一度テントに潜り込んだ。

朝起きてから、かみさんにその話をすると「何で教えてくれなかったの!」と文句を言われた。
そのかみさんのテントも、水滴が落ちてくるほどではなかったものの、触ると濡れるくらいに結露していたみたいだ。
場内の芝生も梅雨で濡れていて、朝の光が射し込んでくるとそれが真っ白に光って見える。


朝露が光るキャンプ場


今日も天気予報通りに素晴らしい青空が広がっていた。
この日の一番の目的である乙部町のシラフラとも呼ばれる滝瀬海岸を歩くには絶好の天気である。


最後に記念撮影

乙部町の観光スポットはほぼ歩き尽くしたつもりでいたけれど、1週間前にSTVの「ソラタビ北海道」で乙部町の海岸風景が放映されているのを見ていて、穴の開いた岩の映像に衝撃を受けた。

「何だこれ?乙部町にまだこんな場所があったんだ」
番組の中では滝瀬海岸の方が紹介されていて、穴の開いた岩は映像が流れただけだったけれど、ネットで調べてそれが「くぐり岩」と呼ばれていることを知ったのである。

テントの結露をふき取りながら朝食を済ませ、ほぼ乾いた状態でテントの撤収完了。
乙部町に向かってキャンプ場を後にした。



そして乙部町に入り、鮪の岬、館の岬と寄り道する。
この二つの岬の他にも、乙部町には気になる海岸風景が沢山あるのだ。

乙部町には湧水も多い。
生命の泉として5か所の湧水スポットが整備されていて、今回はその中の「といの水」で水を汲んでいく。


館の岬

といの水


昼食はコンビニ弁当で済ませることにして、くぐり岩の駐車場でそれを食べる。
駐車場から海岸まで100mほど下っていくと、そこにくぐり岩があった。

数メートルの厚さの岩が壁の様に海に向かって突き出ているのも奇異な風景だが、やっぱりそこに穿たれた半円の穴が目を惹く。
400年ほど前にニシン漁のために掘削されたものらしい。


くぐり岩


そこから海岸沿いに600m歩いた辺りが滝瀬海岸と呼ばれている。
そこへ行くまでの海岸風景もなかなか面白い。
火山灰が厚く積もった地層の下に固そうな岩盤の地層が走っていて、その境目から水が染み出している。
乙部町の湧水も、多分こんな原理で湧いてきているのだろう。


地層の境目から水が染み出す


舟を降ろすコンクリートの斜路を越えると、その先にシラフラとも呼ばれる白い断崖が続いていた。
その下まで歩いていくと、まるで異世界へ入り込んだような錯覚を覚える。
北海道内は殆ど隅まで周り尽くしたつもりでいたけれど、まだこんな凄い場所が残っていたとは驚きである。


滝瀬海岸の風景


砂浜には足跡が沢山残っていて、人も結構入ってきているようだ。
やっぱり、STVで紹介された影響が大きいのだろう。


ここが日本だとは思えない


そんな風景に感動させられて、この日のキャンプ地である上ノ国の夷王山へと向かった。
家から持参した薪は昨日のキャンプで燃やし尽くしていたので、途中の海岸で流木を拾っていくのは当然である。



ページトップへ